神奈川県の南西部にある小田原市。黒潮の影響で気候は温暖で、雪もめったに降らない暮らしやすい土地。目の前の海でとれる多彩な魚介類をはじめ、農作物の生産も盛んです。一方で、神奈川県西部の交通の要衝だけあってアクセスも至便。小田原駅から新幹線を使えば東京駅まではわずか35分です。オンもオフも充実した、メリハリのある生活がかなう街といえます。
CONTENTS
01| 概要:歴史と自然、豊かな食、アクセスのよさが凝縮
小田原城を中心に、小田原市の俯瞰
小田原市は、神奈川県の南西端、東京都心から約70kmに位置し、東西約17.5km、南北約16.9kmの大きさを誇ります。市域の東~北~西を二宮町、中井町、大井町、開成町、南足柄市、箱根町、湯河原町、真鶴町に接し、南側には太平洋が広がります。
戦国時代に北条氏が小田原城を築くと、小田原は城下町として栄えました。また、江戸時代には東海道屈指の宿場町としても賑わいました。こうした歴史を背景に、小田原市は現在も神奈川県西地域の中核都市として発展を続けています。
市の南西部は箱根連山につながる山地、東部は丘陵地帯になっており、市の中央を南北に流れる酒匂川(さかわがわ)の周辺は平野で、南部は相模湾(太平洋)に面しています。このような地形で、黒潮の影響を受けることから、一年を通じで気候は温暖。冬は東京より暖かく、夏は東京よりも涼しく快適。雪が降ることはめったにありません。明治から昭和初期にかけて、政財界人や文化人がこぞって保養に訪れたり、別荘を持ったりしたのもうなずける自然環境です。
南部は太平洋に接している
古くから東海道沿いの交通の要衝だった小田原は、今も抜群の交通アクセスを誇ります。JRの東海道本線・東海道新幹線・御殿場線、小田急小田原線、箱根登山鉄道、伊豆箱根鉄道大雄山線が乗り入れていて、市内には18の駅があります。しかも、小田原駅は新幹線やロマンスカーの発着駅であり、東京方面へのアクセスはもちろん、名古屋・大阪方面へのアクセスも便利です。さらに、JR小田原駅・国府津駅からは、湘南新宿ラインや通勤時間帯のホームライナー(定員制の快速列車)も運行されていて、上り電車の本数も多いことから、座っての通勤・通学も可能です。
通勤に便利なだけでなく、周辺観光地へのアクセスのよさも小田原市ならでは。箱根をはじめ、湯河原、真鶴はもとより、熱海から伊豆半島、さらに富士山や富士五湖など山梨方面へのアクセスも便利。休日のお出かけは、どこに行こうか迷うほどです。
ライトアップされた小田原城も美しい
遠出をしなくても市内で楽しく休日を過ごせるのも小田原市の大きな特徴。小田原城を中心に江戸の歴史が体感できる小田原城址公園や戦国期の遺構の数々、かつての別荘文化をしのばせる住宅をはじめ、市内に魅力的な観光スポットが数多くあります。
食の豊かさも目を見張るものがあります。目の前に広がる相模湾、温暖な気候に恵まれた平野部、豊かな山林など、食を育む環境も抜群。漁港に揚がる新鮮な魚介はもちろんのこと、かまぼこや干物など水産加工品も豊富。農産物は神奈川県内1位の収穫量を誇るミカンと梅を筆頭に、足柄茶で知られる茶、米、梨、玉ねぎなどの栽培が盛ん。身近で新鮮な農作物が手に入るのも小田原市ならではといえるでしょう。
このように、海・川・山の恩恵に満ち溢れ、長い歴史に裏打ちされた伝統・文化が息づき、しかもアクセス至便。オン・オフいずれの生活も満喫できる、三拍子も四拍子もそろった街といえるでしょう。
02| アクセスと主要駅:東京駅へは新幹線で約35分
小田原駅の様子
小田原市のアクセスの中心となるのは「小田原駅」。JR、小田急、箱根登山鉄道、伊豆箱根鉄道が乗り入れています。小田原駅で特筆すべきは、東京都心へのアクセスが至便なこと。東海道新幹線を利用すれば、新横浜駅へは約15分、品川駅へは約27分、東京駅へは約35分でアクセス可能。JR東海道本線であれば快速アクティーで、横浜駅へは約50分、新宿駅へは約75分、東京駅へは約90分です。さらに小田急小田原線であれば、新宿まで特急ロマンスカーで約70分、急行で約90分となっています。
小田急ロマンスカー
JR東海道線や小田急小田原線は小田原駅始発の電車が多く、座って移動できるのも利点。東海道線や湘南新宿ラインに連結されているグリーン車や小田急ロマンスカーを利用すれば、より快適な移動も可能です。また、新幹線ひかり号の一部は小田原駅に停車するので、京都・大阪方面への移動も手軽です。さらに、観光シーズンには小田原駅からJR成田エクスプレスが運行するので、ハイシーズンの海外旅行などにも便利です。
周辺観光地への電車移動も手軽。箱根湯本駅へは箱根登山鉄道で約15分、熱海駅へはJR東海道線で約25分、江ノ島駅へはJR東海道線・江ノ島電鉄経由で約50分となっています。
小田原厚木道路
小田原駅周辺は道路事情も良好です。一般国道は、国道1号、箱根新道の利用で東京・横浜方面および箱根方面へ、国道135号で湯河原・熱海・伊豆方面へのアクセスが可能。有料道路は、東京方面へは東名高速道路とつながる小田原厚木道路、横浜南部・鎌倉方面へは西湘バイパスが、また箱根方面へはアネスト岩田 ターンパイク箱根が走っています。さらに、小田原厚木道路経由で圏央道を利用すれば、埼玉、栃木、新潟方面へのアクセスも可能です。
03| メイン駅周辺の様子:大型商業施設と伝統ある商店街
5つの鉄道路線が乗り入れる神奈川県西部を代表するターミナル駅であり、箱根観光への拠点でもある小田原駅。2010年に開業100周年を迎えた伝統ある駅で、駅東側のエリアは古くからの商業地域として栄えてきました。
小田原駅外観
小田原駅の表口にあたる東口側にあるのが、駅ビル「ラスカ小田原」。6階に屋上庭園を有する建物で、1階~5階まで、食品をはじめコスメ・雑貨、ファッション、書籍まで揃います。その南隣にあり、専用通路でつながっているのが2020年にオープンした「ミナカ小田原」。小田原城址公園へと向かうお城通り沿いに位置する複合商業施設で、通りに面した江戸の街並みを模した外観が目をひきます。14階建てのタワー棟と4階建ての小田原新城下町で構成され、タワー棟は14階の無料の展望足湯庭園、宿泊施設、小田原市の図書館などがあり、3階にはフードスタジアムも。小田原新城下町にも多彩な飲食施設が揃います。そして、「ラスカ小田原」と地下でつながっているのが小田原地下街の「HaRuNe(ハルネ)小田原」。小田原市内の業者を中心に出店しており、地場の野菜や肉、干物、かまぼこ、梅干しなどの特産品が手に入ります。
駅前おしゃれ横丁商店会
東口側は「小田原駅前東通り商店街」「小田原銀座商店会」「小田原錦通り商店街」といった古くからの商店街も数多くあります。地元で代々商う老舗店が軒を連ねるほか、ドラッグストアやスーパーマーケット、ディスカウントショップなども。そのほか、レンガ造りの街並みがおしゃれな「駅前おしゃれ横丁商店会」、「小田原 かまぼこ発祥の店 うろこき」や「小田原 籠淸 本店」なと小田原名物のかまぼこ店が並ぶ「小田原かまぼこ通り」も。日常の買い物から休日の外食などまで、大体の買い物が駅周辺で間に合います。
一方、西口側は行政の施設や学校などが点在。小田原市役所へは徒歩15分ほど。そのほかに警察署、税部署なども周辺にあります。
04| 治安:犯罪件数は年々下降
小田原市の犯罪発生件数の推移を見ると
2017年 1,748件
2018年 1,316件
2019年 1,109件
2020年 883件
2021年 856件
となっており、近年は着実に減少しています。また、犯罪種別の発生状況を見ると、大半が窃盗犯となっており、殺人、強盗などの凶悪犯はまれです。
小田原駅周辺は、居酒屋など夜間営業をしている店が集中し、観光客なども多いので、やや治安に不安を覚えますが、住宅街は安心して暮らすことができるでしょう。
05| マドリーム厳選、小田原を感じるグルメ三選
小田原は古くから相模湾西部の漁業の中心地として栄えてきました。なかでも定置網漁は全国的に有名。アジ、サバ、イワシ、ソウダガツオ、カマスなど種類豊富な魚が揚がり、漁獲量の9割以上が小田原市内と周辺地域で消費される、まさに地産地消。豊富な魚を活用した水産製品も古くからの伝統を誇ります。そんな小田原を感じるグルメ三選をご紹介します。
①名産品・かまぼこの名店が並ぶ「かまぼこ通り」
かまぼこ通り
「小田原かまぼこ」の歴史は古く、江戸時代には宿場町・小田原を通りかかった多くの旅人が味わったといいます。当時の輸送手段では鮮魚を箱根の温泉宿などに届けることができず、腐りにくい加工品としてかまぼこを製造。湯治客や旅人にも供されたといい、参勤交代の武士たちもその美味を知り、全国的に名が広まったとされます。
そんな伝統を今に伝えてくれるのが「かまぼこ通り」。かつて魚市場があったこのエリアは、今もかまぼこ店の本店などの老舗が立ち並ぶ風情ある街並みで、揚げかまなどを食べながら街歩きを楽しむ観光客で賑わいます。通りから歩いてすぐの浜辺へ抜けるトンネル「海への扉」は絶好の写真スポットとして人気を呼んでいます。
②小田原おでんの名店「小田原おでん本店」
小田原おでん
古くから宿場町として栄えた小田原の名物・かまぼこの技術を生かした小田原おでん種。さまざまな白身魚の練り物と地元産食材を活用しています。2003年に「小田原おでん会」が発足し、「小田原おでん宣言」を発表しています。老舗蒲鉾店11社をはじめ、豆腐店、こんにゃく店、青果店、精肉店といった地元商店が小田原おでんのためにオリジナルの種を作りだしているのが魅力。今では、種の種類は45種類以上にも。バリエーション豊かなおでんがいただけます。また、小田原おでんは辛子ではなく、小田原の名産品である梅を用いた「梅みそ」をつけて食べるのも特徴です。
「小田原おでん本店」の入り口
そんな小田原おでんによる町おこしの中心的存在なのが「小田原おでん本店」。住宅街に佇む古民家を改装した風情あるお店で、入り口の大きな小田原提灯が目印。こちらでは、現在販売されているおでん種を全種類扱っており、おでん種コンテストの入賞作も味わえます。
③小田原漁港直送の海の幸「漁港の駅 TOTOCO小田原」
「漁港の駅 TOTOCO小田原」外観
小田原市の南側に広がる相模湾は、日本三大深湾のひとつで、黒潮が運んでくる多彩な魚がとれる好漁場。小田原漁港に揚がる魚介は、小田原魚市場などを経由して、市内各所の鮮魚店、スーパーマーケットなどに出回ります。一年を通じておいしい地魚がいただけるのも小田原の大きな魅力です。
旬の魚介が堪能できる贅沢な丼
小田原の海の幸が一堂に会するのが、魚のテーマパーク「漁港の駅 TOTOCO小田原」。鮮魚をはじめ、干物やかまぼこなどの水産加工品が揃い、鮮魚の美味しさを味わい尽くせる食堂も完備。1階の地場物産販売コーナーでは、漁港から直送の鮮魚・活魚、水産加工品、農産物などを販売。2階には海鮮丼が名物の「小田原漁港とと丸食堂」と、魚介たっぷりのイタリアンが味わえる「バル リゾ ディヴィーノ」。そして3階には刺し身が食べ放題の食事処「おさしみ天国・小田原海鮮ゴーゴー」があります。
06| 独自の支援制度:子育て世代の交流と相談の場が充実
小田原市では、子育てを支援する・相談する場、子育て世代の交流の場などを設け、子育て世代の希望や悩みに応えています。
・子育て世代包括センター はっぴぃ
妊娠期から子育て期における相談窓口。妊娠届出書を提出する際の面接からはじまり、悩み事の相談、必要な情報の提供などをしてくれます。
・子育て支援センター
未就学児とその保護者が自由に過ごせ、仲間づくりができる子育てひろば、子育てに関する様々な講座、地域の子育てサークルなどの情報提供などを実施。市内各地域にあります。さらに未就学児の親子の交流の場として「地域子育てひろば」も開設されています。各地域の保育所などでも、子育て支援事業として「地域育児センター」を実施。
・ファミリー・サポート・センター
地域の人たちが、お互いに助け合って子育ての相互援助活動を行う組織。産前産後の家事や沐浴などの手伝い、保育施設や小学校の送り迎え、短時間の子ども預かりなどに対応してもらえます。
07| 知っておきたい家賃相場と新築物件の価格帯
神奈川県小田原市の家賃や新築物件の相場は次の通りです。
賃貸マンション・アパートの目安は下記。
2DK:55,000円
3DK:60,000円
1LDK:65,000円
2LDK:75,000円
新築・分譲一戸建ては
3,000万円台後半
から多くの物件が販売されています。
中古マンションは
築5年~15年以内:3,000万円台前半
それ以上の築年数:2,000万円台前半
となります。