前回の散策&ランチ編に続き、vol.2はちょっと足をのばして三軒茶屋駅の隣、西太子堂へ。三軒茶屋駅周辺に比べるとずっと静かで閑静な住宅街といった雰囲気なのですが、地元民もわざわざ通いたくなるというお店やスポットが点在しています。さて、どんな出会いが待っているのでしょう。
ライター:鈴城久理子
01| 「キャッツミャウブックス(Cat's Meow Books)」で猫店員に会う
閑静な住宅街の一角に佇む書店。入店する前から猫に出会えます
ランチを完食し、腹ごなしをしながら西へ向かって歩くこと約10分。目的地は猫本専門店の「キャッツ ミャウ ブックス」です。ここは、ぜひとも訪れてみたいと思っていたお店のひとつ。住宅街の細い路地を進んだところにあったのは、こぢんまりとした一軒家。控えめながらも可愛らしい猫の看板や置物が目に飛び込んできました。
外観からは予想もしなかったほど、店内には大量の猫本が!
扉を開けると、出迎えてくれたのは猫と本とビールをこよなく愛する店主の安村さん。この書店をオープンしたのは2017年だったそう。「本屋と保護猫がお互いに助け合える街の本屋さんになればいいなと思って始めました。猫は店員となって本屋を手伝い、売り上げの10%を保護猫活動に寄付するという仕組みをつくっています」。
扱っているのはすべて猫が登場する本で、新刊のほか、古本や作家ものの雑貨、猫グッズなども取り扱っています。
本のほか、猫をモチーフにしたさまざまなグッズも販売中
猫本があちこちに並べられ、猫好き&本好きの人にはたまらない空間。驚いたのは、そのジャンルの幅の広さ!猫の写真集、猫が登場する絵本や小説などは想定内でしたが、音楽に量子物理学の本、ボードレールの詩集、さらにはパレスチナ問題のマンガなども。この世に猫が登場しないジャンルはないのかも、と思わせるほどの品揃え。
また、店内でビールやコーヒーを飲みながら本を探すことができるとあって、ついつい長居したくなる空間です。
文庫本や古本のほか、作家もののアート、雑貨などもあり、見どころがいっぱい
店内はドアを挟んで2つに分かれていて、奥は文庫本や古本などのコーナーになっています。ドアを開けてスリッパに履き替えて中に入ると、本や雑貨がずらり。猫店員はいつもこちらで接客をしているそう。本棚はキャットウォークを兼ねていて、猫店員が自由に動けるようなユニークな設計です。猫店員は3匹で、本日は2匹だけとのこと。さて、どこで働いているのでしょう?
「寝顔を見てもらうのも、猫店員の立派な仕事なんです!」
本を眺めていると、目に留まったのは猫店員専用デスク。スヤスヤ寝息をたてて眠っているのは、黒猫のさつきちゃん。ようやく会えました!
「猫店員の仕事は接客のはずなんですが、寝ている姿を見せてくれるだけでも、僕の仕事を手伝ってくれています」。あまりの寝顔の可愛らしさに「この子、家に連れて帰りたい……」とうっかり口をすべらせてしまったところ、「だめですよ。うちのファミリーなんですから」と優しく笑う安村さん。すべての保護猫がこんなに幸せになるといいな、と思ってしまいました。
「しっぽだけ振るのも、猫店員の立派な仕事なんです!」
もう1匹、ほんの少し登場してくれたのは、天井からしっぽだけ振ってくれたなつめちゃん。ここは2階へと続く猫専用の出入り口なのだそう。残念ながらしっぽだけで、顔は見せてくれませんでした。
残りの猫店員、長毛種のあおいちゃんは姿を一度も見せず。次に遊びに行ったら、会ってくれるといいなと願いつつ、お店を後にしました。
猫好きの姉へのお土産に購入。仁尾智さんの猫短歌集(1,870円)(左)。ドリップバッグコーヒー(各216円)とマスキングテープ(715円)(右)
ここでもお土産をゲット。購入したのは、保護猫を飼っている姉へのプレゼント。
ひとつめは、安村さんのおすすめで猫歌人である仁尾智さんの猫短歌集で、ほかに3種類のドリップバッグコーヒーと、町田尚子さんの「なまえのないねこ」のマスキングテープをチョイス。どれもパッケージがおしゃれで、自分用にも購入してくればよかったと後悔したほどでした。
キャッツミャウブックス(Cat's Meow Books)
所在地:東京都世田谷区若林1-6-15
電話:03-6326-3633
営業時間:11:00~19:00
定休日:月曜・火曜
URL:https://twitter.com/CatsMeowBooks
02| 「太子堂八幡神社」でおみくじ引き
神社にのんびり向かう途中、道端に咲いているきれいなアジサイを撮影
次の目的地は西太子堂に鎮座する「太子堂八幡神社」。路地裏を散策しながら住宅街を歩いていると、道端に咲く美しいアジサイが目に留まりました。「アジサイの季節なのね」と思わずパチリ。
清浄清境の社と言われる八幡さまに近づくにつれ、何だか心が洗われるような気持ちになります。
ご神木の緑に囲まれた本社。おみくじや絵馬を求めてくる人の姿も
清浄清境の社や、厄除けの神として知られる「太子堂八幡神社」。うさぎの神社としても有名で、地元民からも愛されている神社です。また、ドラマのロケ地として使われたこともあるのだとか。
鳥居をくぐり、児童公園や手水舎、神楽殿などを眺めながら境内を進んでいくと、見えてきたのは立派な本社。隣にはみくじ・絵馬所があったので、お参りのあとに立ち寄ってみることにしました。
おみくじ(100円)を開けてみると、「中吉」の文字が
お参りが終わり、さっそくみくじ・絵馬所へ。神社に来ると、なぜか引きたくなるおみくじ。お正月に神社にお参りに行くと必ず引いて、その年の運勢を占っているのですが、今年は初詣以来の2回目。「凶」が出たらイヤだな、と思いつつ開けてみると「中吉」とありホッ。今年の下半期も何だかうまくいきそうなポジティブな気持ちにさせてくれました。
03| レトロな世田谷線で三軒茶屋駅に戻る
心を和ませてくれる、線路沿いに咲いた鮮やかな花
お参りが済み、住宅街を縫って今度は最寄りの「西太子堂駅」へ。三軒茶屋駅までは東急世田谷線でひと駅というものの、なかなか乗車する機会のない路面電車なので乗ってみることにしました。乗車時間はたったの2分。とても短いけれど、車窓からのんびりした眺めを楽しむことができます。
電車のレトロなデザインも、この東急世田谷線の魅力のひとつ
あっという間に三軒茶屋駅に到着。出発した東急田園都市線の駅からやや離れているので、見えてくる風景も朝とは異なるよう。まさにショートショートトリップでした。
04| まとめ
猫本専門店やうさぎの神社など、西太子堂は動物関連のスポットが多いよう。最終回のvol.3では茶沢通りで見つけたお店などを紹介します。
この記事を書いた人
鈴城久理子 ライター
雑貨紹介や料理、インテリアなど暮らし系の記事を中心に執筆することが多いライター。ただいまメダ活実践中。