賃貸物件に引っ越したとき、部屋の間取りやスペースにぴったり合う家具を探すのはなかなか大変ですよね。そんなときにトライしたいのが、自分好みにカスタマイズできるDIY! 今回は、ホームセンターで手に入る木材や工具を使って、壁面やデッドスペースを無駄にしない「収納棚付きテレビ台」を手作りしてみました。
ライター:はな
CONTENTS
01| 今回の課題と目的
▲元のテレビの設置状況がこちら
これまで、テレビ台として使っていたのは、IKEAのベッドサイドテーブル。下の段にDVDプレーヤーとDVDが少し置ける程度のものでした。部屋の隅が中途半端に空いていたり、エアコン下の壁面もなんだかもったいない感じ……。
とはいえ、いわゆる「壁面収納付きテレビ台」として売られているのは、サイズが大きめなものがほとんど。価格帯もそれなりにします。
そこで今回は、3つの課題をクリアするオリジナル家具をDIYすることにしました。
【課題】
- 1.リビング(テレビまわり)に置けるものを増やす
- 2.既製品より低予算で作る(目標:2万円以下)
- 3.賃貸物件なので壁や天井を傷つけない
以上の条件から、まず導入することにしたのが2×4材とラブリコ。ラブリコとは、2×4や1×4など決まった規格の木材を縦に突っ張ることができる専用アジャスターのことで、壁や天井を傷つけずに収納棚を作りたいときによく用いられている賃貸DIYの強い味方です。ラブリコの他に、ディアウォール、ウォリストなどいくつか種類がありますが、使い方はどれも同じです。
▲イメージ:LABRICO公式ホームページより
ラブリコは本来、柱として同じ壁面に並べてつけるものですが、なんと我が家はエアコンが邪魔をしてつけられないことが発覚……!
▲エアコンの奥側に隙間がない
ということで、課題がさらに1つ追加されることになりました。
- 4.エアコンを避けながら柱を立てる
難題が多いこの状況で、DIY初心者が無事にテレビ棚を作ることができるのでしょうか……。前置きが長くなりましたが、いよいよ作業に突入していきます。
02| 用意した材料とかかった費用
●2×4アジャスター(ラブリコ)/1,000円×2
●SPF材 2×4/1,000円×2
※ホームセンターで天井高−90mmの長さにカットしてもらいます。
●棚板(桐集成材)/1,000円×3
※棚板は軽いものがおすすめ。集成材としてすでに加工されているものがちょうどサイズもぴったりだったのでそのまま購入しました。
●L型棚受け(ネジ付き)/大250円×2、小200円×4
※こちらも軽さ重視でスチールのものを選びました。
●ワトコオイル(ナチュラル)/2,500円
●刷毛、紙ヤスリ、電動ドライバー/自宅にあるものを使用
合計:10,800円
大体ですが、想定していた半額に近い予算で材料を揃えることができました!
03| それでは、作っていきます!
手順①木材を研磨・塗装していく(所要時間:30分+乾燥)
ホームセンターで購入してきた木材は、そのまま使用することもできますが、部屋に合った色に仕上げるため、そして強度を保つためにも塗装が必要です。
塗装の前には必ずヤスリがけをして、塗りムラが起きにくいように表面を滑らかにしておきましょう。買ってそのままの状態だとザラザラしていたり、トゲが出ていることもあるので注意が必要です。
▲棚板は角が丸くなるようヤスリをかける
棚板として使用する方は、集成材なので最初からある程度表面がなめらかでした。軽くヤスリをかけた後は、角でケガをしないよう少し削って丸みを出しておきます。
ヤスリがけで出た木クズをはらってきれいにしたら、オイル塗装を施していきます。ワトコオイルの使い方は以前の記事でもご紹介しているのでぜひチェックしてみてくださいね。
▲塗る前(下)と塗った後(上)。今回は「ナチュラル」というカラーを使っているのでほんのり色が乗る程度です
棚板も塗装が終わったら十分に乾かしておきましょう。外なら半日、室内なら丸一日は放置しておくのがベストです。
手順②アジャスターをつけて柱を設置(所要時間:10分)
木材が乾いたら、2×4材の両端にアジャスターをはめ、突っ張り棒の要領で設置していきます。
▲天井側で長さが調整できるようになっている
課題であったエアコンを避け、垂直となる壁側に柱を取り付けました。
……そう、棚板を“対角線に”固定する作戦です!
手順③棚板を取り付ける(所要時間:60分)
棚板の位置を決め、棚受けをネジで固定していきます。
この時、柱にマスキングテープを貼りつけて位置をマークしていくことで、そのマスキングテープをもう一方の柱に貼り替えて再利用することができ、サイズを図る手間が省けるのでおすすめです。
3枚の棚板が設置完了!
テレビを乗せる段は少し広めにとり、棚受けも大きいもの(耐荷重22kg)を使用しました。
▲下から見た図
棚板を対角線上に固定していますが、板が軽いおかげか、グラつきなどまったくなく安定しています。
ただ、棚板を地面と水平に取り付けるのがなかなか大変で、3枚の棚板を取り付けるのに約1時間を要してしまいました。水平器がなくても、スマホのアプリで測れるものがあるので今回はそちらを活用しました。
04| なんとか、完成!
エアコン下のスペースがすべて活かされ、間取りにぴったり・無駄ゼロの棚が完成しました。
かかった作業時間は約1時間40分。意外と手軽にできた気がしますが、塗装後の乾燥時間が必要なので、2日にわたって作業するのがおすすめです。
▲実際に物を置いてみた
上段:飼っている文鳥のミニケージ、観葉植物、絵
中断:テレビ、ルームフレグランス、リモコン類
下段:DVD、DVDプレーヤー、写真立て
その下:ゴミ箱、加湿器、コード類
テレビをはじめたくさんの物を置けるようになりました! 一番下に収納ボックスなどを置けば、もっと収納の幅も広がり見た目もすっきりしそうです。
▲ビフォー&アフター
最後に、最初に掲げた4つの課題をおさらいしてみます。
- リビング(テレビまわり)に置けるものを増やす
- 既製品より低予算で作る(目標:2万円以下)
- 賃貸物件なので壁や天井を傷つけない
- エアコンを避けながら柱を立てる
すべてクリアと言っていいでしょう!
自分の部屋だけの、オリジナル家具が出来上がりました。
05| まとめ
部屋づくりにおいて、間取りを活かした家具選び、配置はとても重要です。既製品ではなかなかいいものが見つからない……という方はぜひ、DIYという選択肢を検討してみてください。ホームセンターやインターネットで手軽に買えるもの、現状復帰できるものも多いので、賃貸物件こそトライしてみることをおすすめします^^
また、今回使用したラブリコは、片側に重さをかけた時の耐荷重量が20kgまでとされています。テレビ6.6kg+その他で重さはクリアしていますが、対角線上に棚板を固定する方法は公式で紹介されているものではなく、安全性を保証するものではありませんので自己判断のうえ試してみてくださいね。
この記事を書いた人
はな ライター