枚方と書いて「ひらかた」。「マイカタちゃいます、ひらかたです」と市がプロモーションするほど、なかなか読みにくい名称の枚方市。関西の人の大半が枚方といえば「ひらパー」と答えるほど、人気の遊園地・ひらかたパーク、通称「ひらパー」があることでも有名で、大阪・京都のベッドタウンとしても栄えています。そんな枚方の住みやすさと治安をご紹介しましょう。
ライター:中野祐子
CONTENTS
01| 枚方の概要:住みたい行政区の上位にランクイン!
「枚方T-SITE」が新たランドマークになった枚方市駅周辺
枚方は、大阪府と京都府の間にある街。西側には淀川が流れ、古くから陸路・水路の要所、宿場町として栄えてきました。今も「枚方宿」という宿場町の趣を今に残す地区が残り、観光客はもちろん、地元の人の散策スポットに。毎月第2日曜日には「くらわんか五六市(ごろくいち)」という手作り・こだわりの品を販売するイベントが開催されています。
絶好のロケーションに加え、自然にも恵まれていたことから、枚方には多くの人が暮らし、大阪・京都のベッドタウンとしても発展。住環境はもちろん、電車や道路などの交通網、冒頭に紹介した「ひらパー」をはじめとする遊び場、ショッピングモール、大学などの学校も充実し、「2021年LIFULL HOME'S 近畿圏版 住みたい行政区ランキング」において、「買って住みたい行政区」では、多数の街から第6位にランクイン。「借りて住みたい行政区」でも第16位と20位以内に入りました。多くの人が住みたい、長く暮らし続けたいと思っていることがわかりますね。
02| アクセスと主要駅:大阪、京都に好アクセス。魅力的な駅周辺施設
特急が停車する京阪電車枚方市駅。バスターミナルでもある
枚方のメインアクセスは、その名の通り大阪と京都を結ぶ京阪電車です。主要駅は1日9万人以上が利用する「枚方市駅」。特急が停車し、大阪のビジネスの中心、淀屋橋、北浜、天満橋、京橋へ30分以内、京都の中心地で繁華街の祇園四条や三条、終点の出町柳へも30分ほどで行き来できます。また、京阪沿線は企業や学校が多いので、通勤・通学の利便性を考えて、枚方に住む人もたくさんいます。
枚方市駅前は再開発が進行中で、駅2階中央コンコースを「無印良品」がデザインしたことでも話題に。駅ナカ商業施設「ひらかた もより市」、京阪百貨店ひらかた店が直結しています。さらに枚方が発祥の「蔦屋書店」をはじめとする複合商業施設「枚方T-SITE」もオープン。「ライフ枚方T-SITE店」「イオン枚方店」といったスーパーや飲食店などもあり、便利です。
枚方市駅は「無印良品」が初めて行った駅のデザイン
枚方市駅から特急で一駅の「樟葉(くずは)駅」も1日6万人以上が利用する第二の主要駅で、再開発されたことで駅ナカも駅前もキレイで店舗が充実。駅周辺は新築も多いおしゃれな住宅街なので、若いファミリーに支持されています。
また、市の東側には大阪の京橋から京都の木津を結ぶJR学研都市線が走り、津田駅、長尾駅、藤阪駅の3駅があります。
枚方は京阪バスの路線が充実していることも特徴。枚方市駅をターミナルに47路線1日約1,000本以上が市内を走っているので、駅から離れた住宅街や物件に住むにも支障がありません。
03| 治安:犯罪は減少傾向に。夜間は注意を
枚方の2021年の犯罪認知件数は1,447件。2020年が1,647件だったので、200件も減少しました。ただ、特殊詐欺が78件と大阪府の中ではワースト2位に。枚方市危機管理室では、枚方警察署・交野警察署と連携し、特殊詐欺被害を防ぐため、青色防犯パトロール車などを使った「特殊詐欺被害防止に向けた街頭啓発放送」を実施しています。
市内には1,000台以上の防犯カメラを設置し、子どもの安全を守る青色防犯パトロール車も随時出動しています。ただ、枚方市駅周辺の繁華街、市内に多数ある大きな公園は夜間の一人歩きは注意が必要です。
04| マドリームが選ぶ、枚方ライフをより楽しくしてくれるおすすめスポット
枚方は、山や川など恵まれた自然環境と、便利でスタイリッシュな都市機能が融合していることが魅力です。そこで、枚方ライフをより楽しく、より豊かにしてくれるスポットをセレクトしました。
①レトロな雰囲気が漂う人気の遊園地「ひらかたパーク」
写真提供:(公財)大阪観光局
写真提供:(公財)大阪観光局
広大な敷地は緑と花があふれ、散策しても楽しい
枚方といえばココ。1910年に開園した日本最古の遊園地であり、各地で遊園地が閉鎖される中、今も高い人気を誇ります。15.9ヘクタールの広い敷地には絶叫系マシンや観覧車など各種アトラクション、かわいい動物とふれあえるアニマルパーク、バラが咲き誇るローズガーデンがあり、夏はプール、冬はスケートリンクがオープン。秋のイルミネーションも見ものです。園内には飲食物やお弁当の持ち込みが可能で、レトロでのんびりとしたムードも漂い、大人から子どもまで1年を通して遊べ、いつ訪れても楽しめます。
②年齢を問わず楽しめる多彩な公園
枚方には大小合わせてたくさんの公園があり、子どもを遊ばせたり、ウォーキングやランニングなど運動に困ることはありません。
・山田池公園
写真提供:枚方市
緑の中の休憩所。のんびりくつろいだり、お弁当を食べたりも
73.7ヘクタールと広大な面積を誇り、広い芝生の丘や緑の散策路、無料のバーベキュー広場などもある充実の公園。ハナショウブやアジサイ、スイレンといった水辺の花々を楽しめ、水鳥もやってくるまさに枚方のオアシスで、いつもたくさんの人でにぎわっています。
・北山公園
写真提供:枚方市
小高い地形を生かした、丘の上から滑り降りるロングローラー滑り台が人気! 大人も滑ることができます。園内には小さな子どもも楽しめる遊具、緑や花もいっぱい。
・淀川河川公園 枚方地区
写真提供:枚方市
淀川の広大な河川敷は、大阪府の6市1町、京都府の1市1町、27地区で管理運営されています。枚方地区は、野球・サッカー兼用の淀川スタジアム、テニスコート、パターゴルフ場、BBQ指定区域(現在は新型コロナウィルス感染予防のため利用禁止)など、さまざまな施設が充実。川の流れや川岸の緑に癒されながらの散歩、日々の運動、リフレッシュにももってこいです。
③食やカルチャーなど、個性ある店舗が揃う「枚方T-SITE」
フロアを貫く本棚がお店のランドマークに
「まちのリビング」をコンセプトにした生活提案型商業施設で、2016年にオープン。地上8階・地下1階の全面ガラス張りのインパクトある空間には、枚方市駅前が発祥の地である「蔦屋書店」をはじめ、カフェ、雑貨、テラス席を設けた最上階のレストランなどが集結。また、枚方市駅に直結していて、スーパーや銀行、洋服のお直し店、電動アシスト自転車の販売・修理店などもあります。平日は便利に活用、休日はコーヒーを飲みながら本や雑誌を読んだり、買い物をしたりと、ゆったり過ごせます。
④ 映画館もある老舗のモール「KUZUHA MALL(くずはモール)」
樟葉駅前で1972年に開業した老舗モールで、2014年リニューアルオープン。ファッション、雑貨、グルメなど250近い店舗があり、「TOHOシネマズくずはモール」も併設。買い物に、遊びに、枚方ライフに欠かせない存在になるはずです。
05| 枚方の暮らし、ここに注目:ポイントももらえる!制度や施設が充実
枚方は「住んでくれるならマイカタでもいい」と市が宣言するほど、定住や育児、教育に力を入れています。
また、枚方のユニークな制度が2019年スタートの「ひらかたポイント」。枚方市在住、枚方市在勤・在学の人が健康・長寿・子育てなど市所定の事業に参加するとポイントをもらえて、市内協力店での買い物や飲食に利用でき、お得です。
●定住
市内の空き家に住んでくれる若者夫婦・子育て世帯の応援制度が2020年からスタート。40歳未満の夫婦、18歳未満の子どもがいる世帯で、市内・市外の賃貸に1年以上移住しているなど条件を満たせば、空き家の建て替えやリフォームなどの費用の一部を補助してもらえます。また、結婚などで新生活を始める新婚夫婦は、住宅(建物)取得・賃借費用、引越費用の補助。市内の公的賃貸住宅の家賃サポート制度もあります。
●育児
枚方市は、子どもが笑顔で健やかに成長できるまちをめざし、「子どもを守る条例」を制定。妊娠、出産、育児と継続的な支援も行っています。
いくつか挙げると、年齢や所得制限なく、第2子以降の保育料無償化を実施。子どもの医療費も所得制限なく、中学3年生まで助成が受けられます。また、24時間年中無休で看護師や医師らに健康や医療に関する相談ができる「ひらかた健康ほっとライン24」、子育てイベント情報のお知らせ、予防接種のスケジュールを自動作成してくれる、子育て応援アプリ「スマイル☆ひらかたっ子」など独自のサポートもあります。
●教育・文化
枚方市内には5つの大学があり、そのひとつ関西学国語大学と連携するなど小中一貫した英語教育に力を入れています。また、関西医科大学は枚方市駅から歩いてすぐで、関西医科大学附属病院を併設。香里園駅にも関西医科大学香里病院があります。その香里園は、同志社大学香里中学・高校があるなど文教地区として人気で、枚方市立香里ケ丘図書館が2020年にリニューアル。香里ケ丘中央公園が隣接し、緑豊かな読書、癒しの場になっています。
2021年9月にオープンした枚方市総合文化芸術センター。大小の音楽ホールやイベントホール、美術ギャラリーなどがあり、コンサートや演劇などさまざまな催しを鑑賞できる
枚方市駅から徒歩圏内の関西医科大学と関西医科大学附属病院。歩道橋やエレベーター、スロープも完備
総合文化芸術センター、関西医科大学附属病院と隣接する枚方市立総合福祉会館「ラポールひらかた」誰でも利用できる温水プールがある
06| 知っておきたい家賃と新築物件の相場
枚方の家賃や新築物件の相場は次の通りです。
賃貸マンション・アパートの家賃相場
ワンルーム 4.56万円
1K 4.96万円
1DK 5.61万円
1LDK 8.67万円
2DK 6.61万円
2LDK 10.06万円
新築・分譲戸建て 2,480〜4,980万円
中古戸建て1,472万円~
中古マンション1,320万円~
枚方市駅や樟葉駅、香里園駅周辺が人気。JR学研都市沿線は山間に近く、緑豊か。静かに暮らしたい人におすすめです。
この記事を書いた人
中野祐子 ライター