── 地域のお菓子をひもとけば、その場所の素敵な側面が見えてくる。
お菓子をとおして街のなかにちょっとだけお邪魔する、「ご当地お菓子」連載。
第11回は、愛知県の東三河地域に位置する蒲郡市の「蒲郡みかんせんべい」を紹介します。
ライター:吉田友希
CONTENTS
01| えびせんべいの会社がつくる、みかん風味のおせんべい
「蒲郡みかんせんべい」は、みかんが入ったおせんべい。
……という説明だけで、味まで想像がつく方はいらっしゃるでしょうか?
蒲郡みかんせんべいは、おせんべいだけど、甘いお菓子。新感覚のおせんべいであり、唯一無二のお菓子です。おせんべいなのにみかんの味がして、サクッと軽い。そんな蒲郡みかんせんべいについて、製造元である「石黒商店」の石黒社長にお話を伺いました。
「蒲郡みかんせんべいは、地元の蒲郡みかんそのものを生地に練り込み、油で揚げずに製造することでみかんの香りを残しています。蒲郡みかんは、愛知県内の農産物ではじめて地域ブランドに認定された地元の名産品。古くは江戸時代から生産されており、JA蒲郡市と生産部会の蒲郡柑橘組合が中心となり、高品質生産を目指しております」。
えびせんべいの製造を行っている石黒商店には、甲殻類アレルギーのお客様から「アレルギーがあっても食べられるおせんべいを」という声が届くこともあるのだそうです。そのような声を反映し、蒲郡みかんせんべいは、アレルギーフリー、グルテンフリーのおせんべいとなりました。蒲郡みかんのよさが存分に生きた、思いやりに溢れたおせんべいなのです。
02| えびせんから海老を抜く発想でつくられた
以前から、村おこしのための商品開発や素材そのものを使用したせんべいづくりを行っている石黒商店が、自社ブランド「変わり種えびせん 是蔵」を立ち上げたのは2014年のこと。
「当初から、市役所さんなどより、地元の蒲郡みかんを使用した商品開発のお話はいただいていました。愛知県はえびせんべい製造量全国一位という一大生産地であり、また、弊社がえびせんべいの包装や製造を行っている会社というのもあり、地域的にも『おせんべい=えびせん』というイメージが定着しています。
蒲郡みかんせんべいの試作は何年も行っていましたが、えびせんベースで蒲郡みかんを練り込むという方向性での試作を繰り返していたんです。ただ、海老が入ることでみかんの香りとの相性問題が発生していました」。
試作を繰り返すうちに、「えびせんべいって、なぜえびせんべいっていうのだろう?」と、ふと疑問に思ったのだとか。そこで思いついたのが、えびせんから海老を抜く方法。海老は入っていないけど、えびせんべいの製造ノウハウを生かした形で、蒲郡みかんせんべいが誕生しました。
03| サクッと軽い食感と爽やかな風味が特徴
蒲郡みかんせんべいは、厚みのある本型の箱に入っています。
表紙部分(箱のフタ)をめくると、素敵なイラストとメッセージが出てきました。
なかには、袋が3包。小腹が空いたときに少しずつ食べられるのがうれしいです。
是蔵のせんべいはサクッとした食感が特徴。軽い口当たりなので、サクサクッと何枚でも食べられそうです。
えびせんのような食べ心地なのだけど、海老の味はせず、オレンジの色みを感じられるおせんべいからはほんのりみかんの風味を感じます。甘すぎず、くどくなく、ちゃんとみかんで、クセになるおいしさです。
ブック型のデザインには「新しいせんべいの物語がはじまるように」という想いが込められている
画像提供:有限会社石黒商店
04| 蒲郡の「推奨お土産品」に認定されている
画像提供:有限会社石黒商店
蒲郡みかんせんべいは、蒲郡市観光協会の「推奨お土産品」に認定されています。ほかにも、石黒商店では、東三河の素材でつくったえびせん「東三河味めぐり うまいだらぼっち」や「プレミアムえびせんシリーズ」など、地域ならではのおせんべいを販売しています。
石黒社長に蒲郡の魅力を伺うと、こんなふうに教えてくださいました。
「蒲郡は三方を山に囲まれ、自然豊か。三河湾国定公園のほか、蒲郡温泉・三谷温泉・形原温泉・西浦温泉の4つの温泉郷や、ラグーナテンボスという遊園地、国の天然記念物である竹島もあります。夏には、太平洋岸最大級の三尺玉花火が上がる、海と観光の街です」。
画像提供:有限会社石黒商店
愛知・蒲郡の「蒲郡みかんせんべい」、ごちそうさまでした。
変わり種えびせん 是蔵
所在地:愛知県蒲郡市三谷町東4-3
TEL:0533-75-6070
営業:9:00〜18:00、土日祝日休
https://k-corezo.ocnk.net/
※催事出展のため臨時休業あり。オンラインショップでも購入可能。
05| 愛知県蒲郡市のことならおまかせ! おすすめの建設会社
この記事を書いた人
吉田友希 ライター