ステイホームの日々が続くにつれ、おうちでの楽しみ方の幅も増えてきましたね。その一つが「食」。とくにパンのお取り寄せが注目されるなど、パンブームはまだ続きそうです。特別な日の高級パンもよいけれど、毎日の朝ごはんにも美味しいトーストを食べたいもの。そこで、市販の食パンにひと手間加えるだけで手軽にできるアレンジレシピを、バタートースト評論家の梶田香織さんに教えてもらいました。
バタートースト評論家:梶田香織
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想像以上に長く続く、このところの食パンブーム。これだけ続いているのは、食パンの奥深さに気づいた方が増えたということではないでしょうか。「あら? 食パンってこんなに美味しかったっけ」「あちらのお店はどうかしら」「もっと美味しい食べ方は?」と、知らず知らずのうちにのめり込んでいってしまうんですよね。そう、食パンを美味しく食べる方法って、いわばエンドレス。そのシンプルな美味しさを深く追求することもできますし、ジャムをぬったりサンドイッチにしたりピザトーストにしたりと、アレンジのバリエーションを増やす楽しみもあります。
今回はそのアレンジバリエーションの中から、簡単にできて美味しいレシピを4つご紹介します。どれも材料が手に入りやすく、簡単に作れるものばかりです。お子様やご家族と一緒に作って食べるのはもちろん、一人ぼっちのリモート生活にちょっと疲れてしまった方も、トーストで笑顔になっていただければ嬉しいです。
01| バタートースト作りのポイント
まずは、土台となるバタートーストが美味しくないといけません。そのコツがこちら。
ポイント① 準備を整えてとにかく手早く作る
せっかくサクッと焼けたパンがしんなりしてしまっては台無し。使う材料や載せるお皿などは全て準備しておいて、焼けたらできるだけ早く食べ始められるようにしましょう。
ポイント② バターはやわらかくしておく
食パンが焼けたら、一秒でも早くバターをパンの表面にぬり広げるのがポイント。使う分だけ常温に出しておく、ラップに包んで手で揉むなど、マヨネーズに近いくらいのやわらかさにしておくと、手早くぬることができます。
02| アレンジレシピ① ベリーゴージャストースト
ドライフルーツの濃い味でジャムの味がリッチに。クランベリーのシャキッ、ジュワッとはじけるような食感が楽しく、豪華に感じるジャムトーストです。
【材料】
5枚切り角型食パン ……1枚
バター(有塩)……10g
ドライクランベリー……20g
りんご100%ジュース……適量
いちごジャム ……25g
【作り方】
1.クランベリーがほぼ漬かるくらいまでリンゴジュースを注ぎ、冷蔵庫に入れて最低でも2時間置く。朝に食べるなら前の晩から準備しておくとよい。
2.食パンに×印の切り目を入れる。
3.食パンをトーストしたらバターを手早くぬり、その上にいちごジャムもぬる。
4.クランベリーをフォークで掬い取ってジャムの上に広げて完成!
クランベリーの水分は拭き取らずそのままジャムの上に載せてOK。よりジューシー感が増します。食パンは焼き過ぎない方が全体的にふんわりやわらかく食べられます。
また、トーストする前に切れ目を入れるのは、パンをちぎって食べやすくするためです。具がたくさん乗っているときに、パンがうまくちぎれずせっかくの具が落ちてしまう、ということがよくあります。そうならないためのひと手間です。
03| アレンジレシピ② サマーマーマレードトースト
ドライフルーツのレモンを使うことで、マーマレードトーストのフレッシュ感が抜群にUP! 高原で食べたくなるような、夏におすすめのトーストです。
【材料】
5枚切り角型食パン……1枚
バター(有塩)……10g
ドライレモン(輪切り)……3枚ほど
りんご100%ジュース……適量
マーマレード……30g
【作り方】
1.調理する前日に、ドライレモン3枚を6等分にカットしてリンゴジュースに漬ける。翌朝まで冷蔵庫で保存。
2.食パンに×印の切り目を入れる。
3.トーストしたらバターを手早くぬり、その上にマーマレードをぬる。
4.レモンをパンに載せて完成!
レモンの食感をより楽しみたいなら、リンゴジュースに漬ける時間は3~4時間でもOK。トーストしすぎない方がさわやかさを感じられますが、マーマレードが深みのある濃い味の場合は、食パンを強めに焼いた香ばしさもマッチします。マーマレードの味が濃いものは色も濃い場合が多いので、見分けるポイントになりますよ。
04| アレンジレシピ③ シュガージュワーバタートースト
砂糖の甘さがジュワっと口の中に広がる、大人も子供も大好きな甘~いトースト。でも普通のシュガートーストとは違って、くどい甘さはありません。なぜかさわやかに感じる味にきっとびっくりしますよ。
【材料】
5枚切り角型食パン……1枚
バター(有塩)……10g
砂糖(上白糖)……10g
カルダモン(スパイス)……適量
【作り方】
1.ラップを広げ、食パンくらいの大きさに上白糖を広げる。トースト用トレイを使うと便利です。
2.食パンをトーストし、焼けたらすぐにバターをぬる。
3.バターをぬった面を下にして、広げた上白糖にかぶせるようにのせて上白糖を一気にトーストに付ける。
4.トーストをお皿に載せたら、カルダモンを全体に振って完成!
カルダモンの量はお好みですが、初めは少なめにしておき、食べながら足していくのがおすすめ。塊になったり多くなりすぎたりしないよう、振りかかり具合を見ながら、白コショウを振るときのような感覚で全体にうっすらきれいにかかるとGOODです。
05| アレンジレシピ④ アヒージョバタートースト
味のバランスが取れたシーズニングを使うため、失敗がない美味しさです。食事にもおつまみにもぴったり。シンプルな原材料で作られたタイプの食パンをこんがり焼いて、ザクザクッと食べるのがおすすめです。
【材料】
6枚切り山型食パン……1枚
バター(有塩)……10g
アヒージョの素(シーズニング)……適量
【作り方】
1.食パンをトーストする。
2.焼けたらバターをぬる。
3.アヒージョの素を振りかけて完成!
シーズニングのタイプによってはフォークに載せて振りかけると均等に振りかけやすくなります。最近はサラダ用のシーズニングなどもたくさん売られているので、いろいろと試すのも楽しいですよ。
06| おわりに
今回のように濃いめの味付けで食べる場合、高級店のものでなくても、スーパーやコンビニエンスストアで手軽に手に入る普通の食パンで十分です。ジャムも、果肉が少なめの安価タイプでもバッチリ。その方がドライフルーツの美味しさや存在感がより引き立ちます。
食パンは、その食パンに合った食べ方をするのが賢い楽しみ方です。奮発して高価格帯の食パンを買ったときは、パン生地の味そのものを味わうのが醍醐味。味に特別な特徴がなかったり、せっかく買ったけど自分の好みに合わなかった……、という場合は、今回のようにアレンジして食べればそのパンの特徴を逆に活かすこともできるのです。どんな食パンも最後まで美味しく食べてあげてくださいね!
この記事を書いた人
梶田香織 バタートースト評論家