
リモートワークの定着などもあり、時と場所を選ばず自分のペースで仕事をする人が増えています。そんな人たちが新しいライフスタイルとして実践しはじめているのが、都心と田舎などまったく環境の異なる2つの場所に拠点を持ち、両方を行き来しながら暮らす「二拠点生活(デュアルライフ)」です。二拠点生活の概要、メリット・デメリット、地方の拠点におすすめの自治体、実際に二拠点生活をしている人の声などをお届けします。
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01| 二拠点生活(デュアルライフ)とは?
「二拠点生活」とは、文字通り、生活拠点を2つ持つこと。「二拠点居住」あるいは、「デュアルライフ」という言い方もされます。
かつては、本宅と別荘を行き来する富裕層やリタイア層など、お金に余裕がある人の生活スタイルだと思われていました。しかし、最近では平日は都会の拠点から会社に通い、休日は自然豊かな田舎の拠点での生活を楽しむ、というライフスタイルが働き盛り世代にも広がりつつあります。またテレワークの普及で、田舎で生活しながら仕事をこなし、必要なときだけ都会に出ていく生活も可能ですし、あえて都会を避けて、立地や特徴の異なる2つの地域都市を組み合わせて生活するパターンもあります。
いずれにしても、仕事と余暇のバランスをとったり、家族のライフステージに合わせたりするなど、さまざまな生活様式が考えられます。
なぜ今、二拠点生活が注目されているの?
- コロナ禍以降、「テレワーク勤務」が認知された
2020年春先からの新型コロナ禍の中、東京など都心にオフィスを構える企業を中心に、出社せずに業務を行うテレワークが推奨されました。その過程で、多くの業務が出社をせずとも行えることが広く認知されました。アフターコロナの時代となった現在でも、テレワークを継続したり、働き方の選択肢としてテレワークを認めたりする企業が数多くあります。こうした風潮も後押しとなり、業務内容によっては無理なく二拠点生活を送れるようになりました。
- 政府が働き方改革を推進
2019年から労働者の多様化に併せ、柔軟な働き方を実現することを目指す「働き方改革関連法」が施行されました。フレックスタイム制の拡充や、テレワーク、副業など、さまざまな働き方を可能にするための制度が次々と整備。そこへコロナ禍でのテレワークの普及もあり、二拠点生活を後押しすることとなりました。
こうした流れの中、長野県佐久市では、長野県外との二地域居住を始めた人がリモートワークを行う場合の支援金を用意。日本各地の自治体がこれにならうように幅広い支援策を実施しています。このように、経済的な支援が受けられることも二拠点生活へのハードルを確実に低くしています。
- 「住環境」の多様化と交通手段の広がり
従来、「住まい」を得る手段といえば、一軒家かマンションを購入するか、それらを賃貸するかのどちらかでした。しかし、近年はシェアハウスやゲストハウス、マンスリーマンションなど、居住に関する選択肢が広がっており、購入・賃貸にこだわらない住まい方があることが認知されはじめているのも、二拠点生活を考えるきっかけになっているようです。
また、新幹線が北海道から九州までを網羅するなど高速鉄道が行き渡り、主要都市と各地方を結ぶ高速バスの路線も充実。さらに、リーズナブルなLCCの路線も増えています。都市へのアクセス時間がどんどん短くなり、コストが低下しているのも、地方居住を後押ししているようです。
02| 二拠点生活のメリット
二拠点生活には1か所に定住する生活では味わえない新鮮な刺激や生活のメリハリなどがあります。具体的なメリットをご紹介します。
都市と地方の"いいとこ取り"ができる
都会ならではの利便性や先進性、地方ならではの自然豊かで落ち着いた暮らしの両方を享受できます。
また、平日は都会で仕事に没頭し、週末や長期休暇は地方の拠点で心身を休ませるといったオン・オフの切り替えができ、ビジネスとプライベートのメリハリを明確にすることも可能です。
地域コミュニティなどで新しい出会いがある
地方に拠点を持てば、その地域で暮らす人たちとの交流が生まれ、地域の伝統や文化に触れる機会もできます。都会では知り合うことの難しい、農業や漁業、林業といった第一次産業、地域の伝統産業に従事する人たちとの人間関係も築けます。
近年は二拠点生活だけでなく都会から地方へ移住する人も増えています。こうした人たちのつながりもできるでしょう。その結果、ビジスネの新たな気づきや人脈づくりにも役立ちます。
大規模災害への備えになる
地震、台風、大雨、火山噴火など、日本列島は常に大規模災害に遭遇する危険があるといっても過言ではありません。首都圏直下型地震や南海トラフ巨大地震の起こる確率も高まっています。こうした際に距離の離れた2つの拠点を確保してあれば、いずかの拠点で普段通りの生活をすることが可能になります。
地方の拠点を選ぶ際に、自然災害の頻度などを事前に調べて、より安全な地方に拠点を構えれば、安心感も高まります。
03| 二拠点生活のデメリット
さまざまなメリットのある二拠点生活ですが、生活コストや移動の労力など、あらゆる課題もあります。事前に知っておきたいデメリットをチェックしましょう。
コストがかかる
二拠点生活の一番のデメリットはコストがかかることです。居住する場所が2か所になるので当然ではありますが、仮に一方を住居費などの安い地方に置いたとしても生活コストは1.5~2倍かかるとされます。また、住居費のコストがそれほどかからなくても、多くの地方は車社会なので自家用車の保有やガソリン代のコストがかかります。寒冷な地方の場合、暖房費も高額になります。
2つの拠点を行き来する際の交通費も必要です。生活にメリハリをつけるならば、それなりに距離の離れた2地点を選びたいものですが、移動のコストも勘案する必要があります。
移動の時間・労力がかかる
二拠点生活には移動がつきものですが、旅行と違い、定期的に移動を繰り返すと、お金だけでなく移動にかかる時間や交通機関の乗り換え、荷物の持ち運びにともなう労力などが重荷になる場合もあります。
また、移動時間中は生産性のある仕事を行うことは難しいので、移動にかかった分の時間をカバーする自己管理も必須でしょう。
住民票をどこに置くかが悩ましい
行政手続き(転居、国民年金、健康保険など)、選挙、公的サービス(福祉施設などの利用、ワクチン接種など)、教育(進学や就学の手続き)などに際しては住民票が必要です。このため、住民票は滞在日数の多い拠点に置くのが原則ですが、そうした場合に子どもの就学・進学など家族のライフステージの変化に対応できるかを熟慮する必要があります。
また、ゴミの収集などの住民サービスは地域の税金で賄われおり、住民票がなく住民税を納めていない地域で住民サービスを受けることは、いわゆるフリーライダー(ただ乗り)になるとの意見もあります。
04| 準備すべきこと
いざ、二拠点生活を始めようと思っても、どこから手をつければいいのかわからないもの。二拠点生活を実践するための準備の手順をご紹介します。
二拠点生活をする目的を定める
離れた2つの場所を生活拠点にするとなると、それ相応の目的が必要です。「週末は都会から離れたい」「今まで出会ったことのない人と交流したい」「アウトドアアクティビティを満喫したい」「子育てを自然豊かな場所でしたい」など、目的やライフプランを明確にします。また、一緒に暮らす家族の意向を聞いたり、同意を得たりする必要もあります。
どこに拠点を置き、どのような生活スタイルを送るかシミュレーションする
目的に合致した二拠点がどこにあたるのか、リサーチをします。その場合、あくまで仕事を優先するのか、趣味などに没頭する新たなライフスタイルを優先するのかなど、優先順位を決めて拠点の候補地を挙げていきましょう。
同時に、最もコストのかかる住まいをどのようにするのか考えます。賃貸にするのか、購入するのか、あるいはシェアハウスやウィークリーマンションなどを利用するのか。実現したい生活様式に合わせた暮らし方をシミュレーションします。
二拠点間の移動や現地生活の交通インフラを確認
二拠点間の移動手段を調べます。電車など公共交通機関で問題ないのか、車で往復したほうが効率がいいのかを確認。また、複数の移動手段が利用できるか確認しておけば、災害など万一の際も安心です。そして、地方拠点の周辺の交通インフラも確認が必要です。
費用を試算してみる
前述したとおり、二拠点生活には通常の生活の1.5~2倍のコストを覚悟する必要があります。今まで挙げたポイントをひとつずつ詰めていくことで、家賃や光熱費、交通費など必要な費用がシミュレーションできます。また、食料品など現地で購入するものに関しては、農村地帯なら野菜が安く手に入ったり、漁港が近ければ魚介類が安く手に入ったりすることも望めるので、地方の拠点の物価を調べることも必要です。
05| おすすめの移住先15選
生活拠点を地方に置くならば、どのような場所がいいのか。日本全国のおすすめ移住先をご紹介。
北上市(岩手県)
民俗芸能の宝庫である岩手県北上市。2025年で64回目を迎えた「北上·みちのく芸能まつり」は、北上市などで活動する各団体がその芸を披露する民俗芸能の祭典だ。仏の化身である鬼の面を被った鬼剣舞(おにけんばい)や地域ごとに異なる鹿踊(ししおどり)、さらには神楽や虎舞、田植踊など、披露される民俗芸能は100組以上!
岩手県の南西部に位置し、北上盆地のほぼ中央に広がる北上市。北上川と和賀川が合流する肥沃な土地であり、町の西には奥羽山脈、東には北上山地が連なっています。北上市の人口は約9万1,000人で、県内では盛岡市、奥州市、一関市に次ぐ4番目に人口の多い都市です。農業が盛んなほか、約300社が立地する11の工業団地があり、半導体や自動車関連の企業も多くあります。
国道4号やJR東北本線などの主要な交通路が交差するほか、東北新幹線や各種高速道路も整備されており、「北東北の十字路」として利便性の高さで知られます。東北新幹線を利用すれば、北上駅から東京駅までは約2時間20分、仙台駅までは約50分で到着します。車の場合は東北自動車道の利用で、仙台までは約1時間20分、盛岡までは約30分です。なお、北上駅から約50分の距離にいわて花巻空港があり、札幌、名古屋、大阪、福岡などへの直行便があります。
北上市では、東京圏から北上市に移住し、就業または起業した人を対象とした「移住支援金」を用意しており、一人世帯には60万円、二人以上の世帯には100万円が支給されます。そのほか、県外居住者が県内企業への就職活動を行う際の交通費を支援する「就職活動交通費」も用意されています。また、空き家バンクを運営しており、空き家を利用したい人と所有者を結びつける取り組みを行っています。移住者が空き家を取得する際には、取得費用の一部を補助する制度もあります。
奥多摩町(東京都)
奥多摩湖には2つの浮橋がかけられており、通称「ドラム缶橋」と呼ばれているのが麦山浮橋。浮力を利用してかけられた橋で、かつては本物のドラム缶を使っていた
東京都の最北西部に位置し、自然豊かな環境と独自の文化を持つ町。人口は約4,000人です。東京都全体の約10分の1に相当する広大な町域を誇り、町の約94%が山林で秩父多摩甲斐国立公園内に位置しています。多摩川が町を貫流し、奥多摩湖や日原川などの美しい自然景観が広がります。最寄り駅のJR青梅線の奥多摩駅から新宿までは、JR中央線経由で約1時間50分。東京都心へのアクセスも良好で、豊かな自然を楽しめるのも大きな魅力です。
「定住促進サポート事業支援金」「住宅購入・リフォーム補助金」「町営住宅の提供」といった支援制度が用意されているほか、保育料の全額補助、高校生までの医療費の全額補助、22年間住むことで住宅が無償譲与される「町営子育て応援住宅」など、子育て支援も充実しています。
小田原市(神奈川県)
江戸時代には東海道の宿場町「小田原宿」として大いに栄えた。古くから交通の要衝であった小田原は、現在は商業施設が建ち並ぶ便利な街へと発展
神奈川県の西部に位置し、戦国時代に後北条氏の拠点として栄え、江戸時代には東海道の宿場町として重要な役割を果たした歴史ある町。人口は約18万人で、県内10番目の都市であり、神奈川県西部の中心都市です。足柄平野の中央に位置し、北に箱根山脈、東側に大磯丘陵が広がり、市内を酒匂川が流れる自然豊かな地。気候は温暖で、年間平均気温は約15.7℃です。
東海道新幹線やJR東海道線、小田急線が利用でき、東京や横浜へのアクセスは非常に良好。新幹線なら東京駅まで約35分、小田急線で新宿駅までは約1時間半となっています。
小田原市では、「リファラル移住制度」と呼ばれる人材紹介・推薦制度を実施。市内在住の人が紹介者として「この人なら小田原で楽しく暮らしてくれそう」と思う移住希望の知人を紹介し、市外(県外・横浜市、川崎市)からの移住をサポートする制度です。条件を満たした移住が実現すると、紹介者・移住者それぞれに商品券がプレゼントされます。
鴨川市(千葉県)
海抜110mの地点に位置する魚見塚展望台からは、前原海岸や鴨川松島、仁右衛門島など三方に開けていて、太平洋や鴨川の市街地を一望できる
房総半島の南東部に位置し、太平洋に面した市。黒潮の影響を受けた温暖な気候で、年間平均気温は約15.7℃。海岸線は美しい風景が広がり、南房総国定公園に指定されています。鴨川シーワールド、大山千枚田、仁右衛門島などの観光名所が数多くあるほか、サーフィンなどマリンスポーツや釣りの盛んなエリアでもあります。
人口は約2万9,000人。商業施設など買い物環境が整っているほか、千葉県内最大の病院があるなど医療面でも安心です。東京へは電車の場合、JR外房線の特急を利用して安房鴨川駅から約2時間。高速バスも数多く運行されており、2時間弱で東京までアクセス可能です。
鴨川市では、東京23区に在住または通勤していた人が移住し、就業または起業を行うことが条件で、単身者であれば最大60万円、2人以上の世帯は最大100万円が支給される「移住就業支援金」の制度があります。また、移住に関する総合相談窓口として「鴨川市ふるさと回帰支援センター」を開設。移住希望者のライフスタイルや不安を聞きながら、移住プランを一緒に考えるサポートをしてくれます。
南房総市(千葉県)
原岡海岸〜多田良北浜海岸間にある岡本桟橋(原岡桟橋)は、全国でも数少ない木製の海桟橋。唯一無二のロケーションであることから、テレビCMやロケの舞台としても度々登場している
房総半島の最南端に位置する市で、2006年に7つの町村が合併して誕生しました。市の人口は約3万5,000人です。東京からは東京湾アクアラインを利用して車で100分ほどの距離です。東京湾と太平洋に囲まれた温暖な地域で、海岸線は南房総国定公園に指定された風光明媚な土地。冬は温暖で、夏は涼しい海洋性の気候が特徴です。近年は移住者も多く、開放的な土地柄も相まって住みやすい土地だと言われています。
子育て世代の家賃の一部を補助する「南房総市移住子育て世帯家賃補助事業」や、市内で住宅を建設または購入した子育て世帯に対しる奨励金「南房総市住宅取得奨励金交付制度」が用意されています。
栃木市(栃木県)
蔵の街遊覧船では、船頭さんが栃木市や巴波川(うずまがわ)の歴史などを「栃木河岸船頭唄」(とちぎかしせんどううた)と共に案内してくれる
栃木県の南部に位置し、東京から鉄道や高速道路で約1時間の距離にあります。人口は約15万人で、宇都宮市、小山市に次いで県内3番目の人口を擁します。江戸時代から商業で栄えた町で、今も市内には蔵造りの町並みが保存され、“小江戸”や“関東の倉敷”などと呼ばれることもあります。また、市南部にはラムサール条約に指定されている渡良瀬遊水池があり、自然も豊かです。
東京圏から栃木市に移住し、テレワークなどをする人に対しての補助金が用意されているほか、さまざまな移住希望者向けの体験プログラムも実施しているので、これらに参加して市内の状況を知ることもできます。
軽井沢町(長野県)
都心から新幹線や電車、車を利用してもアクセスがよく、買い物から自然散策までさまざまな楽しみ方があるのが魅力
長野県の東端に位置し、浅間山の東南麓に広がっています。19世紀末からの歴史ある高原リゾート都市であり、日本を代表する避暑地として知られています。町の人口は約2万1,000人。観光地としてショッピングやグルメが充実しているほか、夏にはハイキングやサイクリング、冬にはスキーやアイススケートなど、アウトドアアクティビティも盛んです。近年は、商業施設が次々とオープンしているほか、移住者による個人営業のユニークな店舗も次々と開業。こうした動きに合わせて、空き家や古民家の再生も盛んになっています。
北陸新幹線を利用すれば東京駅までは約1時間半。高速バスも数多く運行されており、所要時間は2時間~2時間半となっています。
軽井沢町では、子育て世代の移住者に向けての出産や子育てに関する補助金を用意。「出産祝い金」として、第1・2子は5万円、第3子は8万円、第4子以降は15万円の支給となります。また、国保加入者には「出産育児一時金」として約40万円が支給されます。アクセスのよさや自然環境の豊かさ、手厚い子育て支援などもあり、軽井沢町は長野県内でも数少ない人口増加の自治体となっています。
佐久市(長野県)
5月大型連休中に開催される県下最大級の熱気球大会「佐久バルーンフェスティバル」では、40機を超える色とりどりの熱気球が佐久高原の爽やかな風に乗って飛行する
長野県と群馬県の県境に位置し、北に浅間山、南に八ヶ岳、東に荒船山を望む高原の町。冬は寒さが厳しいものの、積雪は少なく、晴天率が非常に高いのが特徴です。
北陸新幹線を利用すれば、東京駅から約70分で佐久平駅に到着。車の場合も、上信越自動車道を利用すれば、東京方面からは約100分。名古屋や大阪方面からも中央自動車道を経由してアクセス可能です。高速バスも東京、大阪、京都から運行されています。
「佐久市リモートワーク実践者スタートアップ支援金」が用意されており、佐久市との二拠点生活を始めつつリモートワークをすると、5万円の補助金を受け取れます。また、「佐久市リモートワーカー等新幹線通勤補助金」として、補助対象経費の2分の1以内の額で、1か月当たり2万円を限度に補助が24か月間受け取れます。
甲府市(山梨県)
甲府城跡の向かいには、かつて甲府が小江戸と呼ばれた頃の賑わいを再現した甲府花小路がある。軒を連ねる町屋・灯籠・石畳路地など時代を感じられる街並みの中で、買い物・グルメ散策が楽しめる
山梨県の県庁所在地であり、人口約19万人の同県内で最も人口が多い都市。戦国時代に武将・武田信玄の本拠地として発展し、武田氏の城下町として計画的に整備され、多くの寺社が点在しています。現在は、「ジュエリーのまち」としても知られ、水晶や宝飾品の産業が盛ん。また、各種果物の栽培が盛んで、多くのワイナリーがあり、ワインの試飲や見学が楽しめるスポットもあります。
東京からのアクセスが良好で、JR中央線を利用すれば新宿駅から約90分で甲府駅へ到着します。市内の交通網も発展しており、公共交通機関が利用しやすい環境が整っています。
山梨県では、「山梨県サテライトオフィス等お試し体験事業費補助金」を用意しており、甲府市でも同制度によって、山梨県外から山梨県内への企業移転などに関心のある法人が、山梨県を訪問滞在し、テレワークを行う際の交通費や宿泊費、施設利用料を補助しています。また、県外に通勤または通学する人に対して、定期券購入費の一部を、通勤の場合は月額上限2万円、通学の場合は月額上限1万円を上限に支給する「遠距離通勤・通学定期券購入補助金」も用意されています。
北杜市(山梨県)
1938年に清里開拓の父ポール・ラッシュ博士が建設した研修施設「清泉寮」。現在は総合宿泊施設として営業するほか、牧草地や自然歩道にて各種体験プログラムの開催やジャージー牛の放牧を行っている
山梨県の北西部に位置し、八ヶ岳連峰や南アルプス、甲斐駒ヶ岳などの山々に囲まれた地域です。日照時間は日本一で、日本名水百選に3か所が選ばれるなど、豊かな自然と水資源に恵まれています。多くのアーティストが住んでおり、さまざまな美術館やギャラリーもあります。また、恵まれた自然環境での、乗馬やゴルフ、各種ウィンタースポーツのフィールドとしても人気です。
東京方面からはJR中央線の特急を利用して、新宿駅から小淵沢駅まで約1時間50分。高速バスは東京や名古屋方面へと運行されており、都内からは2時間30分ほどです。また、中央自動車道のインターチェンジが市内に3か所あり、車でもアクセス可能。
北杜市では、東京圏からの移住で就業または起業を行うことが条件で、単身者であれば最大60万円、2人以上の世帯は最大100万円が支給される「北杜市移住支援」の制度があります。また、市内で就業している人に対して、奨学金の返還に関する助成金が支給される制度もあります。さらに、移住希望者が一定期間滞在できる体験型の住宅(お試し住宅)も用意されており、1週間から1か月程度で、生活に必要な基本的な家具や家電が備え付けられた住宅に低料金で暮らすことも可能です。
南伊豆町(静岡県)
南伊豆町には美しい海と温泉があり、日常的に海と温泉が楽しめる
伊豆半島の最南端に位置し、東は相模灘、西は駿河湾、南は太平洋に囲まれ、北東は下田市、北西は松崎町が接しています。町の人口は約7,000人。自然を活用した海水浴やキャンプなどのアウトドアアクティビティが人気で、夏を中心に多くの観光客が訪れます。
南伊豆町には鉄道の乗り入れがなく、隣接する下田市の伊豆急下田駅が移動の拠点となります。町内中心部から伊豆急下田駅まではバスで約25分です。伊豆急下田駅から東京駅へは特急の利用で、約2時間15分となっています。このため、町内や隣接市町村、関東圏や中部圏への移動は車の利用が前提となります。
南伊豆町では、東京23区に在住または通勤していた人が移住し、就業または起業を行うことが条件で単身者であれば最大60万円、2人以上の世帯は最大100万円が支給される「移住就業支援金」の制度があります。また、「南伊豆町空き家バンクリフォーム補助金」が用意されており、空き家バンクに登録されている物件のリフォーム費用として最大50万円、家財処分の費用としては最大20万円が支給されます。なお、リーズナブルな料金で南伊豆町の生活を体験できる「お試し移住制度」もあり、短期(2泊~30泊)、中期(1か月~1年)、長期(1年~5年)などのあらゆるプランが用意されています。
小松市(石川県)
小松市は古墳時代から「石の文化」が育まれており、平成28年度に日本遺産に認定された。県内随一のミステリースポット「ハニベ巌窟(がんくつ)院」もその文化の一つ
県の南部に位置し、加賀平野のほぼ中央に広がる都市です。人口は約10万人で、金沢市、白山市に次ぐ県内第3位の市です。東に霊峰・白山を望み、西は日本海に面しており、市内には緑豊かな丘陵地や田園が広がります。平安時代まで遡れる歴史ある町で、商業や工業で栄えてきました。現在も建設機械や輸送機械の生産が重要な産業となっています。
市内には小松空港があり、国内外の主要都市への直行便があり、東京(羽田)、大阪(伊丹)、福岡、名古屋(セントレア)などへの便が利用可能です。また、鉄道の場合は、金沢駅から新幹線の利用で東京へのアクセスも良好です。
小松市では「こまつデュアルライフ支援制度」を設けており、二拠点生活を希望する人に対して多彩な支援を実施。「家賃補助」「お試し移住支援」「移住促進奨励金」などが用意されています。
京丹波町(京都府)
京丹波町では、丹波高原の気候・風土を生かした質の高い農林産物を生産するほか、府内有数の酪農地帯が広がるなど、豊富な食の産地が形成されている
京都府の中央部に位置する町で総人口は約1万2,000人。標高400~900mの山々に囲まれた丹波高原の一部として知られます。古くから京都と山陰地方を結ぶ交通の要所として栄えた宿場町としても知られ、数多くの文化財が残ります。昼夜の寒暖差が大きい気候を生かし、丹波栗や丹波黒豆などの名産物が栽培されています。
京都市中心部へのアクセスは、JR山陰本線の和知駅から京都駅まで約1時間20分。隣接する南丹市の園部駅からは約30分となっています。車の場合は、京都縦貫自動車道経由で京都市内まで約30分、大阪・神戸へは約1時間です。
京丹波町では、「移住促進住宅整備事業」として京丹波町外からの移住者が空き家情報バンクに登録された空き家を取得または賃借する際に必要な改修費用を最大180万円まで支援しています。また、田舎暮らしが体験できる「おためしハウス」も設置されています。
白浜町(和歌山県)
白い砂浜が美しい白良浜では海水浴やマリンスポーツ、のんびりとした散策が楽しめる。南紀白浜温泉も有名で、海岸に面した露天風呂などが楽しめる
和歌山県の南部に位置する町で、紀伊水道に面した半島地域と富田川の下流域、日置川の流域で構成され、吉野熊野国立公園や大塔日置川県立自然公園を含む豊かな自然環境に恵まれています。また、日本三古湯のひとつである白浜温泉で知られるほか、白良浜海水浴場やアドベンチャーワールドなどの観光スポットも豊富で、リゾート地としての魅力を持っています。
南紀白浜空港からは、東京(羽田)まで約75分。大阪方面へは、JRの特急利用で約2時間15分。関西の中心部へのアクセスがしやすく、穏やかな気候のもと海と森の自然に接することができるのが魅力です。また、観光産業が盛んなので、幅広い業種の人たちの交流も期待できるでしょう。
和歌山県では、市町村と連携して二地域居住を促進するための「和歌山県広域的地域活性化基盤整備計画」策定しており、白浜町でも「特定居住支援法人」を指定できることになっており、ワーケーション推進など、地域活性化に向けた取り組みにつなげていく模様です。
糸島市(福岡県)
糸島市北部に位置する県の名勝「二見ヶ浦」。海岸から約150mの沖合にしめ縄で結ばれ、夫婦のように寄り添って並ぶのは「夫婦岩」と呼ばれるご神体の巨岩。櫻井神社の社領になっており、代々黒田藩主の崇敬を受けてきたことから桜井二見ヶ浦とも呼ばれている
福岡県の西部、糸島半島に位置しています。北に玄界灘を望み、南側には背振山系が広がっています。市の中央部は糸島平野となっており、豊かな自然が広がります。こうした美しい海岸線や山々に囲まれていることから、海水浴やサーフィン、登山などのアクティビティが楽しめます。また、地元の特産品として新鮮な海産物や農産物があり、「糸島ブランド」として知られる食材は全国的に人気です。市内には個性的なカフェやレストランが点在するのも糸島市の特徴で、これらを目当てに訪れる人も多いです
糸島市の玄関口となっているのはJR筑前前原駅。電車の場合は博多駅まで乗り換えなしで約40分。通勤・通学圏内といえます。福岡空港駅へも45分なので、空の便を利用して日本各地へも手軽にアクセスできます。九州の中心都市・福岡市からのアクセスが良いこともあり、近年はクリエイターや農業を志す人の移住が増えており、大規模音楽フェスティバル「Sunset Live」などイベントも数多く開催されるなど、自然と都市の利便性を兼ね備えたエリアとして注目されています。
糸島市では、「新規就農者支援」として、市内で農業経営を始める人を対象に、最長で5年間、予算の範囲内で資金を交付します。新婚世帯を対象にした「糸島市新婚生活支援金」の交付も行っており、夫婦ともに39歳以下の場合は最大30万円、29歳以下の場合は最大60万円が支給されます。
06| 移住支援制度の活用・住民票や税制変更のポイント
二拠点生活をスタートさせる際に重要なのが、どちらの拠点をメインに住むのか。地方に拠点を置く場合は、移住に関連する支援制度・支援金が活用できる場合があります。また、同時に考えておきたいのが、住民票をどちらに置くのか。住民票は行政サービスを受けるのに必須ですし、住民税の納付などにも関係します。
移住支援制度や補助金の活用方法
- 地方創生移住支援事業
地方の拠点をメインの住まいにする場合、まずチェックしたいのが、国の移住支援制度である「地方創生移住支援事業」による移住支援金です。東京23区に在住または通勤する人が、東京圏外(東京圏内の条件不利地域を含む)へ移住し、起業や就業等を行う人に、都道府県・市町村が共同で交付金を支給する事業です。支援額は、単身の場合は60万円以内、世帯の場合は100万円以内(18歳未満の世帯員を帯同して移住する場合は18歳未満の者一人につき最大100万円を加算)で、都道府県が設定する額となります。
地域の担い手になることが求められるので、
① 地域の中小企業や農林水産業への就業
② 地域課題の解決を目的とした企業
③ テレワークにより移住前の業務を継続
などを実施することが条件のほか、細かな条件があります。申請は移住先の自治体を通じて行うので、移住先の自治体の情報を確認しましょう。年度ごとの予算枠があるので申請ができない場合もあります。また、実施していない市町村もありますし、限られた地域でのみ実施している場合もあります。
なお、地方創生移住支援事業は、予算が確保される限りは継続して実施される性質の事業で、2025年度も多くの道府県で事業が実施されています。ただし、事業実施や予算の状況によって内容が変わる可能性があるので、常に動向に注意をする必要があります。
- ほかにもさまざまな支援制度がある
移住に関連する支援制度は、国の移住支援金制度のほかにも、地方自治体独自のさまざまな支援制度が整備されています。まずは、自治体や移住情報のまとめサイトなどで調べ、必要があれば自治体窓口や相談会などで直接確かめて、正確な情報を集めるようにしましょう。
地域活性化起業人(副業人材)の活用
二拠点生活で、地方での生活のメインとする場合の仕事は、テレワーク等で現在の職場や都心の企業の仕事をする、あるいは現地の企業に就職するのが一般的です。ただ、地方の場合はほかにも仕事を見つける方法があります。
- 地域おこし協力隊
よく知られているものに「地域おこし協力隊」があります。都市部から地方に移住し、地域活性化の活動を行う人々のことを指し、地域の課題解決や活性化を図るために、都市部の視点やスキルを持った人材を募集しており、先々の移住・定住を促進するというものです。
通常、1年から3年間の任期で、自治体から委嘱または雇用されます。ただし、原則として現地への住民票の移動が必要で、任期中は活動する地域に居住することが前提です。中には、任用形態・ミッション次第でリモート併用を認める募集や、勤務の一部を遠隔で実施できる例もありますが、いずれにしても住民票の移動は必須です。このため、純粋な二拠点生活を維持したままの参加は基本的に難しそうです。
- 地域活性化起業人(副業型)
地域活性化起業人(副業人材)制度は、三大都市圏に所在する企業等と地方圏の地方自治体が協定を結び、協定書等に基づき社員を地方自治体に一定期間(6か月から3年)派遣。地方自治体が取組む地域課題に対し、社員の専門的なノウハウや知見を活かしながら即戦力人材として業務に従事するというものです。
「副業型」の場合、勤務日数・時間は月に4日以上かつ月20時間以上、受け入れ自治体における滞在日数は月に1日以上となっています。このため、自分の培った業務の知見を生かしながら地域貢献ができ、業務を行う場所の制限等も緩やかなので、二拠点生活をする場合にも活用できる可能性が高いといえます。
住民票や税制・制度変更のポイント
二拠点生活を始めるにあたっては、行政手続きや社会保障制度についても事前に確認しておくことが必須です。具体的には住民票をどこに置けばいいのかを検討します。なお、住民票は一人につき1か所にしか置けません。
基本的に、住民票は滞在期間が長くなる拠点の自治体に置きます。住民票は公的サービスを受けるために必要なものだからです。選挙の際には住民票のある自治体で投票しますし、ワクチン接種なども同様です。また、補助金や支援制度を利用する場合も住民票の移動が条件となる場合がよくあります。住民税や国民健康保険の納付先も住民票の置いてある自治体となるほか、国民年金や国民健康保険の加入手続きも同様です。
さらに、2つの拠点のうち、少なくともどちらかの住宅を所有している場合は、居住用財産の優遇措置や特例措置に注意しましょう。居住用財産を売却した場合には最高3,000万円の特別控除を受けられますが、税制上、住まいと認められるのは1か所だけです。所有している住宅を売却するときに、あまり滞在していなかったと判断されてしまうと、住民票があっても居住用財産と認められない場合があります。
また、住宅ローンを利用できるのは、原則として「自分が居住する住宅」となります。住宅ローンを利用して購入した住宅に「住んでいない」と判定された場合は、ローンの一括返済を求められることもあります。
二拠点生活では住宅を所有するか賃貸とするか、そして住民票をどちらに置くかを、十分に考えることが大切です。
07| 私の二拠点生活ストーリー
東京と山梨で二拠点生活をしている田中祥人さんとゆかりさん
東京と大月市で二拠点居住をしている「パンダ夫婦」こと、田中祥人さん(左)・ゆかりさん(右)ご夫妻
東京都心から電車でわずか1時間。甲州街道を抜けた先の山あいに、自然に溶け込む1軒のツリーハウスがあります。ここは「パンダ夫婦」としてインスタグラムで活動する田中祥人さん・ゆかりさんご夫妻が営む、もう一つの暮らしの拠点です。
2017年に札幌や長崎での自然豊かな暮らしを経て東京に転勤した祥人さん。週末になるとレンタカーを借りてキャンプや登山に出かけていましたが、夏の行楽シーズンには交通渋滞と混雑がつきものでした。「自然に癒されるはずの週末が、逆にストレスの原因になっていました」と祥人さんは振り返ります。決定的なきっかけは、静岡県御殿場市でのバーベキューでした。片道4時間の渋滞に巻き込まれ、現地に着いたときにはすでに夕方。「リフレッシュどころか、ぐったりして帰るだけの週末になってしまったんです」。その経験をきっかけに「渋滞のない、自分たちだけの自由な拠点を持ちたい」と強く思ったと話します。
数ある候補地の中で夫婦が選んだのは山梨県大月市でした。最大の理由は、東京から電車で約1時間というアクセスのよさです。「二拠点生活は続けてこそ意味があると思っていました。渋滞に悩まされず、電車でスムーズに通えることが何より重要でした」と祥人さん。さらに、大月市は富士山や南アルプス、長野方面にもアクセスがよく、山好きのご夫妻にとって理想的な立地でした。そして何よりの決め手となったのが、今の家との出会いです。駅から近いにもかかわらず、川沿いに建つ自然豊かな立地。古民家の老朽化が進んでいたものの、緑に囲まれたその佇まいに一目惚れしたそうです。
ツリーハウス茶室サウナをDIYしていた時の様子
冬は人が少なく、作業がはかどる季節
購入当初、家は「壁に穴が空き、天井が落ちている」状態でした。DIY未経験だった祥人さんは毎週末大月へ通い、インターネットや本で学びながら修繕を進めました。約半年かけてようやく住める状態に整えましたが、そこから創作意欲はさらに膨らんでいきました。小屋に囲炉裏を作り、ツリーハウスやピザ窯をDIYで完成させるなど、作品は今も増え続けています。「完璧を目指さず、60〜70点で十分。失敗も含めて楽しむことが大切です」と祥人さんは笑います。気持ちが乗らないときは無理に作業をせず、狩猟や農業など別の活動に時間を使う。そうした“ゆるさ”が、DIYを長く楽しむ秘訣なのだそうです。
祥人さんオーナーの路地裏BAR
茶室。路地裏BARとともに子どもたちにも大人気の隠れ家空間
現在の生活は、月~木曜日まで東京勤務、木曜夜に山梨へ移動し金曜日はテレワーク、週末は大月で過ごすというサイクルです。「以前は平日と週末でオンとオフが完全に分かれていましたが、今は朝に狩猟をしてから仕事をしたり、仕事後に畑を耕したりと、時間の使い方が柔軟になりました」と祥人さん。ゆかりさんも会社員を辞め、押し花アートを活かしたインテリア雑貨の創作を始めました。「場所に縛られずに働けるようになり、夫と過ごす時間も増えました。心の余裕が全然違います」と語ります。
畑で獲れたジャガイモ
発酵小屋で仕込む手作り保存食。自家野菜でつくるたくあんが冬の楽しみ
大月市は東京からのアクセスがよく、二拠点生活者を受け入れる雰囲気がある土地。行きつけの飲食店や畑を貸してくれる地主さん、散歩で声をかけてくれる地元の方など、自然と人とのつながりが生まれているそう。「応援してくれる人が多く、本当にありがたいです」とご夫妻は話します。一方で、地域活動では草刈りのルールなどで意見が食い違うこともあり、「都会では出会わない課題もある」と実感したそうです。それでも、地域との関わりを通じて“違いを受け入れる力”が育まれたと話します。
雪の日のツリーハウス
DIYでつくった足湯。季節の変化を楽しめるのも地方暮らしの魅力
山梨での暮らしを通じて夫婦が何より実感したのは「手をかける尊さ」でした。味噌づくりや発酵、狩猟など、自らの手で暮らしをつくる喜び。「都会の暮らしはお金を出せば何でも手に入りますが、ここでは“自分でつくる”ことが当たり前。その手間が心の豊かさにつながっています」と話すゆかりさん。二拠点生活にかかる費用はできる限り抑えながらも、体験や学びには積極的に投資しているそう。「地方ではお金をかけなくても得られる成長の機会が本当に多いんです」と祥人さんは語ります。
約8年間の二拠点生活の中で、地域活動やDIY、狩猟、BBQなど多彩なことに挑戦してきたご夫妻。しかし今は、「あれもこれもやらなきゃ」と詰め込みすぎず、“心と時間にゆとりを持つこと”を大切にしています。「東京の仕事が忙しい時は山梨での活動をセーブする。無理をしないことで長く続けられるんです」と祥人さん。お二人の理想の二拠点生活は「自分たちが本当にリラックスできる時間を持つこと。そして、心に余裕を持って暮らしを楽しむことです」とゆかりさん。都会の便利さと自然の豊かさ。その両方を自分たちのペースで楽しむ——それが、パンダ夫婦がたどり着いた“理想の二拠点生活”のかたちです。
