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2021.07.30

【Withコロナの家づくり】Vol.1 コロナ禍で暮らし方の意識に変化? ニューノーマルな暮らしとは

新型コロナの流行に伴って、変化してきた住宅事情。都市への一極集中から郊外へ向かう動きが出てきた、ワークスペースが必要で広い家に引っ越す人が増えた、など色々といわれていますが、実際のところどうなのでしょうか? 様々な調査結果などから「ニューノーマル」な暮らしとは何か、読み解いていきましょう。

ライター: 殿木真美子

ライター: 殿木真美子

在宅ワークの急増で「どこに住むか」の基準が変わった!

▲内閣府「第3回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」より作成 ▲内閣府「第3回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」より作成

新型コロナウイルスの影響で、不動産や住宅の事情、住まい、暮らし方への意識など、様々な変化が起こっています。都心では、在宅ワークの普及によってオフィスビルの需要が大幅減となり、都内の大学がオンライン授業主体になったことで学生向け賃貸住宅の空室が目立つなど、大きなダメージを受けました。

なかでも、暮らしに大きな影響を与えているのが在宅ワーク。内閣府の調査によると、在宅ワークの実施率は全国で約3割、東京23区で5割強。都心部ではコロナ前に2割以下だった在宅ワーク率が、コロナを機に一気に加速しました。週に1回程度という人からほとんど出社しないという人まで頻度は様々ですが、それぞれの事情で今までの住居に物足りなさや必要性のなさを感じているようです。

例えば、「家で仕事をする環境を整えるためにもっと広い家に引っ越したい」とか、「月に数回出社するだけなら都心に住まなくてもいいかも」など、在宅ワークが住宅環境を考え直すきっかけとなっているのです。職場を中心に考えていた家選びの基準が変わりつつあることがわかります。


ファミリー層や高齢者は郊外へ、単身者やDINKSは都心回帰の傾向あり

▲自然が身近にある湘南エリアに引っ越しを考える人は多い ▲自然が身近にある湘南エリアに引っ越しを考える人は多い

賃貸住宅の市況では、神奈川県湘南地区など一部の地域の人気が高まっていて、都心から少し広めの郊外へ移住する動きが見られています。大東建託による「新型コロナウイルスによる意識変化調査」によると、賃貸派は身軽に近場の郊外へ、持ち家派は2拠点生活を検討している、という傾向もあるようです。地方にもう一つ家を持ってワーケーション、というのも夢がありますよね。

一方で、変わらず都心を志向する人もいます。今、都心の新築マンションは安定して売れていて、中古マンションは欲しい人に対してストックが足りない状況になっているそうです。郊外や地方への移住を考える人がファミリー層や高齢者層なのに対して、都心志向なのは単身者やDINKSなど。在宅ワークが常態化していても、たまに出社する必要があるならやはり近場に住みたい、と考えるのでしょうか。

いずれにしろ、毎日職場へ通う必要がなくなったことで、立地への制約が少なくなり、家探しに多様性が増したということが言えます。

暮らし方も在宅ワークで大きく変わった!

新型コロナウイルスは、私たちの暮らし方にも変化をもたらしました。
在宅ワークや巣ごもり生活が当たり前になったことで、家時間が増え、家族で過ごす時間をより大事に考えるようになっています。

旭化成ホームズくらしノベーション研究所による「在宅ワーク・夫と妻のニーズ」調査報告では、週1回以上の在宅ワークが定着していること、家族と過ごす時間や睡眠時間、夫が家事に参加する時間が増えていることなどが見てとれます。

▲旭化成ホームズくらしノベーション研究所「在宅ワーク・夫と妻のニーズ」より作成 ▲旭化成ホームズくらしノベーション研究所「在宅ワーク・夫と妻のニーズ」より作成

家族全員で食卓を囲んだり、家族でコミュニケーションをとる機会が増えたり、夫の家事時間が増えたりするのはポジティブなことですが、夫婦2人とも在宅ワークで子どもはオンライン授業となると、これまでの間取りでは対応しきれない場面が出てきます。テレビ会議中はほかの家族が部屋に入るのもためらわれ、生活に不便を感じた人もたくさんいることでしょう。

そのため、ワークスペースは今後家づくりの重要な要素となる可能性があります。完全個室型、リビングやダイニング一体型など、ハウスメーカー各社は様々に工夫を凝らした商品を展開するようになりました。

家時間の増加で「家族みんなで考える家づくり」が主流に

▲小さな子どもがいる家庭で在宅ワークをするのはひと苦労 ▲小さな子どもがいる家庭で在宅ワークをするのはひと苦労

住宅業界では、「女性に気に入られる商品づくり」が長らくテーマとなっていました。日本では、男性の就業時間がとても長く、必然的に妻が家事や育児を担うことになるので、家選び(特に間取りや使い勝手)の基準を妻にゆだねる夫も多かったのです。

しかし、在宅ワークやオンライン授業で夫も子どもも家にいることが増えた今、家選びは妻の基準ではなく、みんなの希望を取り入れる形になっていくと思われます。例えば、キッチンはみんなで作業ができる広さにするなど、夫や子どもの使い勝手も取り入れた家づくりが当たり前になっていくのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたか?「ニューノーマル」な暮らしは、在宅ワークの影響で立地選びに多様性が増していることがわかりました。住まい方では、ワークスペースの確保だけでなく、家時間の増加によって家づくり全体に変化が見られましたね。新型コロナウイルスはとても厄介なウイルスですが、一日でも早く終息し、家族みんなが楽しい家時間を過ごす「ニューノーマル」な暮らしがやって来ることを願っています。

【Withコロナの家づくり】Vol.2
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