公開日: 2023.04.21 最終更新日: 2023.10.26

いますぐ簡単にできる防災対策とは? 部屋ごとのポイントを解説します

 いますぐ簡単にできる防災対策とは? 部屋ごとのポイントを解説します

東日本大震災から12年、私が被災した熊本地震から早7年。そして最近ではトルコの大地震と、地震による悲惨な光景を目にした方も多いのではないでしょうか? 防災意識が高まるこの時期に、いま一度、家の中を見直しませんか?

家自体の耐震を考えたり、防災グッズを買ったりすることも大事ですが、もっと簡単にできることがあります。もっとも基本的ですが、意外とできてない方が多い防災対策のポイント、ご紹介します。

防災収納インストラクター:松永りえ(mujikko)

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01| まずは「ハザードマップ」をチェック

誰でも簡単に見ることができる、国土地理院のポータルサイト「重ねるハザードマップ」 誰でも簡単に見ることができる、国土地理院のポータルサイト「重ねるハザードマップ」

いますぐできることは、ハザードマップを見ること。ハザードマップとは、台風、大雨、地震などの自然災害が起こった際に、どのような被害が起こるかがわかる災害の被害予測図です。避難所の位置なども確認できます。

各自治体から各家庭に配布されている場合もありますし、手元にない場合はお住まいの市区町村で入手できます。また、国土地理院のポータルサイトでも簡単に見ることができます。

特に「重ねるハザードマップ」は、洪水・土砂災害・高潮・津波のリスク情報、道路防災情報、土地の特徴・成り立ちなどを地図や写真に自由に重ねて表示できます。

防災の第一段階は、まず自宅周辺の危険度を知ること。海岸沿い、川沿い、山の斜面、高層ビルなど、住んでいる場所によって危険度が違うのは何となくおわかりかと思いますが、実際に自宅はどんな危険度があるか、最寄りの避難所はどこかなど、これを知ってはじめて正しい対策ができますよ。

02| 片付ければ片付けるほど安全になる

災害はいつ起こるかわかりません。家の中は片付いていますか? 災害はいつ起こるかわかりません。家の中は片付いていますか?

自宅にいるときに大きな災害があったら、すぐに逃げられますか……?

家が片付いている人と、片付いていない人では、逃げるスピードと安全性が違います。片付いている家の方が断然安全に逃げられることは、容易に想像できますよね。

家は片付ければ片付けるほど安全になるんです。

具体的に、どのような対策が必要か、部屋別に解説していきますね。

①寝室は家具の転倒対策を

寝ているときは誰しも無防備。もし就寝中に大きな地震が来たら、倒れてくる家具を避けることはできません。実は、阪神淡路大震災で亡くなった方の大部分(約3/4)が家具の転倒や家屋の倒壊によるものでした。きっと家具を移動しておけば助かった命もあるはず……。

寝る場所の周りには極力家具を置かないのがベストですが、どうしても必要な場合は背の低い家具に変えたり、家具の向きを変えたりして、安全な空間を作りましょう。我が家はベッド横に無印良品の低い棚やライトを置いています。

②長い時間を過ごすリビングは耐震強化を

物の多いリビングは、耐震グッズを活用して対策をしましょう 物の多いリビングは、耐震グッズを活用して対策をしましょう

多くの人が家の中で一番長い時間を過ごすのがリビングではないでしょうか。リビングは必然的に物も多くなるので、地震のときの危険度が高くなります。
片付けるのは大前提として、テレビや割れやすい置物などをしっかり固定しておくことが大事です。いまは耐震グッズも種類が豊富で、リビングでも使いやすい、目立たないものもたくさんありますよ。

③キッチンは危険がいっぱい!

包丁などの刃物類やキッチンツールは出しっぱなしにせず、引き出しの中などに収納するのが安全 包丁などの刃物類やキッチンツールは出しっぱなしにせず、引き出しの中などに収納するのが安全

キッチンは刃物があったり、割れやすい食器があったり、さらにガスや火を使う場所なので、危険がたくさん。包丁などの刃物を出しっぱなしにしておくと、地震のときに飛んできてものすごく危険! 基本的には引き出しにしまうようにして、キッチンツールや食器は出しっぱなしにしないよう心掛けておきましょう。包丁が自分の方に向かってきたら……ゾッとしますよね。

④寝室やトイレ、学校や職場など、その他の対策も忘れずに

寝室や自室に閉じ込められる事例も。万が一のことを考えてラジオなども備えましょう 寝室や自室に閉じ込められる事例も。万が一のことを考えてラジオなども備えましょう

もちろん寝室や自室も整理しておくことが大事です。万が一閉じ込められたとしても、2、3日過ごせる空間づくりと食料・水・ライト・ラジオなどは備えておきたいですね。

トイレや玄関の扉の近くも確認してみてください。倒れるものはありませんか? 扉の周りに物があると閉じ込められる恐れがあって危険です。安全に逃げられるように、扉の辺りには物を置かないようにしてください。

自宅の備えはバッチリ! という方も、学校や職場はいかがでしょうか? 日中長い時間を過ごし、しかも家族がバラバラとなる職場や学校も、整理整頓が基本。デスクの引き出しやロッカーなどに、最低でも一晩は過ごせるくらいの備えは置いておきましょう。避難訓練もきちんと参加してくださいね!

03| 逃げ道もしっかり確保して

逃げ道となる場所には、停電中でも安全に逃げられるよう、電池式のセンサーライトを設置するのがおすすめ 逃げ道となる場所には、停電中でも安全に逃げられるよう、電池式のセンサーライトを設置するのがおすすめ

各部屋の片づけができたら、ぜひ「逃げ道」もチェックしてみてください。

障害物がなく、安全に逃げられそうですか?
懐中電灯はどこにありますか?
防災リュックは問題なく取り出せますか?

昼間は大丈夫だとしても、夜間は手探り状態で逃げないといけない可能性があります。そのシミュレーションも大事ですね。

我が家では、逃げ道となる廊下や玄関に、電池式のセンサーライトを設置しています。たとえ停電しても足元をしっかり照らしてくれるので、スピーディに避難することができます。また、防災リュックは避難時に必ず通る場所に置いておくのがおすすめ。あちこち寄り道することなく、最短距離で避難できるのがベストです。

04| まとめ

いかがでしたか?「これならできそう」と思っていただけたでしょうか。

  • ハザードマップを見て自宅の危険度をチェック
  • おうちを片付けて被害を最小限に
  • 避難経路をチェック

どれも簡単にいますぐできることです。

防災って難しいとか、お金がかかりそう……というイメージがなんとなくあるかもしれませんが、第一歩は身近なことからでいいんです。ぜひ、家の中からチェックしてみてくださいね。

松永りえ(mujikko)

この記事を書いた人

松永りえ(mujikko) 防災収納インストラクター

整理収納コンサルタント、防災士、防災共育管理士認定講師。無類の無印良品好きとしても知られ、instagramのフォロワー数は7万人超え。2016年の熊本地震で被災したのをきっかけに「防災収納」を広めるため、テレビ、セミナー、執筆など幅広く活動中。著書に「もしもに役立つ、いつものモノ選び」(Mdnコーポレーション)など。

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