都会と自然が共存する「とかいなか」。大阪府・高槻の住みやすさや治安を解説

高槻市は大阪府の北東部にあり、大阪市と京都市の中間に位置しています。そのため、大阪と京都へ通勤する人のベッドタウンとして発展してきました。南北に細長く、市内の北部には北摂山地が連なり、南側には淀川が流れています。

2021年9月末現在の人口は約35万人、世帯数は約16万世帯で大阪府の市町村の中では4番目の広さです。中心部であるJR高槻駅から阪急電鉄の高槻市駅周辺には、百貨店、商業施設、商店街などが数多く集まり、買い物の環境も充実しています。駅を中心として郊外にかけては住宅地が広がっています。

最近、高槻市は、都会の便利さと自然が共存する「とかいなか」として注目を集めています。市の中心部から少し足を伸ばせば、豊かな自然に出会える一方で、多くの古墳がある歴史の街としても知られています。交通の便と買い物環境に恵まれ、なおかつ自然も豊かな高槻市は、人気の北摂エリアに属していて、大阪と京都へのアクセスも抜群。ひとり暮らしの人から子育て世帯まで、幅広く人気を集める街となっています。

高槻市のアクセスの中心となるのは、JR高槻駅と阪急電鉄高槻市駅。この2つの駅は、歩いて10分ほど離れた場所に位置しています。JR高槻駅は普通電車以外にも快速や新快速が停車。新快速に乗れば、大阪駅および京都駅までは15分程度と好アクセスです。さらに、特急列車はるかで関西国際空港へ直結、特急列車サンダーバードなら金沢など北陸方面へのアクセスがしやすいという利便性のよさも。阪急高槻市駅にもすべての電車が停車し、特急に乗れば大阪梅田駅および京都河原町駅まで20分程度で行くことが可能です。

高槻市は市営バスの路線も充実していて、市内をスムーズに移動できます。2017年には新名神高速道路と名神高速道路の高槻JCT・ICが開通したことで、兵庫県や滋賀県、三重県方面への車での遠出も便利になりました。

JR高槻駅の中央口を出ると、北口と南口に分かれています。北口には超高層の複合商業施設「アクトアモーレ」やデパート「高槻阪急」、昔ながらの便利なアーケード商店街である「芥川商店街」が、南口にはデパート「松坂屋 高槻店」があります。駅周辺には銀行やコンビニエンスストア、飲食店も数多くあり、食事や買い物に困ることはありません。

また、駅から少し離れると閑静な住宅街が広がります。高槻市のもうひとつのメイン駅である阪急高槻市駅は、JR高槻駅の南口を出て10分ほど歩いた場所にあります。その間にも東西約300mに約100店舗が集まる「高槻センター街」や、「たかつき中通り本通り商店街」があり、買い物する地元の人たちでいつも賑わっています。駅直結の高架下にある2020年11月に開業したスーパーマーケットショッピングセンター「エミル高槻」も、駅利用者をはじめ、近隣住民にとっては便利な買い物スポットになっています。

高槻市役所の発表によると、2020年中に高槻市内で認知された犯罪件数は1,458件、人口1,000人あたりの犯罪認知件数は4.1件でした。これを大阪府内の他の市と比較してみると、大阪市は12.4件、門真市は8.9件、東大阪市は7.9件などとなっていて、高槻市の犯罪件数は大阪府内では比較的少ないことがわかります。

窃盗犯罪の内訳を見てみると、自転車盗が499件、車上ねらいが55件、部品ねらいが43件となっています。空き巣も10件発生しました。また、2020年中に子ども（16歳未満）に対する声かけなどの事案も108件発生。その中でも声かけ（46件）、つきまとい（21件）、不審者（20件）が多かったようです。夕方の道路上や公園で発生しやすいため、子どもを一人にさせないことが大切です。駅周辺の一部が繁華街なので、その周辺を通る際には客引きなどに気をつけたほうがいいでしょう。奥へ入ると薄暗い路地が多いことから、女性の夜のひとり歩きにも注意が必要です。

大阪、京都へのアクセスが良好ながら、市の中心部から少し離れると自然や歴史スポットがたくさん。平日は忙しく働きつつ、休日は深呼吸して過ごしたい。そんな人にうってつけの、高槻の「とかいなか」スポットをご紹介します。

▲自由に寛げる広々とした芝生エリア

元々は京都大学の附属農場だった安満遺跡公園。移転に伴い公園として整備され、2021年3月に全面オープン。安満遺跡は、弥生時代の「クニ」の移り変わりを明らかにすることができる重要な大規模遺跡で、国の史跡にも指定されています。JR高槻駅から徒歩約13分、阪急高槻市駅から徒歩約10分とアクセスもしやすいスポットです。

▲奥に見える赤い屋根の建物は「歴史拠点施設」

施設内の体験館では、弥生時代の歴史を学んだり、勾玉作りなどの体験が楽しめます。また、ロッカーとシャワーを完備したランニングステーションもあるので、園内でランニングやウォーキングで汗を流す人も。カフェ、レストランもあり、思い思いの楽しみ方ができる公園となっています。

▲山門をくぐると紅葉が美しい本堂が見える

高槻市北部の山中にある1300年の歴史をもつ天台宗の寺院。日本で最初に毘沙門天を奉じた寺院といわれています。大阪府立北摂自然公園に属しており、大阪みどりの百選に選定。紅葉の名所としても名高く、境内の至るところできれいな紅葉が見られます（紅葉の季節のみ拝観料300円が必要）。

事前予約をすれば、普段は一般公開されていない重要文化財の仏像を拝むことが可能。ポンポン山へのハイキングルートの途中にあるため、ハイキングの安全をお参りに訪れる人も多いそうです。

▲駅からすぐなので、仕事やお出かけの帰りに気軽に立ち寄れる

JR高槻駅および阪急高槻市駅より徒歩約3分という好立地の天然温泉施設。上宮天満宮の麓の地下深くから湧き出る天然温泉を使った温泉が楽しめます。浴槽は男女全20種類。地上22mの露天風呂や打たせ湯、つぼ湯、炭酸風呂、ナノミストサウナなどそのバリエーションも豊富です。

岩盤浴、ホットヨガ、マッサージ＆あかすりもあり、都会にいながら憩いのひと時を過ごそう。ひと通り楽しんだあとは、食事処「茶の間」でゆっくりするのもいいでしょう。季節湯や生ビールの割引など、毎月イベントも積極的に開催されています。

高槻市では、親・子・孫からなる3世代の同居・近居を支援する「3世代ファミリー定住支援事業」として、「住宅取得補助金制度・リフォーム補助金制度」を実施しています。これは、市外に住んでいる子育て世帯と市内に住んでいる親世帯が、新たに同居・近居をするための住宅の購入・リフォーム費用の一部を助成する制度です。

要件をすべて満たしていれば、一戸あたり20万円を上限として住宅取得費用、リフォーム費用の一部が助成されます。リフォームの対象となる工事の例としては、居住部分の増築・改築、外装工事、内装工事、建具工事などがあります。

賃貸マンション・アパートの目安は下記。

2DK：72,000円
3DK：78,000円
1LDK：80,000円
2LDK：108,000円

新築・分譲一戸建ては

2,000万円台～5,000万円台

で多くの物件が販売されています。

中古マンションは

築15～20年以内：3,700万円台
築20年以上：平均1,500万円台

となります。

単身世帯でも広々とした部屋が借りられ、若い夫婦でも、マイホーム購入を考えられる価格帯となっています。