埼玉県内において、県庁所在地であるさいたま市に次いで人口の多い自治体が、川口市です。「本当に住みやすい街大賞」2年連続1 位を受賞するなど、住みやすい街として定評のある川口市は、子どもを遊ばせる公園も多く、保育や教育にも力を入れた子育て世代にとって住みやすい街といえます。その特徴を見ていきましょう。
ライター:宇城健弘
CONTENTS
- 川口市の概要:さいたま市に次ぐ人口
- アクセスと主要駅:池袋、新宿、上野、東京が30分圏内、市内循環バスや羽田空港直通バスも整備
- メイン駅周辺の様子:ペデストリアンデッキで生活弱者も利用しやすい移動空間
- 治安:県内ワースト10だが、犯罪・事故件数は年々減少中
- おすすめの公園:夏はじゃぶじゃぶいけで水遊び! 自然豊かで遊具が揃った子どもの遊び場4
- 行政サービス:中核都市への移行により、サービスの向上に期待大!
- 子育て支援:保育施設などハード面の整備と子育ての不安を解消するソフト面も充実に
- 教育:公立の小中一貫校も完成し10年先を見据えた子育ても
- 知っておきたい家賃相場と新築物件の相場
- 川口ならおまかせ! おすすめの不動産会社
- 川口市の分譲戸建てならここにおまかせ!
01| 川口市の概要:さいたま市に次ぐ人口
埼玉県川口市は、南に流れる一級河川・荒川を挟んで北区と隣接し、地続きでは足立区と繋がっている県南部のまちです。古くから鋳物や植木のまちとして有名で、1964年の東京オリンピックで使用された聖火台は市内の鋳物師が製造しました。東京への玄関口というイメージがあり、映画『翔んで埼玉』では、川口に東京と埼玉を分ける “関所”が設けられています。
この東京の玄関口としてのアクセスのよさが人気を呼び、人口は約60.7万人(2021年1月1日現在)とさいたま市に次いで県内2番目を誇っています。地価も2021年の基準地価平均は26万3,276円/平方mで、隣の県都さいたま市(28万4152円/平方m)、北区(平均70万4347円/平方m)、足立区(平均42万7510円/平方m)と比べると低めです。これも人口が増える要因でしょう。
※「土地代データ」より
ちなみに2011年までは、川口市の中央に入り込んでいる形で鳩ケ谷市がありましたが、編入により消滅(人口6.1万人増)。鳩ヶ谷市は平成最後の消滅自治体となりました。
増加を続ける人口を吸収するため、市内には多くの分譲マンションが建てられています。なかでも川口市の特徴といえばタワーマンションです。1998年に竣工したエルザタワーは地上55階建て(185.8m)で、当時は日本一の高層マンションと呼ばれました(現在でも埼玉県内では最高層)。高さ60mを超える超高層分譲マンションはエルザタワー55をふくめ、市内に14棟を数えます。
02| アクセスと主要駅:池袋、新宿、上野、東京が30分圏内、市内循環バスや羽田空港直通バスも整備
メイン駅は京浜東北線の川口駅
市内には3路線、8駅(JR武蔵野線「東川口」、京浜東北線「川口」「西川口」、埼玉高速鉄道「川口元郷」「南鳩ヶ谷」「鳩ケ谷」「新井宿」「戸塚安行」)あり、ほぼ三角形を形成するように各線が通っています。京浜東北線が走る川口駅からは、乗換なしで上野(約20分)や東京(約30分)まで行けます。1回の乗り換えで池袋(約20分)や新宿(約25分)などの副都心エリアまで行けるので、アクセスのよさは抜群といっていいでしょう。
さらに国道122号や東北自動車道、首都高速川口線が南北に縦断し、東京外かく環状道路が東西を横断しているので、市外への移動は電車でも自動車でも自由に往来できます。もちろん、バス路線の発達も見逃せません。市内を走るコミュニティバスは100 系統以上あり、隣市の草加市や都内屈指の広さを誇る足立区の都立舎人公園へも繋がっています。そのうえ、羽田空港までの空港連絡バスも運行しているので、小旅行にも遠方への旅行にも都合のいい立地といえます。
大きな特徴としては、鉄道を利用して都内に通学・通勤している人口が多いため、人口密度が 100 人/ha 以上となっている地域が鉄道沿線に広がっていることです。そのため朝の混雑は問題となっています。
03| メイン駅周辺の様子:ペデストリアンデッキで生活弱者も利用しやすい移動空間
ペデストリアンデッキが整備された川口駅東口
川口駅の東口と西口の両サイドには、ペデストリアンデッキ(高架で設置された歩行者専用通路)が伸び、駅から近い「川口キャスティ」「アリオ川口」「川口キュポ・ラ」などの商業施設や公共施設へ直結。エレベーターも設置されているので、高齢者やベビーカーを引く子育て世代にとっては利用しやすい駅といえます。
再開発中の樹モール(川口銀座商店街)
また東口には再開発中の商店街「樹モール(川口銀座商店街)」があり、2023年には商業施設と分譲マンションを兼ね備えたビルが完成する予定です。西口には川口西公園(リリアパーク)という大きな公園、近くには荒川運動公園があり、自然に触れられる憩いスペースもあります。
04| 治安:県内ワースト10だが、犯罪・事故件数は年々減少中
埼玉県警による「市区町村別認知件数・犯罪率(令和2年中)・確定値」では、犯罪率6.9%で県内10位となっています。川口警察署による統計では、犯罪件数は下記表のとおりです。
●川口市の犯罪件数
侵入盗:5件
自動車盗:5件
オートバイ盗:2件
ひったくり:1件
車上狙い:18件
部品狙い:8件
自転車盗:67件
※川口警察署管内の犯罪認知件数・暫定値(2021年8月)
2021年10月末時点の交通事故件数は次の通り。事故件数はさいたま市についで2番目に多く発生しています。
●交通事故件数
人身事故:971件
死者:6名
負傷者:111名
※埼玉県警「市区町村別人身事故発生状況」(2021年10月末)より
ただ、人口の多さが犯罪件数、事故件数の要因と考えられます。また犯罪件数も事故件数も前年よりも減少しているのも事実です(川口市内 刑法犯認知件数より)。市をあげて住みやすい街づくりを目指した大幅な再開発が行われているため、治安は改善されているのではないでしょうか。
05| おすすめの公園:夏はじゃぶじゃぶいけで水遊び! 自然豊かで遊具が揃った子どもの遊び場4
子どもの成長に遊びは欠かせません。市内にある34の主な公園の中から、おすすめの公園を4つピックアップしてご紹介します。
①遊びながら学べる「南平児童交通公園」
園内に信号や横断歩道、踏切などがあり、遊びながら交通ルールを学ぶことができる「南平児童交通公園 」。ブランコや滑り台などの遊具があり、キックボードや手押し車などの乗用玩具、竹ぼっくりなどのおもちゃの貸出なども行っているので、子どもと一緒に一日飽きることなく遊べることでしょう。
②川口駅直結で便利な「川口西公園 リリアパーク」
駅に近い公園といえば「川口西公園 リリアパーク」。JR川口駅西口から直結している自然豊かな公園です。夏場には水遊び場として遊べる浅い川が公園の中央には流れ、ロッククライミングができる大型遊具や小さい子用の低めの複合遊具など成長にあわせて遊ばせることができます。また、ソメイヨシノなど桜の木も多数植えられているので、春にはお花見をするのもおすすめです。
③四季の花々と遊びを楽しめる「川口市グリーンセンター」
自然に触れながら一日中遊ぶには、川口市グリーンセンターがおすすめ。「日本の都市公園100選」に選ばれている総合公園で、四季折々の緑や花が楽しめます。園内にある「わんぱく広場」では、アスレチックやミニ鉄道などをはじめとした大型遊具で思い切り身体を動かして遊ぶことも可能。
さらに、夏には1周約200mほどある流水プールや6角形の大きな幼児プールなどが、冬には屋外スケートリンクが利用でき、四季の変化を花と遊びとで堪能できます。レストランもあるので、お昼の準備を気にする必要がないのも大きなポイントです。2022年春には「冒険の森フィールドアスレチック」がオープンする予定。ますます楽しく遊べますね。
④思いっきり体を動かしたいなら「戸塚中台公園」
遊具で思いっきり体を動かしたいなら「戸塚中台公園」はいかがでしょう? 芝生広場、アスレチック遊具、じゃぶじゃぶ池などがあるほか、自然の雑木林もあるので、自然にふれあいながら遊具で遊ぶことができます。特に夏はじゃぶじゃぶ池が人気で、多くの子どもたちが歓声をあげて水遊びしています。
06| 行政サービス:中核都市への移行により、サービスの向上に期待大!
川口市役所本庁舎。庁舎前では地元野菜の直売を行っていた
川口市は平成30年に中核都市に移行しました。前後しての大きな変化は庁舎機能の集約化です。かつては第一庁舎、第二庁舎、鳩ケ谷庁舎と庁舎機能が分散していましたが、平成30年から新庁舎の建設が開始。一期棟と二期棟の2つの庁舎を建設し、互いを屋根付きの連絡通路でつなぐという珍しい庁舎を建設中です(一期棟は2020年3月に完成し、二期棟は2024年度の竣工を目途としている)。
一期二期と分かれたのは本庁舎を継続運用しながら、新庁舎(一期棟)を建て、一期棟完成後に本庁舎を解体して二期棟を建設するという運用だったからでした。分散していた行政機能が集約化されることで、住民への行政サービスも向上することが予想され、住みやすさはさらに向上するのではないでしょうか。
また、中核市になると、市が保健所を所管して市の実情に即した保健行政が実施できるようになります。新型コロナウイルス対策では、専用電話相談の実施や開設当初よりリアルタイムPCR装置を導入するなどの取り組みを展開しました。
07| 子育て支援:保育施設などハード面の整備と子育ての不安を解消するソフト面も充実に
子育ての環境はどうでしょうか。特に都心部で問題とされている待機児童については、保育施設などの整備が進み、 2015年度は保育施設129か所、定員7,908 人だったものが、2020年度には197か所、定員1万1,463人に増加しました。待機児童数も2015年時点の221人から2020年には 38 人にまで減少しています。
2020年には、子どもの健康を守るための施設として「川口市こども夜間救急診療所」が、子どもの発達に不安を持つ保護者のワンストップの相談窓口として「子ども発達相談センター」がオープン。保育だけでなく、子どもの健康を守るという面での整備も着々と進んでいます。
さらに、市内には移動図書館も含めて11の図書館が整備されています。市としても読書を「子どもが言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないもの」として、出生時に絵本を手渡す「ファーストブック事業」を続けています。各図書館では、定期的におはなし会や手あそび・わらべうたの会などの読書イベントを開催。3歳児健康診査や幼児相談会場では、市立図書館の作成した年齢に応じたおすすめブックリスト等の配布などを行っています。
08| 教育:公立の小中一貫校も完成し10年先を見据えた子育ても
乳幼児期の子育てにひと段落してから気になるのは、公教育の充実です。川口市には市立の併設型中高一貫校「川口市立高等学校」があります。2021年に附属中学校が開校、「中高一貫教育の最大の利点である6年間の一貫した教育課程を組むことで、地域社会のリーダーとなる人材の育成を目指す」としています。私立に通わせなくても質の高い授業を展開してくれる公立学校があれば、子どもの10年、20年先を見据えた将来設計が組めるのではないでしょうか。
また、さまざまな家庭の事情により中学校卒業資格が持てなかった人や外国人市民に向けて、2019年に県内初となる公立夜間中学校「川口市立芝西中学校陽春分校」を開設するなど、子どもを“取りこぼさない”教育にも力を入れている様子が伺えます。子どもの成長をさまざまな面でサポートしている事業が多いのも川口市に人が集まる理由なのかもしれませんね。
09| 知っておきたい家賃相場と新築物件の相場
賃貸マンション・アパートの目安は下記です。
2DK:71,000円
3DK:81,000円
1LDK:75,000円
2LDK:90,000円
新築・分譲一戸建ては
3,500万円以上
で多くの物件が販売されています。
中古マンション(2LDK)は
築5年~15年以内:3,300万円台
それ以上の築年数:3,000万円台
となります。
10| 川口ならおまかせ! おすすめの不動産会社
川口で暮らすなら、その街をよく知る人に聞くのが一番。マドリームがおすすめする不動産会社をピックアップしています。
11| 川口市の分譲戸建てならここにおまかせ!
ムダな経費を徹底的に省き、購入者に還元できる「ライジングホームの家」を紹介中。
この記事を書いた人
宇城健弘 ライター