大阪府守口市は、大阪府の中央部に位置する街。大阪市に隣接し、ベッドタウンとして栄えています。幼児教育・保育料の無償化を全国の市で初めて行うなど、子育てに力を入れていることも特長。近年住みたい人が増えているという守口市の住みやすさと治安をご紹介しましょう。
ライター:中野祐子
CONTENTS
01| 守口市の概要: 世界的メーカーの企業城下町としても発展
守口市は面積12.73平方kmと大阪府では7番目に小さな都市。かつては農地が大半を占め、現在もレンコンやくわい、長さが120cm以上にもなる希少品種・守口大根が収穫されています。淀川に面していることから広大な淀川河川公園を有し、街全体の地形が比較的フラットな地形であることも特長です。
面積はコンパクトながら、人口は142,203人と多く、大阪府ではつねにトップ15にランクイン。住む人が多い分、生活環境や市の制度などが整っています。
また、世界的企業・パナソニック株式会社の本社があることでも有名。隣の門真市をはじめ、広大な工場は残念ながら移転してしまいましたが、一部生産拠点が残り、跡地は大阪国際中学校高等学校が開校するなど、有効に活用されています。
02| アクセスと主要駅: 交通機関が充実。都心へのアクセス良好
急行も停車する京阪電車守口市駅
守口市は、古くから交通の要所として栄えていました。現在は京阪電車、大阪メトロ谷町線、大阪モノレールの3線が縦横に走り、どこへ行くにも便利です。
・京阪守口市駅
主要駅は、京阪電車守口市駅。急行や快速電車が停車し、大阪のビジネス街・淀屋橋、北浜、天満橋に約10分で行き来できます。また、枚方市や京都の三条、出町柳へも1本で移動可能です。駅には、京阪百貨店が直結。食料品や衣料品、レストラン街などあらゆるものが揃い、人気ブランドも多く入っているので、都心まで出かける必要がありません。
周辺には西友やサンディといったスーパー、飲食店、銀行、郵便局なども集結。守口市市役所も近いので、買い物や飲食はもちろん、日々の細々とした用事や手続きもスムーズに行えます。
京阪守口市駅は、大阪メトロ谷町線・守口駅が隣接。ここからは大阪屈指の繁華街・ビジネス街である梅田へ(谷町線の駅では東梅田駅)15分で到着。谷町線は、官公庁街の谷町四丁目駅、大阪の巨大ターミナル駅、天王寺駅も路線なので便利です。
地上が大阪モノレール、地下に谷町線と駐輪場がある大日駅
・大阪メトロ、大阪モノレール大日駅
守口市のもう一つのターミナルが大日駅です。谷町線は始発駅なので、座って移動できるのが魅力。同じ場所にある大阪モノレール大日駅からは万博公園や大阪空港へ1本で行き来でき、休日や出張の際に便利です。「イオンモール大日」と直結し、買い物や飲食などに便利。タワーマンションもそびえ、周辺は新しいマンション、戸建ても多く、若いファミリーに人気があります。
また、大阪モノレールは大日駅のひとつ向こうの始発駅・門真市駅から東大阪市まで延伸工事が進んでおり、2029年に開業予定。近鉄奈良線に乗り換えができ、さらに行動範囲が広がるはずです。
守口市はバス路線も多く、国道1号、中央環状線、阪神高速道路、近畿自動車道など道路網も充実。フラットな地形から自転車での移動がラクで、徒歩・自転車による交通手段分担率は大阪府トップクラス。守口市駅と大日駅、京阪電車の西三荘駅、土居駅に大きな駐輪場があるので、安心して通学・通勤ができます。
03| 治安: イメージ一新。犯罪件数が年々減少
守口市は、残念ながら治安があまりよくないというイメージがあったため、市では防犯対策に注力してきました。
まず、市内全域に防犯カメラを1,000台設置。約110mに1台の防犯カメラが備えつけられていることになります。
さらに警察、地域と連携し、青色防犯パトロール車が市内を定期的に巡回。各小学校でもPTAなどと連携して、子どもの見守り、登下校時の付き添いなどを行っています。また、万一の時、子どもが助けを求めて駆け込むことができる大阪府の防犯運動「こども110番」に参加する施設や住宅も増加。大阪府警に登録すれば、事件発生や犯罪などの注意を随時メール、アプリでキャッチできます。
こういったさまざまな取り組みにより、守口市の刑法犯認知件数は2009年から2019年の10年間で半分以上減少。その後も、2020年は1,228件、2021年は1,039件、2021年は964件と、犯罪は減り続けています。
さらに、守口市駅前再開発など繁華街の改修とオープンスペースの確保、避難所や避難場所の整備、各道路の自転車レーンの設置なども進められています。
かつてに比べると治安へのイメージも変わりつつあり、安心して暮らしていけるのではないでしょうか。
04| 守口の制度: 全国初の制度を導入。子育て世代にやさしい
2017年、守口市では全国の市で初めて保育園、幼稚園の無償化がスタートしました。
内容としては、世帯の所得に関係なく、第2子以降などの条件もなく、すべての0歳から5歳までの子どもの保育所・認定こども園、幼稚園、地域型保育事業の利用料が無償(私立幼稚園・私学助成施設は上限あり。認可外保育施設は対象外)。守口市在住なら他市の施設を利用する場合も無償化の対象となるのもポイントです。
医療費は0歳から18歳まで(18歳に達する日以降の最初の3月31日まで)を対象に、1医療機関あたり月2日を限度として入院・通院各1日につき最大500円の一部自己負担で済むように。
その他、児童手当や学童保育、子育ての支援制度なども充実しているので、詳細は市のホームページでチェックを。
05| 子育てと暮らしに“いいスポット”
子育てしやすい、暮らしやすい守口市でおすすめのスポットをピックアップしました。
①子どもの遊び場に困らない! 守口市の4公園
大枝公園入口
市内には大小さまざまな公園がありますが、「大枝公園」「土居公園」「下島公園」「大宮中央公園」の4つが代表的存在。とくに60年以上市民に愛されてきた「大枝公園」は2019年に大幅リニューアル。総面積6ヘクタールと広く、西側は野球やサッカーなど多種多様に使える多目的球技場、屋内・屋外のテニスコート、相撲の土俵を完備。東側は芝生広場、市内最大の噴水がある水の広場、さまざまな遊具が揃い、子どもを遊ばせるのにぴったりです。駐車台数の多いパーキングがあるのもポイント。
大枝公園には遊具がいっぱい
②守口のシンボル、広大な癒し・遊びの場。淀川河川公園
広大な淀川河川公園に面していることも守口市の自慢
大阪府の6市1町、京都府の1市1町、27地区で管理運営している広大な淀川河川公園のうち、外島地区・守口地区・八雲地区・八雲野草地区・庭窪河畔地区・大日地区・佐太西地区と多くの地区が守口市に含まれています。野球場やテニスコート、陸上コースが備わった地区もあり、活用方法は自在。緑も豊かで、日々のウォーキングなどにもおすすめです。
③街の人に欠かせない存在。イオンモール大日
1日中過ごすことができるイオンモール大日
大阪メトロ谷町線、大阪モノレールの大日駅と直結。スーパーのイオンスタイル大日をはじめ、186の専門店があり、市の出張所や銀行、郵便局、病院や英会話教室、映画館、室内遊園地なども完備。買い物や食事に、子どもの習い事や休日のレジャーに、何でもここで済ませることができます。
また、谷町線守口駅の目の前、守口市役所の旧本庁跡地に2023年秋、「イオンタウン」が開業予定。同じ年、隣接する門真市には、パナソニックの広大な工場跡地に「ららぽーと」と「コストコ」が開業予定で、街の人が利用できるスポットがさらに広がります。
④子育てにうれしい市の施設も充実
守口市は2019年まで大阪府で唯一図書館のない街だったのですが、2020年6月、ついに「守口市立図書館」が大日駅のすぐ近くにオープン。絵本や児童書がずらりと揃った子ども図書コーナー、靴を脱いで利用でき、親子が触れ合えるキッズコーナー、さらに自習コーナー、飲食も可能な交流スペースなどが設けられ、さまざまなイベントも開催されています。
守口市駅から近い「守口市民体育館」は、予約制ですが、大体育館や小体育館、武道場などをリーズナブルに利用できるのも市民の特権。体操教室なども開催されています。
また、守口市役所内に、妊娠期から子育てを応援する総合相談窓口である子育て世代包括支援センター「あえる」を設置。乳幼児の遊び広場「もりランド」も併設されています。(平日1時ごとに5回オープン。各先着5名)
06| 知っておきたい家賃と新築物件の相場
守口の家賃や新築物件の相場は次の通りです。
賃貸マンション・アパートの家賃相場
ワンルーム:3.57万円
1K:4.63万円
1DK:5.92万円
1LDK:6.25万円
2DK:6.31万円
2LDK:7.51万円
3LDK:12.54万円
中古マンションは
築年数指定なし:約2,089~3,682万円が相場
新築一戸建て:4,190〜4,790万円
中古一戸建て:約1,725~2,803万円が相場
となっています。
人気は守口市駅周辺、新しい住宅街としても開発されている大日駅周辺。土居駅や西三荘駅も落ち着いた住宅街として暮らす人が多いです。
この記事を書いた人
中野祐子 ライター