公開日: 2026.07.22 最終更新日: 2026.07.23

住みたい街には理由がある。札幌で見つけた、歴史と季節を楽しむ暮らし

住みたい街には理由がある。札幌で見つけた、歴史と季節を楽しむ暮らし

都市と自然が調和した札幌の街並み

「住みたい街」と聞くと、交通の利便性や買い物環境を思い浮かべる人が多いかもしれません。でも、街への愛着は、歴史ある建物を訪れたり、四季折々のイベントに出かけたりと、日々の暮らしを楽しめる環境から育まれるもの。観光地として人気の札幌には、そんな"暮らしの豊かさ"を感じられる場所やイベントがあります。

編集部:マドリーム

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01| 季節を楽しむ

秋には北海道の味覚が集うオータムフェスト、冬には幻想的なイルミネーションとクリスマスマーケット。そして長い冬を超えた後、春にはライラックの花が咲き誇ります。

【秋】旬の味覚を楽しむ「さっぽろオータムフェスト」

秋の爽やかな気候のもと、赤・白のワインで乾杯 秋の爽やかな気候のもと、赤・白のワインで乾杯

実りの秋を迎える札幌では、街の中心・大通公園を舞台に「さっぽろオータムフェスト」が開催されます。2008年に始まったこのイベントは、道内各地の食文化を広く紹介し、北海道全体の魅力を発信することを目的としています。大通公園を中心に約1kmにわたる7つのエリアには、のべ300店舗が集結。札幌にいながら、北海道各地の味覚や食文化に出会えるのが魅力です。北海道の食を求める観光客はもちろん、札幌に住む人々にとっても秋の恒例行事となっています。

紋別市の「ずわいがに甲羅焼き」。船上の漁師の食べ方を再現しているそう 紋別市の「ずわいがに甲羅焼き」。船上の漁師の食べ方を再現しているそう

北海道には多彩な食の魅力がありますが、その土地ならではの味を楽しもうと思っても、広大な北海道では気軽に足を運べるとは限りません。オータムフェストは、新鮮な生ウニがトッピングされたウニ飯、北海道のワイナリーや酒蔵が厳選したお酒、秋の味覚が詰まったスイーツなど、各地の味覚が札幌に集まる重要な機会です。北海道ならではの味を家族や友人と囲みながら味わうひと時は、札幌の暮らしに彩りを添えてくれます。また、出店していたグルメを通じて知った土地に直接足を運べるのも、札幌市民ならではの楽しみ方です。

シェアしながら食べたい、薪窯で焼き上げるピザ シェアしながら食べたい、薪窯で焼き上げるピザ

大通公園を歩きながら旬の味覚を楽しむ。そんな何気ない時間が、季節の移ろいを暮らしの中で感じさせてくれます。日常のすぐそばに四季を感じられる風景があることも、札幌で暮らす魅力のひとつです。



札幌オータムフェスト
会期:2026年9月11日(金)~10月3日(土)
開催場所:大通公園(大通西4丁目~8丁目、10丁目、11丁目)
開催時間:10:00~20:30  ※ラストオーダーは20:00
https://www.sapporo.travel/autumnfest/

【冬】灯りが街を包む「ミュンヘン・クリスマス市 in sapporo」&「さっぽろホワイトイルミネーション」

札幌の冬を彩る「ミュンヘン・クリスマス市in sapporo」と「さっぽろホワイトイルミネーション」。1981年に日本初のイルミネーションとして始まった「さっぽろホワイトイルミネーション」と、姉妹都市・ミュンヘンとの交流をきっかけに2002年から開催されている「ミュンヘン・クリスマス市」で、12月の大通公園は幻想的な光と温かなにぎわいの場に変わります。雪が降る季節の札幌ならではのクリスマスマジックに、外は寒くても心が優しくほどけるようなひと時を過ごせます。

立ち並ぶヒュッテがクリスマスムードを盛り上げてくれる 立ち並ぶヒュッテがクリスマスムードを盛り上げてくれる

「ミュンヘン・クリスマス市in sapporo」では、ドイツから直輸入された、ヒュッテと呼ばれる木製の小屋が30以上並びます。各ヒュッテでは、クリスマスオーナメントや冬の風景を閉じ込めたスノードーム、くるみ割り人形など、本場・ヨーロッパのクリスマスでも使われるアイテムが購入できます。

可愛いクリスマスオブジェ。どんな風に飾ろうかと心が躍ります 可愛いクリスマスオブジェ。どんな風に飾ろうかと心が躍ります

アイテムだけではなく、赤ワインにシナモンなどのスパイスやフルーツを入れて温めたホットワイン(グリューワイン)や、ドイツでソウルフードとして愛される、カレー風味のソースがかかった「カリーブルスト」などのグルメも充実。ピンと張りつめた冬の札幌の空気を、ふわりとあたためてくれる味が揃います。

ヒュッテのあたたかな灯りが心を温めてくれる ヒュッテのあたたかな灯りが心を温めてくれる

クリスマス市とほぼ同時期に開催されている「さっぽろホワイトイルミネーション」では、札幌の街で約77万個のイルミネーションが輝きます。大通会場をはじめ、駅前通会場(JR札幌駅からすすきのまでの通り)、南一条通会場などの複数の会場にわかれているため、冬の散歩を楽しみながらイルミネーションスポットを巡るのもおすすめです。

さっぽろテレビ塔とライラックオブジェが幻想的 さっぽろテレビ塔とライラックオブジェが幻想的

大通会場では、区画ごとにテーマが異なるオブジェが登場。翼をあしらったシンボルオブジェや市の木であるライラックオブジェ、雪の結晶をモチーフにした光のトンネルなど、まばゆい光と雪景色の競演に幸せな気持ちになれます。

大通公園の象徴である噴水が冬の間は光に包まれる 大通公園の象徴である噴水が冬の間は光に包まれる

週末に家族と、会社帰りに友人と。冬の札幌ならではの風景のなか、心がときめくひと時を体験できます。

※イベント内容は2025年の内容を参考にしています。
「さっぽろホワイトイルミネーション」及び「ミュンヘン・クリスマス市 in sapporo」は、2026年度にリニューアルを予定しておりますので、詳細情報については各イベントの公式サイトよりご確認ください。

札幌テレビ塔から見た、光に包まれる大通公園 札幌テレビ塔から見た、光に包まれる大通公園



さっぽろホワイトイルミネーション
会期:2026年11月20日(金)~ 2027年3月14日(日)予定
開催場所:大通会場、駅前通会場、南一条通会場、札幌市北3条広場(アカプラ)会場、札幌駅南口駅前広場会場(予定)
https://www.sapporo.travel/white-illumination/event/illumination/

ミュンヘン・クリスマス市in sapporo
2026年の詳細は決まり次第公式サイトで発表
https://www.sapporo.travel/white-illumination/event/munich/

【春】ライラックの香りに心が弾む「さっぽろライラックまつり」

札幌に本格的な春の訪れを告げる「さっぽろライラックまつり」。1959年、「ライラックの花が咲き揃う季節に文化の香り高い行事を」という呼びかけから始まり、今では札幌の春を代表する風物詩として親しまれています。長い冬を越え、街が少しずつ色づき始める5月下旬。ライラックの花の香りを楽しみながら公園を散策し、ベンチでひと息つく人々の姿は、札幌ならではの春の風景です。

約400本のライラックが咲き誇る大通会場 約400本のライラックが咲き誇る大通会場

会場は大通公園を中心とする「大通会場」と札幌市白石区の「川下会場」の2か所。大通会場には、音楽を聴きながらカフェでくつろぐスペースや北海道産ワインを味わえるスペースがあり、都市の中心で爽やかな風に包まれるようなひと時を過ごせます。川下会場ではライラックの森を巡るスタンプラリーや川下コンサートも開催。さまざまな品種のライラックが咲き誇り、市の木でもあるライラックをより身近に感じられます。

大通会場ではカフェのようなスペースでスイーツや軽食を味わえる 大通会場ではカフェのようなスペースでスイーツや軽食を味わえる

近づくとふんわりと感じられる、優しく爽やかな香りのライラックの花。その透明感と甘さを感じられる香りは、心身を癒すといわれます。精油として取り出すことが難しい花ですが、だからこそ、花が咲くこの季節に、公園を歩きながら漂う香りを楽しめるのは、札幌ならではの贅沢です。

花びらは通常先が4つに割れていますが、まれに5つに割れているものもあり、「ハッピーライラック」と呼ばれます 花びらは通常先が4つに割れていますが、まれに5つに割れているものもあり、「ハッピーライラック」と呼ばれます

季節の花が街に咲き、その変化を日常の中で感じられることも、札幌で暮らす魅力のひとつ。ライラックまつりは、春を待ちわびる気持ちを街全体で分かち合う、札幌らしいイベントです。

※イベント内容は2026年の内容を参考にしています



さっぽろライラックまつり
会期:2027年5月下旬(予定)
開催場所:大通会場、川下会場(予定)
※会期と場所は決まり次第公式サイトで発表
https://www.sapporo.travel/lilacfes/

02| 歴史を楽しむ

【歴史】時を重ねた建物が、新しい日常へ。赤れんが庁舎が紡ぐ札幌の暮らし

札幌には、長く街を見守り続けてきた建物があります。それが、北海道のシンボルともいえる赤れんが庁舎。2025年7月25日に大規模リニューアルを経て再び開館し、歴史的な空間を守りながら、新たな楽しみ方も加わりました。時代を超えて受け継がれる建物が、いまの暮らしとどのようにつながっているのか。その魅力をご紹介します。

歴史を受け継ぐ、札幌のシンボル

リニューアルした赤れんが庁舎外観。屋根銅板は年月を経て緑青色になっていくそう リニューアルした赤れんが庁舎外観。屋根銅板は年月を経て緑青色になっていくそう

1886(明治19)年に着工し、1888(明治21)年に完成した赤れんが庁舎。屋根中央部の八角塔の頂部までの高さは約33mと、明治中期における煉瓦造洋風建築としてはかなり大規模なものだったそうです。1909(明治42)年の火災を乗り越え、1911(明治44)年に復旧。さらに1968(昭和43)年には創建当時の姿をよみがえらせる復原改修が行われました。そして、2025(令和7)年、新たな一歩を踏み出しました。

赤れんが庁舎は、重要文化財として指定を受けた、北海道を代表する歴史的建造物。使われている250万個ほどのれんがはすべて北海道産です。れんがの積み方は、「フランス積み」と呼ばれるもので、れんがの長い側面と短い端の面が交互に積まれ、華やかな印象を与えます。その赤れんがならではの優雅な佇まいは、北海道の開拓の歴史を伝える象徴として、長年札幌市民に親しまれてきました。歴史ある建物が、特別な場所ではなく、日々の風景として街に溶け込んでいることも、札幌の大きな魅力です。

生まれ変わった赤れんが庁舎

正面入口から。赤い絨毯がレトロ 正面入口から。赤い絨毯がレトロ

2025年7月のリニューアルでは、屋根の葺替えや壁の欠損部の修復などの保存修理、れんが材に鋼材を挿入する耐震改修、バリアフリー化が行われました。内装の意匠など細かな部分も現存する資料を元にして過去の姿を復原。敷きなおした赤い絨毯やシャンデリアなど、明治時代にタイムスリップしたような空気が漂います。

また、これまで公開していなかった、赤れんが庁舎のシンボルである八角塔に登れるツアーが開始。展望バルコニーからは正面に北3条通がのび、開放的な札幌の街並みを体感できます。



赤れんが庁舎(北海道庁旧本庁舎)
住所:札幌市中央区北3条6丁目1番地
開館時間:8:45~21:00(最終入館 20:30)
休館日:年末年始(12月29日~1月3日)、施設点検日
入館料:一般300円 大学生・高校生200円 ※中学生以下無料
※八角塔観覧ツアー料金:1,200円(小学生以上)※1日4回(1回あたり最大7名)
https://www.hokkaido-redbrick.jp/

初のレストラン「HOUSE.H」が誕生

リニューアルの目玉として誕生したのが、赤れんが庁舎初のビストロ「HOUSE.H」です。ブランチからランチ、アフタヌーンからディナーまで、歴史ある空間で地元食材を生かした料理が味わえます。

「HOUSE.H」内観。落ち着きのある配色が心地よい時間を約束してくれる 「HOUSE.H」内観。落ち着きのある配色が心地よい時間を約束してくれる

新鮮な野菜を塩とバターというシンプルな味付けで食べる「北海道 大地のサラダ」や、蝦夷鹿肉のハンバーグに北海道の大地を象徴するハスカップソースをかけた「蝦夷鹿肉のハンバーグ ハスカップソース」など、北海道出身の下國伸シェフによる料理は、北海道産の食材を主役に、その土地ならではの魅力を一皿に表現した料理が並びます。

「蝦夷鹿肉のハンバーグ ハスカップソース」。じゃがいものピューレを添えて 「蝦夷鹿肉のハンバーグ ハスカップソース」。じゃがいものピューレを添えて

「北海道 大地のサラダ」は、野菜本来の甘みとうま味を感じられる 「北海道 大地のサラダ」は、野菜本来の甘みとうま味を感じられる

休日にちょっとごちそうランチを食べたい時も、赤れんが庁舎を散歩した後にひと息つきたい時も。赤れんが庁舎のなかで、この土地ならではの料理を味わう時間は、札幌の暮らしを少し豊かにしてくれそうです。歴史的建造物を「眺める場所」から、「食事をし、それぞれの時間を過ごす場所」へ。赤れんが庁舎の新たな魅力は、札幌の暮らしにまたひとつ、心地よい居場所を増やしてくれました。



HOUSE.H(ハウスエイチ)
札幌市中央区北3条6丁目1番地 赤れんが庁舎1階
営業時間 8:45~21:00 (LO.20:30)

03| 暮らしを楽しむ街とは

暮らしを豊かにしてくれるのは、インテリアばかりではありません。花の香りに春の訪れを感じたり、旬の味覚を囲んで笑顔になったり、冬の灯りに足を止めたり、歴史ある建物でゆっくりと食事を楽しんだり。そんな時間の積み重ねが、その街への愛着を育んでいきます。

四季を楽しみ、歴史を未来へつなぐ札幌には、「住みたい」と思わせる理由が、暮らしのあちこちに息づいていました。

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