ライター:鈴城久理子
狭い場所でも楽しめて、インテリアとしても魅力的なボトリウム。vol.2では、メダカ飼育のプロである「東京アクアガーデン」のぶっちーさんに立ち上げ方を指南してもらいました。
「レイアウトのコツは手前に低いものを、奥に高さのあるものを置くこと。そして手前を少しあけておくとメダカが見やすくなります。底砂と水草のほかに流木や石を使うほうが、景観がよくなりますよ」とぶっちーさん。具体的にご紹介します。
01| STEP1:必要なものを揃えよう
- 球体のボトル
- 底に敷く砂や石
見た目もおしゃれな球体をチョイス(左)。底に敷く砂や石は種類も豊富(右)
球体のボトルは水の中の水草や流木などが幻想的に見え、メダカがより魅力的に映るのが特徴。「底砂や底石は色も粒の大きさも豊富なので、インテリアやメダカの品種に合わせて選んでください」。
- 石や流木
- 水草
石や流木もぜひ加えたいアイテム(左)。酸素をつくったり、メダカの産卵場所になる水草(右)
「ボトリウムに使う流木や石は、大きすぎないものを選んでください。あらかじめ洗ってから配置しましょう。水草はメダカのフンなどから発生する硝酸塩を吸い取ってくれるだけでなく、メダカが落ちつける隠れ家にもなります」。
- メダカ
- 網やピンセットなど
ここではメダカを別の容器に入れていますが、購入したときの袋のままスタンバイするのがよいそう(右)。ピンセットは長めがおすすめ(右)
今回選んだメダカは、育てやすいヒメダカ、白メダカ、楊貴妃メダカの3品種。「メダカをすくうときに使う網や水草を植えるときに使うピンセットがあると便利です」。
- カルキ抜き
- 水槽用ライト
水のカルキ抜きに使用するハイポ(左)。ボトルの中をよく見たいならライトは必須(右)
「カルキ抜きはメダカを守るために必要なもの。水道水に入れてしっかりと溶かして、飼育水をつくります。ライトは景観をよくするだけでなく、水草を育てたり、メダカのバイオリズムを整えるためにも大切です。点灯時間は1日のうち8~10時間を目安にして、人間の体と同様に昼と夜のメリハリをつけるようにしてください」。
02| STEP2:ボトルに底砂や水草をセッティングしよう
ボトル内の水が濁らないよう砂を洗っておくのがポイント(左)。流木と石をバランスよく並べて(右)
「砂は洗っておき、ボトルに入れたら少し水を加えて平らにします。浅いと水草の根が張らないので、根を張れるくらいの深さにしましょう。次にいちばん高さのある流木を置き、大きい石を奥に、小さい石を手前に配置して砂にしっかりと埋め込みます」。
水草はピンセットで根の部分をつまみ、砂に植え込んでいきます
流木と石のまわりに水草を植え込んでいきます
次は水草を植えます。今回はマツモ、バリスネリア、アヌビアスナナ、ミクロソリウムの4種類。初心者にもおすすめの水草だそう。「水草を植えるときも、奥が高く、手前が低くなるようにします。手前には植えず、空間をあけておきましょう」。
03| STEP3:水とメダカをボトルに入れよう
立ち上げのときは水道水でOK。カルキ抜きを忘れずに! 水温は22~23℃くらいが理想
水を入れるときは、カップなどを使ってゆっくりと入れていきます。「勢いよく入れると砂が舞って水草が浮き上がってしまうので、流木や石にかけるようにして少しずつ入れてください。最後にメダカを入れるので、その余地を残しておきましょう」。
メダカを入れるときに大切なのは水合わせをすること。「購入時にメダカが入っている水と、これから飼う水道水の水質が違うため、メダカがショックを受けてしまう恐れがあります。ボトルにカルキを抜いた水道水を少しずつ入れて、水質を合わせてください」。
水合わせの方法はいくつかありますが、基本的なやり方は以下のような手順だそう。
1.購入した袋のまま、水槽の水に30分~1時間ほど浮かべて水温を合わせる
2.袋を取り出し、袋を開けてバケツなどに水ごとメダカを移す。バケツから水を1/3ほど捨て、捨てた分だけ水槽の水をゆっくりと混ぜる
3.バケツからメダカだけを網ですくって水槽に入れる
メダカを入れたら完成! ボトリウムは1匹ずつじっくり観察できるのも魅力
最後にメダカを入れたらボトリウムのできあがり!
「水はできるだけ多いほうがいいので、ギリギリまで入れてOKです。場所を移動する場合は少なめに入れておき、場所を移してから水を入れてください」。
日々のメダカのお世話のコツは、水をできるだけクリーンにしておくこと。
「ろ過装置をつけない場合は、残った餌やフンをスポイトでこまめに吸い上げてください。水換えは週に2~3回、水の1/3くらいをコップなどですくって入れ替えましょう。『今日も元気かな?』『病気していないかな?』と毎日観察していると、メダカも応えてくれますよ。まさに小さな家族といったところ。愛情を注ぎやすいのもボトリウムのよさだと思います」。
教えてくれたのは…
「東京アクアガーデン」 ぶっちーさん
熱帯魚水槽のレンタル・リースなど、アクアリウムを身近にしてくれる「東京アクアガーデン」のアクアリスト。公式YouTube「トロピカチャンネル」を主宰し、アクアリウムについていろんなレクチャーをしています。困ったことがあったら、ぜひ視聴してみてください!
東京アクアガーデン
URL:https://t-aquagarden.com/
トロピカルチャンネル
URL:https://www.youtube.com/channel/UCF9YeRTzgNI3NMUf9xk1h0Q
この記事を書いた人
鈴城久理子 ライター
雑貨紹介や料理、インテリアなど暮らし系の記事を中心に執筆することが多いライター。ただいまメダ活実践中。