── 地域のお菓子をひもとけば、その場所の素敵な側面が見えてくる。
お菓子をとおして街のなかにちょっとだけお邪魔する、「ご当地お菓子」連載。
第28回は、京都府の県庁所在地である京都市の「ショコラムー」を紹介します。
ライター:吉田友希
CONTENTS
01| まるで宝石箱。期待が膨らむ美しさ
画像提供:株式会社 祇園辻利
京都の宇治茶専門店「祇園辻利」から販売されているこちらのチョコレート、高級感のある煌びやかなしつらえに期待が膨らみます。ホリデー、お正月シーズンによく似合う華やかさ……見ているだけでも満足感を得られます。
外箱は、和の印象を感じられるシックなデザイン。なかのトレーはゴールドで、とにかくゴージャス。トレーを引き出して開ける仕様が、さらにワクワク感を醸成します。
なかには、チョコレートが6粒。抹茶とほうじ茶のフレーバーが交互に美しく並んでいます。表面を彩るキラキラのラメですが、よく見るとカラーが異なります。抹茶はゴールド、ほうじ茶はシルバーです。細かな演出に気分が上がります。
02| お茶の風味を存分に堪能できる贅沢なおいしさ
見た目の美しさだけでなく、味にもこだわりがたっぷり詰まっています。
京都の祇園辻利といえば、お茶。このチョコレートは、なかでも自慢の宇治抹茶とほうじ茶を存分に堪能できる味わいに仕上げられています。
ショコラムーの断面
画像提供:株式会社 祇園辻利
チョコレートの名前は「ショコラムー」。「mou(ムー)」は、フランス語で「柔らかい」という意味なのだそう。可愛らしい響きです。
名前の通り、ショコラムーはなめらかな口溶けが魅力。口に入れると、見た目以上の柔らかさに驚きます。
それもそのはず、ショコラムーは、2層のチョコレートで構成されているのが特徴です。柔らかなチョコレートが、しっかりとした味わいの濃厚なチョコレートでコーティングされています。手で持って崩れるようなことはありませんが、どちらもソフトな食感で、至福の口溶けです。
味は、抹茶もほうじ茶もどちらも濃厚! 広報ご担当の井出さんに、2種類のフレーバーについて教えていただきました。
●抹茶
画像提供:株式会社 祇園辻利
「抹茶は、古来伝統の『石臼挽き抹茶』です。祇園辻利の味筋に合わせて合組(ごうぐみ)した、厳選抹茶を使用しています」。
※合組:調合。茶葉を組み合わせること。
●ほうじ茶
画像提供:株式会社 祇園辻利
「ほうじ茶は、その香りを最大限引き出すために、茶葉に応じた火入れで焙(ほう)じています」。
どちらも、祇園辻利にしか生み出せない唯一無二の味わいです。そんな抹茶とほうじ茶を贅沢に使用した特別なチョコレートがショコラムーなのです。
03| “ほんまもん”の宇治茶にこだわったお菓子づくり
画像提供:株式会社 祇園辻利
祇園辻利では、ショコラムーのほかにも、宇治茶専門店ならではのお菓子が多数販売されています。
そもそも宇治茶とは、京都・奈良・滋賀・三重の4府県産茶で、京都府内の業者が京都府内で加工したものを指しており、京都府産が優先されているのだそう。
祇園辻利は、京都・祇園に拠点を置く宇治茶専門店として、最高の宇治茶を提供することにこだわっています。お菓子においても、宇治茶本来の味わいを届けることを追求されています。
「“ほんまもん”の宇治茶を味わっていただくために、お菓子製造において、抹茶の色味や香りを補填するような着色料や香料は使用していません」と、こだわりを教えていただきました。
04| 「京都文化に溢れる祇園は、私たちを育ててくれた街」
祇園で開店した当時の店舗
画像提供:株式会社 祇園辻利
祇園辻利の歴史は、1860年(萬延元年)にまで遡ります。現在の京都府宇治市で、「辻利」として宇治茶の製造・販売として開業したことからスタート。終戦後、京都・祇園に拠点を移し、祇園の地で、街とともに歩んできました。
祇園辻利のホームページには、「私たちを見守り、育ててくれた祇園の街」という表現があります。その祇園について、広報ご担当の井出さんは、こんな風に教えてくださいました。
「八坂神社のお膝元。寺社が多く、花街として栄え、京都文化に溢れる街です。文化に触れるために、インバウンドの方々も多くお見えになります」。
画像提供:株式会社 祇園辻利
京都の「ショコラムー」、ごちそうさまでした。
祇園辻利
本店所在地:京都府京都市東山区四条通祇園町南側573-3
TEL:075-551-1122
営業時間:10:30~20:00(ソフトクリームLO19:30)、不定休
https://shop.giontsujiri.co.jp/
※「ショコラムー」は直営店全店舗で販売中(3月末頃までの冬季限定)。オンラインショップでも購入可能
この記事を書いた人
吉田友希 ライター