家具をお得な値段で買えると人気のアウトレット。引っ越しや模様替えを考えている人の中には、アウトレットでインテリアを探そうとしている人も多いのでは。今回は、アウトレットのあれこれや家具の選び方について、家具のイベント情報サイトを運営する株式会社ヘヤゴトの内田さんと、アウトレットイベントで会場案内やコーディネートの経験もあるインテリアデザイナーの山下智恵子さんに聞いてみました。
ライター:makiko ogata
CONTENTS
01| 家具のアウトレットの仕組み
家具は値段もそれなりにするものだからこそ、失敗したくないし、よりお得に買えたらやっぱりうれしいもの。納得して買うためにも、まずはアウトレットの仕組みを知っていきましょう。
内田さんによると、アウトレット家具の仕組みは、大きく2つに分けることができるそうです。
- お店の展示替え、改装、閉店などの理由で、お店で展示していた商品現品をそのまま販売する
- 商品のデザインなどが切り替えになるもの、ゆくゆくは廃番になるものなどの、新品の在庫を販売する
もしかすると、欠損品や不良品のようなイメージを持っていた人もいるかもしれないけど、全く違うことがわかりますね!
「正規で買うものに比べて、アウトレットの展示品現品や数量限定品は、高品質なものがかなりお買い得な価格で買えることも魅力です」(内田さん)、というのもうれしいです。
02| アウトレットのメリット&気をつけること
価格の魅力はもちろんだけど、インテリアデザイナーの視点から見たアウトレットの醍醐味は、「運命の出合い、思いがけない出合いです」と、山下さんは話します。
「展示品現品などは一点物なことも多いんです。ですから、そんなに買うつもりもなくアウトレットイベントに来てみたというお客様でも、『ソファは来年買おうと思っていたけど、これをすごく気に入ったから買っちゃおう』というような場合も多いですね。せっかくのいい出合いだからって」(山下さん)
それに、ソファなどを正規で購入する場合、10cm四方くらいのサンプルの布を見て色を選ぶことが多いです。なので、届いたときに「イメージと違う……」なんていうことも。アウトレットなら、目で見た実物を買うのでイメージと違うことはありません。また、天然木のものなら、「この木目が好き!」と惚れ込んだそのものをおうちで使っていけるのです。
反対に、気をつけておきたいポイントは、展示品現品は傷や汚れがある場合もあるということ。購入前にしっかりと確認しておきましょう。
「メーカーの販売員さんと一緒に傷や汚れなどのチェックを行い、納得して購入されるのが一番ですね。メーカーによっては、汚れを多少きれいにしてくれるようなこともあるので、相談してみるといいでしょう」(山下さん)
03| 家具との出合いを逃さないための準備
目的なくふらっとアウトレットイベントに行く場合でも、出合いを逃さないための準備をするのがおすすめです。アウトレットでは“展示している現品一点限り”という商品もあるので、購入を迷っている間に他の人に買われてしまうなんていうことにもなりかねないのです。また、家具がずらりと並ぶイベントでは、会場が広い分、家具の実際のサイズよりも小さく感じてしまうこともあるそうです。
準備は、欲しいもののサイズ、部屋のサイズ、マンションやアパートの場合は搬入ルートになる廊下などのサイズを測っておくのがいいでしょう。今のお部屋の写真を複数の方向から撮っておくのも、コーディネートの相談をするときに便利です。
04| 家具を選ぶポイントは?
【ソファ】生活スタイルや体質に合う素材を選ぶ
実際の選び方のポイントも、山下さんに教えてもらいました。
ソファは、「布張り」と「革張り」に大きく分けられます。布張りは、座ったときの柔らかさが魅力ですが、シミや汚れがつきやすいです。革張りは、汚れへの耐性が比較的強く、クリーナーで落とすことも可能。なので、素材の好みもありますが、ペットや子どもがいる、ハウスダストのアレルギーがあるなど、生活スタイルや体質なども考えて選ぶのがいいそうです。
アウトレットでは特に、大きな傷の有無をチェックしましょう。小さな傷は「日常生活でもつきますし、ソファは経年劣化していくもの。自分が使っても気にならない程度の傷なら、了承した方がいい出合いを逃さないかなと思います」(山下さん)。
【ベッド】実際に横になってみて、硬さと高さを体感
ベッドは、①サイズをどうするか、②ベッド本体ごと買い替えるのか/マットレスだけでいいのか、の2つを明確にしましょう。さらに、収納が欲しい、腰が痛いからどうにかしたいなど、生活での悩みや欲しい機能もまとめておくのがいいそうです。
また、ベッド選びでは、硬さと高さも重要なポイント。実際のベッドに横になってみて、体感した上で選んでいきましょう。
アウトレットでの展示品現品は、傷のほか、試したときの靴の汚れがついてしまっていることもあります。その辺りもしっかりと確認し、納得した上で購入しましょう。
【食器棚・収納棚】何を載せたいかをイメージすることが大事
食器棚や収納棚は、載せたいものをイメージした上で選ぶことがポイントです。例えば、高機能レンジのようなものは、奥行きが狭い棚では載らない場合もあるとか。また、コンセントは必要か、耐震固定はどうするかなども検討材料になるそうです。
アウトレットでは、ガラスの部分も含めて傷や、扉と引き出しの開閉を見ていきましょう。また、いくら低価格でも使いにくければ生活しづらいもの。自分にとって使いやすい高さか、引き出しは開閉しやすいのかも要チェックです。
さらに、引き出しを全部引き出せるものと、4分の3程度までしか引き出せないものがあるので、入れたいものの大きさも考えて選びましょう。
【ダイニングテーブル】イスに合わせた使いやすい高さをチェック
一番のチェックポイントは、高さです。その理由は、手持ちのダイニングチェアをそのまま使う場合、テーブルの高さとイスの高さが合わないと、とても使いにくくなってしまうから。山下さんのアドバイスによると、「高さの目安として、イスの座面からテーブルの高さまで、大体27cmから30cm程度の差があると使いやすいと言われています」。
天板の素材は、天然木、人工の木、ガラス、セラミックといろいろあります。天然木以外は、ひじを当てたときに冷たいと感じる人もいるそう。素材それぞれの特色を参考にすることはもちろん、体に触れてみて、自分にとって心地よいものを選んでいきましょう。
また、アウトレットでは、天板と脚をよく確認するのがおすすめ。展示品現品では、どうしても人がぶつかって傷や汚れがついてしまう場合があるそうです。
05| アウトレットイベントを探して、行ってみよう!
アウトレットの魅力や家具の選び方がわかったら、やっぱり行ってみたいって思いますよね! そんなときに便利なのが、家具のアウトレットイベントの情報を探せる情報サイト「Seiloo(セイルー)」です。
「Seiloo」で見つけられるイベントは、普段なら買い物できないようなメーカーのショールームでのイベントから、大きな会場でのイベントまで、規模も種類もさまざまなものがあります。さらに、「Seiloo」から申し込むと届く招待状を現地で提示すれば、割引などの限定特典がつくイベントがあることもうれしいです。
本格的に家具を探している人にも、少し先の生活のためにいろいろ見ておきたい人にも、家具のアウトレットイベントはぴったり。気軽に足を運んでみると楽しそうです!
06| お話ししてくれたのは、こちらの方々
山下智恵子さん(インテリアデザイナー)
インテリアデザイナー、二級建築士。輸入家具会社や大手組織設計事務所、モデルルーム会社、百貨店内装会社を経て2013年に独立。住宅、オフィス、店舗、などのインテリアデザインの他にインテリアセミナーの講師も行う。
https://www.estedit.com/
内田さん(株式会社ヘヤゴト)
家具のイベント情報やセール情報などを発信するサイト「Seiloo(セイルー)」を運営する株式会社ヘヤゴトで、集客サポートを担当。家具のイベントにて来場者案内、レイアウト提案、家具販売の経験も多数。
https://heyagoto.com/
この記事を書いた人
makiko ogata ライター