日本の滝100選に数えられる「箕面大滝」で有名な大阪府箕面市。都心から近いロケーションながら自然豊かなエリアです。上質な住宅街が多く、さらに2024年3月23日、新たな駅、箕面船場阪大前駅の誕生によって注目を集めています。そんな箕面市の住みやすさや治安をご紹介しましょう。
ライター:中野祐子
CONTENTS
01| 箕面市の概要: 山間地域にある風光明媚な都市
新たに開通した北大阪急行・箕面船場阪大前駅周辺(2023年12月現在)
箕面市は大阪府の北部にある北摂地域に位置。「箕面大滝」がある「明治の森箕面国定公園」を含む山間地域が面積の約6割を占める、自然に恵まれた都市です。また、大阪の都心部から20km圏内、電車で20〜30分で移動できることから、古くから住宅街としても栄えてきました。
そんな箕面市は、1970年の大阪万博開催時から計画されていた、大阪の大動脈・大阪メトロ御堂筋線が乗り入れる北大阪急行の延伸が1996年に正式決定。これにより市内全域の再開発が進みました。駅は2024年3月24日に開業。地元の人だけでなく、他の地域からも箕面市に移住する人がますます増加しています。
02| エリアとアクセス: 新駅誕生でますます便利に人気に
白い屋根が印象的な北大阪急行・箕面萱野駅(2023年12月現在)
箕面市は大きく5つのエリアに分かれています。
・中部エリア
まず、箕面市でもっとも進化しているのが「中部エリア」です。ここは昔から繊維関係の企業が集結する「船場」として栄えてきましたが、北大阪急行線が延伸し、2つの新駅「箕面萱野駅」「箕面船場阪大前駅」が完成。これまでは北大阪急行の千里中央駅から阪急バスや徒歩での移動が必要でしたが、電車一本で新幹線が発着する新大阪駅に約18分、大阪の中心部・梅田駅には約24分で行き来可能に。そのためタワーマンションやおしゃれな戸建てが増えています。
レトロな雰囲気が漂う阪急電車箕面駅
・西部エリア
阪急電車箕面線・箕面駅をメインとする「西部エリア」は、箕面大滝や箕面公園の玄関口。明治時代から宅地開発が行われてきました。この箕面駅を起点に、桜井駅や牧落駅など箕面線沿線は昔ながらの住宅地が広がり、分譲・賃貸マンションなども並んでいます。
箕面駅から阪急梅田駅は約24分と便利さに加えて、自然豊かなところで暮らしたい人に人気です。
おしゃれなショップやマンションも並ぶ小野原界隈
・東部エリア
「東部エリア」はのんびりとした田園地帯でしたが、阪急箕面駅、北大阪急行千里中央駅から阪急バスでアクセスできることから開発が進み、とくに小野原という地域一帯には、スタイリッシュな住宅やお店が次々と完成。一部では「箕面のビバリーヒルズ」と呼ばれているようです。
かわいいイラストが描かれたコミュニティバス
中部・西部・東部エリアは、箕面コミュニティバス「オレンジゆずるバス」が各駅や病院などの施設を循環しているので、便利です。
・彩都エリア
大阪モノレール本線の万博公園駅から北へ続く、大阪モノレール彩都線が走る「彩都エリア」。箕面市と、隣接する茨木市によって構成される新興住宅地がひらけています。
里山がある暮らしが叶う北部エリア
・北部エリア
「北部エリア」は箕面公園から大阪府豊能町、兵庫県川西市、京都府亀岡市まで広がる山間地域でしたが、大阪のメインロード・御堂筋とつながる箕面有料道路と、新名神高速道路の延伸開通により、車で大阪市内へ約45分とぐっと便利に。宅地開発が進んでいます。
03| メイン駅と生活環境: 豊かな毎日を支える環境が充実
箕面船場阪大前駅直結。外国語学部などが入る大阪大学箕面キャンパス
箕面市は生活環境も整っています。
・阪急箕面駅
阪急箕面駅の周辺には箕面市役所や箕面警察署などの公共機関が集まります。箕面市のメインの幹線道路である国道171号線沿いには大きなスーパーやディスカウントショップなどが並んでいます。
・箕面萱野駅
新駅である箕面萱野駅は「みのおキューズモール」と直結。イオンスタイルや映画館、専門店など100を越える店舗が入り、買い物や休日のレジャーに困ることはありません。
・箕面船場阪大前駅
箕面船場阪大前駅はその名前の通り、「大阪大学箕面キャンパス」に直結。「箕面市立分文化劇場」「箕面市立船場図書館」も隣接しています。
箕面船場阪大前駅からすぐのスーパー銭湯
箕面船場阪大前駅からは箕面市民病院や北大阪急行千里中央駅も近くて便利。戸建てやマンションも多く、スーパー銭湯、カフェ、衣料品から生活雑貨、ハイブランドのアイテムまで取り扱い、会員になれば一般購入も可能な大型卸売店もあります。
JAの直売所など地場の農産物を販売するお店が多い
もちろん、箕面市のどのエリアもスーパーや病院などが充実しているのでどこに住んでも便利です。
04| 治安: 「大阪で一番安全なまち」の目標通りの安心度
箕面市は「大阪で一番安全なまち」をめざし、通学路や公園に約2,000台の防犯カメラが設置されています。また、市が防犯カメラ設置費用を補助しているので、自治会などがカメラを設置。「地域の子どもは地域で守ろう」と、登下校時の見守りなどを強化し、愛犬と一緒に散歩しながら地域をパトロールする「わんわんパトロール隊」も活動しています。
さらに、市立の小中学校すべての児童・生徒に見守りシステム「otta」を無償配布。ランドセルなどに付けられるホイッスル型のかわいい端末で、学校や教育委員会で子どもの位置情報記録を確認でき、安心です。
こういった市と市民の協働による防犯によって、子どもへの声かけなど不審者情報やひったくりなどが減少。2022(令和4)年の犯罪認知件数は549件。犯罪率(人口1,000人あたりの犯罪件数)は約3.9件と、大阪府下ではつねに上位に入る少なさで、北摂地域ではトップに。箕面市は治安良好で、安心して暮らせる街といってよいでしょう。
05| マドリームが選ぶ暮らしと子育てにいいスポット
箕面市で暮らし、子どもを育てていくうえで、ファミリー層にとって便利なスポットを厳選しました。
①市民が誇る癒やしと潤いのスポット「明治の森箕面国定公園」
箕面公園内にある紅葉の名所「勝尾寺(かつおうじ)」
©(公財)大阪観光局
勝尾寺は「勝ちダルマ」の寺でもあり、地元の人は受験やスポーツなど勝負事の際に祈願に訪れる
©(公財)大阪観光局
標高約100~600mの箕面山に広がる風光明媚な自然公園で、紅葉の名所としても有名。東京・八王子と大阪・箕面を結ぶ1都8県2府に及ぶ全長1697.2kmの自然歩道、東海自然歩道の西の起点、古くは山岳信仰の聖地とされてきました。
滝からのせせらぎを聞きながら歩け、森林浴もできる滝道
幅5m、落差33mもある箕面大滝は箕面市だけでなく、関西が誇る観光スポット。箕面駅から箕面大滝まで約3㎞続く通称・滝道は、緑豊かで地元の人も散策に訪れます。
また、本格的なトレッキングや、一部エリアではキャンプも可能。箕面有料道路のトンネルの終点であり、公園の一部でもある止々呂美(どどろみ)エリアには、アウトドアメーカー・スノーピークが「箕面キャンプフィールド」を設置。周辺の清流では釣りや虫取り、一部ではBBQが可能。イチゴ狩りや芋掘りができる農園もあります。
②生活にも必須。一日中、楽しく過ごせる「みのおキューズモール」
広々として、ゆったりと買い物などができる「みのおキューズモール」
箕面萱野駅に直結する大型モールで、イオンスタイル、109シネマズ箕面、関西最大級の無印良品などが揃い、2024年に4月に箕面市認可保育園も開園。駅直結なので、子どもの送り迎えがスムーズ。ついでの買い物にも可能です。
水遊びや散策、犬の散歩にもちょうどいいモール内の自然スペース
モール内には川が流れ、夏は水遊びもOK。芝生広場、雨の日でも遊べる「キューズランド」などもあり、キッズトイレや授乳・オムツ替えスペースも完備。さらにモールの屋外スペースはワンコ連れも可能です。
③子どもが本に触れる、読むスペースが充実「箕面市船場図書館」
木を使った船場図書館の外観
箕面船場阪大前駅に直結する、大阪大学が管理運営する図書館。誰でも入館・閲覧可能で、市民はもちろん、北摂7市3町に在住・通学・通勤する人の広域貸出にも対応しています。
靴を脱いでフロアに座って本を読むことも可能
窓に面した心地いい蔵書閲覧スペースも設置
館内の2階には「にぎやかエリア」があり、小さな声での会話ならOK。絵本約1万冊、児童書約3万冊が子ども目線の低い本棚に並び、ソファや机も完備。また、「ハワイアンカフェ」を併設し、飲食可能エリアもあるので、大人と子どもがゆっくり読書にひたることができます。
06| 箕面市の制度: 「子育て・教育日本一」に見合う手厚さ
箕面市は安心安全とともに、「子育て・教育日本一」という目標も掲げています。制度やサービスが充実しているので、一覧で紹介しましょう。
●妊娠健康診断助成
妊婦さんの定期健康診査費用を14回分(多胎妊娠は19回分)助成。
●乳児家庭全戸訪問「こんにちは赤ちゃん訪問」
赤ちゃんが生後4か月までの間に保育士が自宅を訪れ、育児についてアドバイス。
●保育所定員増加
「通年の待機児童ゼロ」をめざし、保育所の定員を増加。また一部幼稚園で長時間保育が実施。
●子ども医療助成制度
高校卒業年齢まで、健康保険扱いとなる医療費が医療機関ごとに1日500円。
●19時までの学童保育
市立小学校に学童保育を設置し、1年生から6年生まで19時まで預かり。
●英語教育を毎日実施
市立の小中学校の全学年で、英語の学習を毎日実施。そのため、箕面市は英検3級相当以上の中学3年生の割合が70.8%と、全国平均の40.7%を大きく上回る。
●府内初! 全小中学生にタブレット
市立の小中学校のすべての児童生徒にキーボード付きタブレット端末を1人1台配備し、ICT教育を実施。
●レベルの高い教育機関が多数
市立小中学校では、小中一貫の教育カリキュラムを導入。「とどろみの森学園」と「彩都の丘学園」と2つの小中一貫校もある。また、英語教育に力を入れる「イングリッシュ・フロンティア・ハイスクールズ」の指定校である大阪府立箕面高校、インターナショナルスクールの関西学院大学千里国際中等部・高等部もある。
07| 知っておきたい家賃と新築物件の相場
箕面市の家賃や新築物件の相場は次の通りです。
賃貸マンション・アパートの家賃相場
ワンルーム:5.39万円
1K:4.58万円
1DK:5.58万円
1LDK:7.37万円
2DK:7.01万円
2LDK:10.83万円
3LDK:13.58万円
新築・分譲戸建て:4,680〜8,790万円
中古戸建て:3,051万円〜
中古マンション:1,980万円〜
箕面市は戸建てや分譲マンションが中心で、相場はやや高めといえます。移住や購入を検討する場合は、信頼できる不動産店にしっかり相談するのがおすすめです。
この記事を書いた人
中野祐子 ライター