パントリーで思い出すのは、トム・ハンクスとメグ・ライアン主演の『めぐり逢えたら』という映画。作品の中でメグ・ライアンがキッチンで隠れて電話をしていて、受話器を持ったまま収納に自分ごと入ってしまうシーンです。映画の主な舞台は、サム(トム・ハンクス)が住むシアトル。シアトルの景色はもちろん、家の設えやインテリアも見ごたえのある作品でした。
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01| パントリーとは?
Pantryを直訳すると食糧貯蔵室なので、一般的にはパントリーとはキッチンの近くの食品や調理器具、食器などを収納する場所のことを指します。現在パントリーを希望される方は非常に多く、(シューズボックスとは別に)玄関収納を設ける以上に設置されるケースは多くなっています。それだけ重宝されているということですね。
キッチンのそばにパントリーがあると家事がスムーズ
02| パントリーのタイプ
パントリーのタイプとしては大きくは3つあります。
(1)壁に面して収納するタイプ
(2)中に入るウォークインタイプ
(3)通り抜けられるウォークスルータイプ
各タイプにそれぞれ大きさや形があるので、バリエーションは多岐にわたります。
壁に面して収納するタイプは、計画性が重要
壁面に設置したパントリー
最もシンプルなのは、(1)の「壁に面して収納するタイプ」で、壁面に沿って幅90㎝から180㎝くらい、奥行きが45㎝くらいの空間に可動棚を設置し、扉で覆うものです。このサイズですと、メグ・ライアンのように電話をもって入るのはきついので、入れるものをある程度想定して、自分にとって使い勝手のよいタイプで計画することが大切です。
「中に入るウォークインタイプ」&「通り抜けられるウォークスルータイプ」
(2)(3)の両タイプとも人が立つスペースが必要になるので、物が置かれる以外のスペースが必要となります。キッチンスペースに余裕がないとキッチン自体が狭くなってしまい、収納はあっても調理しづらいといった本末転倒になりかねないので要注意です。
人が入れるタイプ。壁に面したタイプよりも収納力が高い
03| パントリーに扉は必要?
壁面に設置する場合は、収納内がダイレクトに見える配置が多いため、扉をつけるケースが多いです。対して、ウォークインタイプは設置位置によっては収納内が見えにくい場合もあり、扉をつけない方もいらっしゃいます。備蓄庫としてではなく頻繁に利用する場合は扉無しの方が、出入りがスムーズで便利です。
扉があるタイプのパントリー
04| 最近人気のパントリーは?
近頃では、パントリーをさらに大きくして、これまで対面キッチンの後ろに置いていたカップボードも含めて、全てのバックヤードとしてパントリーを設置する方もいらっしゃいます。電子レンジ等の調理家電、食器、備蓄用食材、冷凍庫すべてを納めて、使わないときは扉で隠してしまい、キッチンだけを際立たせようというスタイルです。
このように、パントリーの形にこだわったり、大きめのものを計画される方は、壁紙にビビッドな色やかわいらしい柄を選ばれたりします。そうなると、パントリーはもはや単なる収納スペースではなく、キッチン同様、料理をする方の大切な場所になっているといえるでしょう。
これから新築やリフォームでキッチンのレイアウトを検討される方は、パントリースペースについてぜひご一考くださいませ。
パントリーの位置や大きさをしっかり検討して、快適な空間に