公開日: 2020.12.28 最終更新日: 2023.10.26

お部屋の乾燥と寒さはお肌の大敵! 対策のポイントは?

お部屋の乾燥と寒さはお肌の大敵! 対策のポイントは?

冬は乾燥の季節。いったん肌がカサカサになると、潤いを取り戻すのは大変ですね。化粧水や保湿クリームを使ってもなぜか乾燥した、という経験はあるはず。そもそも、なぜ肌はカサカサになってしまうのでしょうか。原因は、冬の寒さと乾燥なんです。そこで、加湿や室温を上げることのメリットや対策のポイントをご紹介します。

ライター:中澤さやか

ライター:中澤さやか

01| 湿度と温度が美肌の要

お肌の研究によると、湿度が低いほど肌の水分量が失われるのはもちろん、湿度が同じ場合、気温が低くなるほど肌の水分量も低くなる、とのこと。つまり、寒くて乾燥した東京の冬はお肌の大敵なんです。

白い肌の美人が多いと言われる秋田県は冬の湿度が東京より高め。雪が積もって湿度が保たれる秋田に比べると、アスファルトに覆われて土から湿気が出てこない東京では、カラカラになるのは当然です。さすがに東京の湿度を上げることはできません(泣)。個人でできることは部屋の湿度を上げることくらい。

02| 湿度を上げると感染症対策にも効果が?

さらに、湿度を上げるとお肌にいいだけじゃなく、コロナウイルスにも対抗できるかもしれません。なぜなら、乾燥と寒さは喉にとっても大敵だから。乾燥は異物を排除する喉の繊毛の動きを弱め、寒さも異物を排除する喉の粘膜の動きを弱めます。繊毛と粘膜が弱まれば細菌やウイルスを排除できなくなって、風邪をひきやすくなります。

厚生労働省は、コロナウイルス感染防止のポイントとして、換気をしつつ室温を18℃以上にすること、そして湿度を40%以上に保つことを挙げています。また、理化学研究所が発表したスーパーコンピュータの富岳のシミュレーションによると、換気をするとコロナウイルスを含むエアロゾル(空気中に漂う粒子)を薄めることができます。さらに湿度を高めるとコロナウイルスを含む飛沫がエアロゾルにならずに下に落ちやすいこともわかっています。一般的に、暖かく、湿度のある環境では、喉の粘膜も絨毛も正常に働き、コロナウイルスにも感染しにくくなるかもしれません。

03| まずは部屋の温度を上げましょう

では、早速、室温を上げて、湿度も上げましょう、と言いたいところですが、その前に、温度計と湿度計を用意しましょう。とくに大事なのは湿度計です。湿度計は、最近では100円ショップでも売っています。精度には課題がありますが、ないよりはましです。温度計湿度計を設置しないまま、部屋の加湿をしてもかえって逆効果になるかもしれません。

【部屋の温度を上げるポイント】

  • 室温は21℃以上に
  • 電気代が気になる場合は北側の窓をビニールで覆って気密性を高める

まず、気温が低い、室温が16℃以下だと、健康には悪影響です。イギリスの住宅の健康評価基準によると、呼吸器障害や心臓疾患のリスクが増加するそうです。自分の部屋の室温が16℃以下の場合は、電気カーペットだけではなく、エアコンやストーブで、21℃以上を目指しましょう。

ただ、「えー、エアコンで暖房だと、電気代かかるじゃん」という意見はもっともです。エアコンで暖房を使うと、夏のエアコンと同じ、もしくは夏よりも電気代がかかってしまうことも。悩ましいですよね。そこでおすすめなのは、気密性を高めること。あまり開くことがない窓、特に北側の窓をビニールで覆ってしまいましょう。透明なビニールを窓枠の大きさに切って、隙間風が出てこないように画鋲で止める。室内の熱の大半は窓から逃げている(夏場は熱が入ってくる)と言われています。窓を覆うと、その場で暖かくなったことを実感できると思います。これだけで、住宅によっては1℃以上の変化があります(筆者の体験)。窓を覆ってエアコンを使えば、少しは電気代を抑えられます。室温を上げると、冷え性にもよく、脳にもいいと言われています。それに室温が高いと乾燥も抑えられ、肌にも効果があります。数千円の電気代で健康を買う、と考えるのはどうでしょうか。

04| 加湿のポイントは?

加湿を考えるのは、室温を上げてから。でも、「エアコンを使うと乾燥する」と感じている人は多いのではないでしょうか。エアコンの温風が皮膚に当たると、皮膚の水分は飛んで行ってしまいます。温風が当たらないようにしましょう。

【加湿のポイント】

  • 部屋の気密性を高める
  • 湿度は50%~60%が最適
  • 加湿器の設置場所は部屋の中央に
  • 加湿器がない場合は洗濯物の部屋干しなどで湿度を上げる

気密性を高めないまま加湿器を使っても、湿度が上がらない、というミステリーが起きることも。そうした場合、窓ガラスで結露しているだけでなく、外の乾燥した空気が入ってきてしまっているかもしれません。また、湿度は50%~60%が最適です。60%以上になると、窓だけでなく、壁でも結露が発生しやすくなり、冬なのにカビが生える可能性があり、喉や肺に悪影響です。喘息や肺炎の原因になることが知られています。健康のための加湿なのに、健康を害してしまっては元も子もありません。湿度計できちんと湿度を計測し、加湿し過ぎないようにしましょう。

窓を覆って、エアコンを使って加湿器を使う、湿度は60%以下に抑える。これで冬の健康維持に効果が見込めると思います。加湿器を置く場所はできれば部屋の中央がいいでしょう。壁や窓に近いと、加湿器から出てきた蒸気がそのまま結露してしまうことも。部屋の中央に置き、蒸気にエアコンの温風が当たるのであればなおOKです(加湿器の機種によっては加湿器に温風が当たるのはNG)。

加湿器が無い時には、洗濯物の部屋干し、濡らしたタオルを置いておく、鍋や煮物など水を使う料理やお湯を使った食器洗い、炊飯器、電気ケトル・ポッド、シャワー後にお風呂場を空けておく(結露しやすいのでおすすめできませんが)、などなど、実は部屋の湿度を上げる方法はたくさんあります。つまり、普通に生活しているだけで、本来は部屋の湿度は上がるはずなのです。それなのに湿度が上がらないのは、窓で結露してしまっているから。大事なのは窓で結露しないように、ビニールやプラスチックボードで覆って気密性を上げること。そして室温を上げることです。

05| おわりに

ここまで、室温を上げることと、加湿の重要性を指摘しましたが、最近のマンションは加湿よりも換気が大事になっています。環境性能に優れたマンションは気密性が高く、湿度が上がるとすぐに結露が発生してしまうためです。室温を上げることは最近のマンションでも大事ですが、加湿よりも換気をして、湿度を50%近辺に保つ。窓はなるべく覆う。これで結露を抑えましょう。

中澤さやか

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