防災セミナーを開催して、ここ最近でよく質問されるようになったのが「ペットの防災」です。代表的なペットといえば犬や猫ですが、うさぎやハムスターなどの小動物、インコなどの鳥類、ほかにも爬虫類、熱帯魚など、種類はさまざまですよね。
ところで、大きな災害が起こったときに、ペットをどうするか考えたことはありますか? どんな動物でも飼い主にとっては大切な家族。ペットだけ家に置いていくなんて考えられない! という方も多いと思います。
今回はそんな「ペットの防災」についてお話します。(今回は一般的な犬と猫を基準にご説明しますが、ご自身のペットに置き換えて考えてみてくださいね)
CONTENTS
01| 「同行避難」が大原則!
スムーズに「同行避難」ができるよう、いつでも備えておきましょう
まず、家が危険で避難所に行くと決めたとき、ペットは連れて行く?連れて行かない?という2択に迫られます。現在は、ペットは一緒に避難する「同行避難」が推奨されています。ペットも家族の一員です、一緒に逃げて大丈夫です!
ただし、避難所によっては動物がNGのところもあるので、近くの避難所のことを事前に調べておいた方がいいですね。また、避難所によって同行避難のルールもバラバラです。一緒の部屋にいられることもありますが、ペットだけ別の部屋になることも……。
そこの避難所のルールに従わないといけない、ということは知っておいてください。
02| 避難時の注意点
ペット用リュックは、両手がフリーになるのでおすすめ
ペットは地震でパニックになることがあります。まずは外に飛びだしたり、ケガをしたりしないよう、普段から環境を整えておいてください。
もちろん、ご自身の命も大事! ペットを助け出せるのは、飼い主の命あってこそですからね。避難する際は、ケージに入れたり、しっかりリードをつけて行動してください。余震などでパニックになって逃げ出すことも十分考えられます。
最近はペット用のリュックなどもあるんですよ。リュックだと両手がフリーになるので、より安全に避難できます。ただし、ケージなどもそうですが、ある日突然入れようとしても素直には入ってくれません。普段から練習して慣れさせておくことが大事です。わが家の愛犬も、リュックにスムーズに入れるように現在練習中です。やはり、飼い主のしつけが重要になってきますよね。
03| 普段から備えておきたいもの
ペットの非常用グッズって備えてますか? 人間の非常食や水はストックしていても、ペットのものを忘れていた、という方は意外と多いんです。
でも、想像してみてください……
ペットが、ある日突然違うフードを出されて食べると思いますか? 好き嫌いがあったり、アレルギーがあったりしたら? さらに、災害後というストレスMAXの環境下だとしたら? フードがあるならまだいい方で、もし避難生活が長引いて、フードや水が底をついてしまったら? ペットシートや猫砂がなくなってしまったら?
想像するだけで怖くなりますよね。そんな事態を避けるために、飼い主がしっかり備えておく必要があります。普段から備えて欲しいものは以下の通りです。
食べ慣れたフード、水
いつものフードを備えておくと安心。「これはおいしいやつだワン!」
フードは命をつなぐために一番大事なものです。普段から食べ慣れているフードが一番安心ですよね。備えながら消費する「ローリングストック」を取り入れると、上手に循環できますよ。我が家では、2ヶ月分は常にストックしています。
消耗品(ペットシート、猫砂など)
ペットシート、猫砂などの消耗品はしっかりストックを!
ペットのトイレ問題も大事! 人とペットの衛生環境を守るためにも、ペットシートや猫砂などの消耗品は多めにストックしておきましょう。
避難グッズ(ケージ、リードなど)
突然用意されたケージは警戒してしまいなかなか入らないので、練習は必須です
ケージが重要とお伝えしましたが、そもそもケージは持っていますか? もしお持ちでないならこれを機にぜひ備えてほしいと思います。そして、慣れさせるところから始めてみてくださいね。
04| 飼い主のルールも大事
同行避難が原則とはいえ、ペットのトラブルは起こっています。特に、動物アレルギーのある方や、動物に恐怖心のある方にとっては、近くに動物がいるだけで怖いもの。無用なトラブルを避けるためにも、飼い主側に気をつけてほしいポイントがあります。
- 1.動物が苦手な人もいる、と心得る
- 2.ワクチンを接種する
- 3.飼い主のモラル・普段のしつけ
避難所にはさまざまな事情を抱えた方がいます。動物が苦手な方にも配慮しないといけない、というのは常に念頭に置いておいてください。
また、飼い主の責任として、定められたワクチンは必ず接種すること。ワクチンの証明書がないと避難所に入れないこともあるので、ワクチンは必ず接種しておいてください。証明書の写真をとって控えにしておくのもおすすめです。
ほかにもペットが避難所で脱走しないために、ケージの扉をしっかり閉めたり、抜け毛対策のために洋服を着せたり、吠えないようにコマンドで指示をしたり。やはり一番求められるのは飼い主のモラルと普段のしつけだと思います。
05| まとめ
普段からペットと信頼関係を築いておくことで、人も動物もストレスが最小限で過ごせます。大事な家族を守るためにも、普段からできること、準備できるものはしっかり備えておきたいですね!