公開日: 2023.06.20 最終更新日: 2023.10.26

愛猫と幸せに暮らす。人も猫も快適な空間づくりのためのリノベーションポイント&費用相場を紹介

愛猫と幸せに暮らす。人も猫も快適な空間づくりのためのリノベーションポイント&費用相場を紹介

爆発的なペットブーム以降、ペットと一緒に暮らすご家庭が増えました。近年では、犬と同じくらい人気なのが猫ちゃん。猫は、同じ屋根の下で共に暮らす家族同様に大切なパートナー(もちろん、犬も)。毎日のルーティンに“ひと猫吸い”。疲れた時にも“もうひと猫吸い”。そんな方も多いのではないでしょうか? 今回はそんな愛猫家のために「猫と暮らす」をテーマに、猫と暮らしやすい空間づくりのためのアイデアレシピをご紹介します。

Smau design(スマウデザイン):大景祥

Smau design(スマウデザイン):大景祥

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一般的なおうちは、人が住みやすい設計でつくられているため、猫と生活するには住みにくく使いづらい空間になっています。そこで、猫と暮らすためのアイデアやポイントなど、ど定番のものから一風変わった目新しいものまで、幅広くご紹介していきたいと思います。お住まいの環境や猫の性格に合わせてセレクトしてあげてください。

01| 愛猫のためのアイデアレシピ

①猫用の通用穴やドアをつける

愛猫家の皆さんはご存知の「ネコドア」。壁面や建具に猫専用の通用ドアを取り付けてあげることで、自由に行き来が出来るようになり、好きな時にあっちへ行きこっちへ行き。

ヒトと猫は体感も違うので、夏場・冬場の冷暖房をつける時期には、猫自身がネコドアを出たり入ったりして、心地いい温度を探せるのがポイント。また留守にする時でも扉の開放・閉め切り等心配する必要もありません。

くぐり戸が苦手な猫には、のれんが脱着できるものもあります。慣れてくると取付けができるものを選んであげるとよいでしょう。

網戸に取付けられる通用ドアもあり、室内外の出入りが可能。行動範囲も広くしてあげることでストレスなく過ごすことができます。

ただし、賃貸物件やマンション等では、設置場所によって取付けできないものもあるので、確認が必要です。

②くつろぎスペースをつくる

基本的に猫は暗くて狭い空間が大好き。カバンの中や布団の中、食器棚の隙間にスッポリしていることも日常茶飯事です。そして日向ぼっこも好きなので、日光の際し込む窓際でくつろいでいたりします。

くつろぎスペースの作り方は様々ですが、窓際に家具を配置したり、猫用スペースを作ってあげると、リラックスしてくつろぐことができます。

③キャットウォーク・シェルフを設置する

定番中の定番、一番人気なのがこちら。壁面を利用してキャットウォークやシェルフを設置してあげることで猫だけの安心ルートが確保でき、居心地もぐんとよくなります。長いキャットウォークや走りやすい組み合わせだと、勢い余って怪我をする恐れもあるので、高低差を上手く活かして配置することで、怪我をしにくい環境になり、収納棚としても活用できます。

また、デスクまわりにステップをつけると、飼い主と猫がお互いの気配を感じられるので、安心して過ごすことができます。

④室内窓をつける

距離感を保ちつつ、存在を感じるだけで、猫も人も安心するものです。キッチンやリビング・廊下などの間仕切り壁の一部分に、室内窓を設置してみましょう。猫の姿を確認することができて、明かり取りとしても有効に利用でき、さらにお洒落空間にも早変わり。

猫の抜け道として窓を設置する場合、周辺に細かい文具や植栽を配置すると転倒や破損の原因にもなりますので、設置場所や高さはよく検討して配置してください。

⑤逃げ場となる居場所をつくる

猫は専用の巣穴やゲージがあると、自分だけのエリアとして認識し、安心して過ごすことができます。床置きタイプのほかに壁付けタイプのものやステップと組み合わせることが出来るものもありますので、イメージに合わせてチョイスしてみてください。

こちらはサンワカンパニーさんの隠れ家とステップとを組み合わせたシェルフ「NeconoMa」。なかなかスペースを確保できない狭小空間であっても、視線を遮りちょっとしたプライベート空間があると、猫は落ち着く場所だと感じてくれます。

見た目にこだわりたい方は、サイドテーブルとハウスが一緒になったテーブルハウスも人気です。スタイリッシュでインテリアとしても見栄えがよく、小物収納としても利用できます。

02| 注意点とポイント

猫は単独行動が好きで好奇心旺盛。ツンデレなくせに一定の距離を保ちたがり、高くて狭いところが大好きです。このような猫の習性やその子の特性をよく理解し、しっかりと熟知したうえで適材適所を考えてあげることが大切です。そこで、次は各部位ごとに注意点やオススメポイントをご紹介していきます。

①床材はお掃除しやすく負担のかからないものを

室内にいる間、最も肌の触れる時間が長いのが床材です。爪傷に強い素材が理想的ですが、タイルや一般的なフローリングだと滑りやすいため、表面強化加工されているネコフロアや防滑加工されているフローリングがおすすめ。傷に強く滑りいので、猫がストレスなく歩くことができます。また、コルク素材のものやクッションフロア等の樹脂素材であれば、クッション性があり、足腰への負担も軽減することができます。あとはトイレ場所の粗相の時でも、お掃除しやすいように防水性のあるものを選ぶのもポイントです。

②壁材は傷のつきにくいハードタイプに

やんちゃな子や、壁で爪とぎをしてしまう子の場合、いくら綺麗な壁紙であってもすぐにボロボロになってしまいます。猫の性格によっては、いつもお決まりの場所から上に登ってしまい、同じところばかりが傷ついたり汚れたり、怒るに怒れないのが難点ですよね。壁材は傷に強いハードな素材のものを選べば、傷に悩まされることはありません。壁紙であれば、傷に強く粘り気のあるハードストレッチタイプのものがオススメ。トイレ周辺には消臭機能があるもの、例えばエコカラットなどの内装機能性タイルを腰壁まで貼るだけでも匂いを軽減することができ、且つ傷にも強く防汚性もあるので、適材適所で検討してあげてください。

③ネコちゃん逃走防止対策も

猫はとてもすばしっこい動物。扉を開けたほんの一瞬の間に、ストストストー! と逃走を図るなんてことも。逃走防止用のルーバー扉を取りつけることで、玄関や入ってほしくない場所であっても安心して過ごすことができます。造作扉であればサイズや形状など設置場所に応じて作りつけることができますが、予算があまりない方は、後付け突っ張りタイプの柵を設置することも可能です。

そのほかに、猫は人間と同じように器用に扉のレバーハンドルや取手を押し開けてしまうことも多々あります。対策として、レバーハンドルの向きを縦向きに替える方法のほか、ハンドルロックを取り付けると猫ちゃんや子供の開放対策にも有効です。

④爪とぎ場を設ける

人間は爪きりで爪を切れますが、猫は使えないので、爪が研げそうな箇所を自分で探して壁や柱をガリガリとして傷まみれに。爪のメンテナンスも大事な習慣ですので、専用の爪とぎ場を設けると、そこで好きな時にガリガリしてくれます

爪とぎ用のマットなどは麻製のものが主流ですが、麻縄よりサイザル麻のものを選ぶと、とぎくずが落ちにくく掃除もしやすいので、素材もしっかり確認しましょう。取外して洗い替えができるものを選ぶことも、清潔に使用していくための大切なポイントです。

03| 愛猫のためのリノベーション費用相場

ここまで様々な要点をご紹介してきましたが、愛猫のためのリノベーションを行う際の費用相場についてご説明していきたいと思います。

床のリノベーション

床材は直接肌に触れる部分だからこそ、快適で体に負担の少ない素材にしたいですよね。

傷や汚れに強い猫用のネコフローリングに張り替える場合、10畳あたり約45万前後~。

コルクタイルに張り替える場合、10畳あたり約40万前後~。

クッション性のある素材でクッションフロアを上貼りする場合、10畳あたり約15万前後~。

既存の床を張り替えるとどうしても解体・撤去費用がかかってしまいますので、可能であれば上貼りできる施工方法にするとコストダウンすることができ、工期も短縮できます

壁のリノベーション

次は壁面についてですが、素材に関係なく傷に強いものを選ぶとよいでしょう。

一般的な壁紙だと引っかき傷に弱く、すぐにポロポロと剝がれてしまうので、表面強化加工がされているスーパー耐久性の壁紙がおすすめ。ペット傷もつきにくく、お子さんのいるご家庭でもストレスなく過ごすことができます。

クロスの貼り替えをする場合、10畳あたり約10万前後~。

壁紙のほかに内装機能タイルを貼ると傷にも強く、調湿性もありため、猫の糞尿の匂いも軽減されるのでおすすめです!

内装タイル(エコカラットプラス)を貼る場合、5平方mあたり約10万前後~。

そのほかにも調湿性のある塗り壁材(珪藻土やしっくい)もおすすめですが、爪痕が付きやすいので場所によっては注意が必要です。

通用口・猫ドアの設置

猫用の通用口や扉は、どこにつけるかによって費用が変わりますが、壁面に穴をあけて通用口をつける程度であれば4~5万程度で可能です。扉に専用のドアをつける場合は加工費用等で7~8万前後。

04| まとめ

家族と同様に20年近く一緒に過ごすパートナーの愛猫。人も猫も快適でともに暮らしやすい住空間であれば、ストレスのない幸せ溢れる愛情いっぱいの日々が積み重なっていくはずです。

この機会に、愛する猫ちゃんとの暮らしを見つめなおしてみるといいかもしれません。

大景祥

この記事を書いた人

大景祥 Smau design(スマウデザイン)

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