公開日: 2024.10.04 最終更新日: 2024.10.04

【ご当地お菓子】小布施の栗入り! 幸福のてまりがモチーフの、長野・松本のバウムクーヘン「ミニてまりん」

【ご当地お菓子】小布施の栗入り! 幸福のてまりがモチーフの、長野・松本のバウムクーヘン「ミニてまりん」

長野・松本の「ミニてまりん」

── 地域のお菓子をひもとけば、その場所の素敵な側面が見えてくる。

お菓子をとおして街のなかにちょっとだけお邪魔する、「ご当地お菓子」連載。
第26回は、長野県の中信地方に位置する松本市の「ミニてまりん」を紹介します。

ライター:吉田友希

ライター:吉田友希

01| 松本てまりのような“まんまるバウム”

ころんとした形のバウムクーヘン「ミニてまりん」。バウムクーヘンとしてよく知られている丸型とは佇まいが異なる、球型なのが特徴。ころころ転がりそうなくらい、きれいなまんまるです。

サイズは、約6×6cm。手のひらに収まる可愛らしい大きさです。

画像提供:てまりや 画像提供:てまりや

ミニてまりんは、城下町で江戸時代から長く愛されてきた伝統工芸品「松本てまり」をモチーフにつくられています。

2013年の発売当時、松本をイメージするスイーツが少なかったことから、「幸せを運ぶ松本てまりをスイーツにして、たくさんの豊かな笑顔を生み出したい」という想いで開発されました。現在は、松本のシンボルとなるスイーツとして、市内外の人に愛されています。

華やかなパッケージも素敵です。なかに、松本てまりに関するエピソードが記されていたので、少しだけ紹介します。


大切なお姫様の幸せを祈ってきれいなてまりを作らせたそうな。
お姫様はそれはそれは美しく育ち皆に愛されて幸せに暮らしたそうじゃ。
いつしかてまりは人々の間に広まって幸福のてまりと呼ばれたとさ。

※「てまりん」のパッケージより引用。エピソードは「てまりや」オリジナル

02| なかには、マロンペーストと小布施の栗がたっぷり!

ミニてまりんの中心部分には、なめらかなマロンペーストがたっぷり詰まっています。小布施の栗の粒感も感じることができます。

ミニてまりんを手がけている「信州松本バウムクーヘン工房 てまりや」のコンセプトは「信州の豊かな恵みをお福分け」。信州産コシヒカリの米粉松本ノニたまごなど、信州育ちであることにこだわって、食材を厳選しています。

「信州小布施は、全国的にも栗が有名です。てまりやでは、オープンより信州産にこだわり、小布施で取れた栗を使用しています。

小布施の栗は、しっかりとした甘味と豊かな風味が魅力です。小布施町の高燥な気候と、日照時間が長く昼夜の気温差が大きいことなどが影響して、おいしい栗に育っています」と、店長の藍広江さん。

断面を見てみると、栗がたっぷり! しっとりとしたバウムクーヘンに、ほっくりとしたおいしさがプラスされ、やさしい味わいに仕上げられています。秋の味覚を楽しめる、今こそ食べたいスイーツです。

03| 完成には3日間。手間ひまが生み出すおいしさ

バウムクーヘン「あるぷす」を焼き上げる様子
画像提供:てまりや バウムクーヘン「あるぷす」を焼き上げる様子
画像提供:てまりや

てまりやのバウムクーヘンは、職人によって一本一本手づくりされています。一層ずつ生地を重ね、微調整を行うのには技術が必要です。

なかでも、ミニてまりんのてまりのような形を再現するのには、かなりの手間がかけられています。焼き上げや模様付け、栗の詰め込みなど、作業工程が多く、完成までに要する期間は3日以上だとか!

画像提供:てまりや 画像提供:てまりや

「焼成中は、火の通り具合を見ながら、焼成板で丸く焼き上げていきます。まんまるに焼き上げるのは、もちろん技術が必要ですが、とても手間がかかります。

焼き上がったら、生地が落ち着くまで一晩寝かせ、チョコレートで1本1本丁寧に模様を描いていきます。その後、オリジナルのマロンペーストと小布施の栗を詰め、生地になじむようにまた一晩寝かせます」。

ミニてまりんのおいしさと可愛らしさは、熟練の職人の技術と手間があってこそ。手間ひまかけて大事につくられ、幸福を運ぶバウムクーヘンとして送り出されているのです。

04| 温かさが魅力の松本から、幸せの輪を広げていきたい

てまりやでは「てまりん」のほかにも、「みのり」「あるぷす」「まつもと」「あわゆき」など、地元にちなんだバウムクーヘンが販売されている
画像提供:てまりや てまりやでは「てまりん」のほかにも、「みのり」「あるぷす」「まつもと」「あわゆき」など、地元にちなんだバウムクーヘンが販売されている
画像提供:てまりや

てまりやは「信州松本を感じられるギフトをつくりたい」との想いから、2013年にバウムクーヘン専門店としてオープンしました。

「信州にはたくさんの豊かな自然の実りがあります。てまりやでは、そのなかでも契約農家さんが大切に育てたお米と新鮮なたまごをふんだんに使用し、老若男女楽しめるグルテンフリーのバウムクーヘンを提供しています。てまりやのバウムクーヘンを通して、幸せの笑顔の輪を広げていけたら、嬉しいです」と、藍広江さん。

そして、長野・松本の魅力について、こんなふうに教えてくださいました。

「松本は、国宝松本城を中心に、懐かしい城下町の雰囲気を味わうことができるのが魅力です。自然が近く、湧水も豊富で、自然と都市が共存しています。はじめてでも、『ただいま!』と言いたくなるような、温かい街だと思います」。

常温ではしっとりとした食感を楽しめる。きれいにカットしたい場合は、冷蔵庫でしっかり冷やすのがおすすめ 常温ではしっとりとした食感を楽しめる。きれいにカットしたい場合は、冷蔵庫でしっかり冷やすのがおすすめ

長野・松本の「ミニてまりん」、ごちそうさまでした。


信州松本バウムクーヘン工房 てまりや
所在地:長野県松本市中央2-4-15 謝藍ビル
TEL:0263-39-5858
営業時間:10:00~17:00、不定休
https://www.temariya.jp/
※オンラインショップでも購入可能

吉田友希

この記事を書いた人

吉田友希 ライター

ご当地お菓子の記事一覧

暮らしのコラムの最新記事

暮らしのコラムカテゴリー