渋谷から電車で約5分。利便性が高く若者が集まる人気スポットでありながら、昭和の名残が色濃く反映されている三軒茶屋。“三茶”の愛称で親しまれているこの街には、個性豊かな商店街が点在し、路地裏に入れば数えきれないほど小さなお店が密集しています。
今回から3回にわたり、下町っぽさとモダンさが同居した独特なこの街をぶらりと歩いて見つけた、地元民が集まるお店やスポットを紹介。vol.1では、三軒茶屋のプチ歴史と駅周辺の楽しみ方を解説します。
ライター:鈴城久理子
CONTENTS
01| 三軒茶屋駅から散策開始
本日の散策は東急田園都市線の三軒茶屋駅からスタート
駅の階段を上がって外に出ると、国道246号や世田谷通りに面しているせいか、とてもにぎやかな雰囲気。久しぶりの三軒茶屋とあって、迷子にならないよう緊張しつつ散策開始です。
02| 住みたくなる街、三軒茶屋のルーツを知る
駅入り口のすぐそばに建てられた大山道の道標
まずは、世田谷通り口にある「大山道の道標」で、三軒茶屋の歴史をちょっとだけひもといてみましょう。看板に書かれている解説をかいつまんでみると、大山道とはかつて江戸町人などが大山詣りに利用した古道とのこと。その案内として1749年に建てられ、1812年に再建された道標なのだそう。なるほど、駅を出てすぐ歴史を学べるって、いいものですね。
03| 三軒茶屋の名残をとどめる「田中屋陶苑」
陶器のたぬきや招き猫も並んでいて、どこから見てよいか悩んでしまうほどの品揃え
次に向かったのは、三軒茶屋の地名の由来になった「田中屋陶苑」。三軒茶屋銀座商店街「三茶しゃれなあど」の入り口にあるお店です。三軒茶屋は文字通り、三軒の茶屋があったことから命名されたのだとか。残念ながらほかの二軒は残っておらず、唯一現存しているのはこの一軒のみ。陶器屋として創業してからもう100年が経つのだそう。
無造作に生活雑器が並べてあるのも、親しみやすい街の象徴のよう
店頭はもちろん店内にも、茶碗や湯飲み、皿などが所狭しと並んでいます。どれも手頃な価格で、普段使いにぴったりのものばかり。食器などを買い足しに来る地元民が多いのも納得です。昔ながらの陶器のほか、植木鉢なども取り揃えていて、掘り出しものが見つかりそう。
お店の奥にある棚から発見したのは、野菜の箸置き(各110円)
「せっかく訪れたのだから、何か購入していきたい!」と思い、お店の中をグルグル回ってじっくりと観察。さんざん迷ってようやく選んだのは、小さな箱に入っていた野菜の箸置きでした。形や色が愛らしくて、しかもお手頃価格。本日の街歩きで手に入れた、最初のお土産です。
田中屋陶苑
所在地:東京都世田谷区太子堂4-23-15
定休日:水曜
04| 昼の飲み屋街、「三茶3番街」をぶらり
飲み屋街を訪れるにはまだ早い時間のためか、歩いている人もまばら
三軒茶屋の歴史を少しかじったところで、路地裏を散策しようと通りをぶらぶら。駅周辺は商店街や飲み屋街が点在していて、ちょっと横道にそれると戻り方がわからなくなってしまいます。私のような方向音痴にはまるで迷路のよう!でもまたそれが三軒茶屋の魅力なのかもしれません。平日の午前中のせいか、飲み屋街はまだ準備中のお店が多くて人もあまりおらず、路地裏をゆっくり散策するのにぴったりのタイミングです。
05| フレンドリーな雰囲気の「すずらん通り」
入口にあるユニークなイラストの看板がトレードマーク
「三茶3番街」からの帰り方がわからず、駅に戻って仕切り直して向かったのは、居酒屋やバーが建ち並ぶ「すずらん通り」。「喰うてかへんか?」の看板がフレンドリーな雰囲気を醸し出しています。ここもまだ人影は少なく、料理の仕込みなどこれから開店準備に取りかかる店員さんの姿がちらほら。夜になったらあかりがついて、きっと様相も変わるのでしょうか。今度は夕方以降にもきてみたいと思いました。
06| レトロ喫茶店「セブン」でオムナポランチ
昭和の雰囲気が漂う、クリーム色の窓枠とショーケース
飲み屋街と路地裏散策がひと段落したところで、ちょっと早いけれどランチを楽しむことに。本日のお目当ては、三軒茶屋駅から徒歩約2分のところにある「喫茶セブン」。レトロ喫茶として人気のお店です。ワクワクしながら行ってみると、まず可愛らしくて昭和感たっぷりの外観に心惹かれました。
手作りの看板が出迎えてくれる(左)。フォークが浮いているスパゲッティの食品サンプル(右)
外観の隅々までこだわりを感じさせるのも、このお店の魅力。窓の下のショーケースの奥にはアメリカンポップなポスターが貼られていて、昔懐かしい食品サンプルが並びます。それを照らしている蛍光灯が時折点滅して、ノスタルジックな気分に浸れました。
手縫いらしきランプシェードなど、インテリアも手作りのぬくもりがいっぱい
ドアを開けて入ってみると、まだお昼前のせいか空いているテーブルもちらほら。「混む前に来て正解!」と思いながらテーブルにつきました。近所に住む人々の憩いの場にもなっているようで、コーヒー片手におしゃべりを楽しむ賑やかなお客さんたちも。店内を見渡すと、イスのクッションやランプシェードの生地がそれぞれ異なっていたり、出窓に折り紙が飾ってあったりと、手作り感満載のインテリア。まさに癒しの空間といった印象です。
名物オムナポと子どもの頃を思い出させるクリームソーダ(2点で1,690円)
テーブルについたところで、店員さんがオーダーを取りに来てくれます。注文したのは人気メニューのオムナポとクリームソーダ。撮影の許可をもらってシャッターを切っていると、お皿にドンとのったオムナポの登場です。卵焼きにはケチャップがたっぷりかけられていて、その上にソーセージがちょこん。サラダも添えてあってボリューム満点。おともは懐かしのクリームソーダ。クリームソーダなんて学生時代以来かも?と思いながら、さっそくいただきます!
どこから食べようかと悩みつつ、卵焼きを開いてみるとナポリタンがぎっしり!
上にのっているソーセージをどかしつつ、まずはフォークで優しく卵焼きを開いてみます。食べるときに肝心なのは、オムライスを食べるときのようにいきなり突き刺さないこと。スパゲッティが細切れになって食べにくくなってしまいます。卵焼きとケチャップをスパゲッティに絡めながら食べると、通常のナポリタンとは違ったおいしさ。オムナポとクリームソーダを全部たいらげる頃にはもうお腹いっぱいで、しばらく動きたくない気分。大満足の組み合わせでした。
喫茶セブン
所在地:東京都世田谷区三軒茶屋1-32-13
電話:03-3410-6565
営業時間:11:00~21:00
定休日:無休
07| まとめ
三軒茶屋のプチ歴史とランチ編、いかがでしたか?次回はちょっと足をのばして、西太子堂まで散策に行ってきます。
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この記事を書いた人
鈴城久理子 ライター
雑貨紹介や料理、インテリアなど暮らし系の記事を中心に執筆することが多いライター。ただいまメダ活実践中。