都会の忙しさから離れ、のんびりとした暮らしを送りたい。自然豊かな場所で生活したい。新しい出会いを見つけたい。そんな願望を抱き、地方移住を考えたことがある独身女性も多いのではないでしょうか。一方で、新しい環境への不安や一人暮らしの寂しさなど、さまざまな心配事が頭をよぎるのも事実です。この記事では、独身女性の移住に必要な知識や心構え、活用できる制度、おすすめの移住先などの解説はもちろん、実際に地方移住した女性の体験談もご紹介します。ぜひ、理想の暮らしを実現するための参考にしてみてくださいね。
CONTENTS
01| 移住を考えている独身女性へのガイド
移住のメリット
独身女性が地方移住をすることは、都会暮らしでは得られない多くのメリットがあります。地方ならではの環境やライフスタイルの変化は、新たなチャンスや充実感をもたらしてくれるはず。その主なメリットを紹介します。
- 移住先や移住のタイミングを自由に決められる
単独で地方に移住する最大の魅力は、自分の都合に合わせて自由に行動できることです。子どもの転校やパートナーの転職といった調整する問題がないため、自分のライフスタイルやタイミング、好みに合わせて移住先を選ぶことができます。また、住む場所に関しても、小さなアパートから古民家、シェアハウスなど自由に選択が可能です。もし「この場所は私には合わないかも……」と感じても、自分だけの問題として解決しやすく、別の場所に移住することも比較的簡単にできます。 - 新しい人間関係を築く絶好のチャンス
都会での人間関係に疲れている方にとっては、地方移住は新しい人間関係を築く絶好のチャンス。さらに、縁もゆかりもない土地がゆえに、周囲を気にせず交流できるというメリットもあります。またパートナーを探す目的の人には、地域によって婚活をサポートする制度を提供している自治体もあります。 - 移住前ではできなかったことにチャレンジできる
都会ではなかなか実現できなかった夢も、地方なら叶うかもしれません。例えば、古民家をDIYでリフォームしたり、小さな畑で野菜づくりを始めたり、地域の人々と共に伝統工芸を学んだり。都会では考えられないような体験を通して、自分の成長を実感できるはずです。 - 今よりもっと広い家に住める
都会では高額になりがちな家賃や住宅価格も、地方ではぐっと抑えられることが多く、広々とした一戸建てや、庭付きの物件を手に入れることも夢ではありません。また、自治体が運営する「空き家バンク」を活用すれば、地域によって建物の改修費用などを一部補助してくれる制度などもあるので、初期費用を抑えることが可能です。
移住のデメリット
地方移住で得られるメリットはさまざまですが、考慮すべきデメリットもいくつかあります。
- 孤独を感じやすい
単独で移住するため、移住先に知り合いが存在しないことがほとんどです。そのような環境下で既存のコミュニティに溶け込むには時間がかかる可能性もあります。また、都心であれば一歩外に出れば人の気配を感じることができますが、郊外になるとそういった光景を見ること自体難しく、さまざまな場面で孤独を感じることが多くなるといえそうです。 - 交通の不便さ
地方の場合、公共交通機関が充実している地域は少なく、車が必須になることが多いです。車を所有していない場合は購入費用の捻出、ペーパードライバーであれば講習を受けたり、そもそも免許を持っていない場合は免許取得も視野に入れましょう。
移住前に準備すべきこと
- 情報収集は徹底的に
独身女性が地方移住を検討する際は、情報収集が成功のカギです。まずは移住支援サイトや自治体の公式ホームページをチェックし、地域ごとの特色や移住支援策を把握するようにしましょう。移住者向けのイベントやセミナーに参加すれば、現地の暮らしぶりや他の移住者の体験談を直接聞くことができます。また、SNSやオンラインコミュニティを活用すれば、地域ごとのリアルな生活情報や移住者同士のつながりが得られます。さらに、地方での働き方や趣味の可能性を調べ、自分の理想の暮らしと一致するかを確認しましょう。十分な情報収集をすることで不安を解消し、移住後の生活をイメージしやすくなります。 - 就職先を決めておくほうがベター
可能であれば事前に移住先での仕事を決めておくと安心です。仕事を通じて地元の人々と関わる機会が増え、人間関係の構築がスムーズになります。特に慣れない環境で生活をスタートする時は、職場での人との繋がりは孤立を防いでくれるはずです。また、収入の確保ができているというのも安定した生活を支えるためには必須です。地方では都市部と比べて求人の選択肢が限られる場合もあるため、移住前に仕事を見つけておくことで、経済的な不安を軽減し、心の余裕を持って移住生活を楽しむことができます。 - 移住のお試し体験に参加する
「お試し移住」は、移住という大きな決断を下す前に、リスクを最小限に抑えて将来の暮らしをシミュレーションできる絶好の機会です。一定期間実際に住むことで、通勤や買い物、病院へのアクセスなど、日々の生活に関する具体的な情報を収集することができます。移住体験にかかる費用は、無料で利用できる手軽なツアータイプのものから、有料で数カ月滞在するものまで、自治体によってさまざま。交通費や滞在費を補助してくれる場合もあるので、しっかりと下調べをしてから臨みましょう。
移住前の心構え
- 移住の目的や優先順位を明確にしておく
自分は移住先でどんな暮らしをしたいのか、何を重視しているか、譲れない条件は何かといったものに優先順位をつけ、明確にしておくことが大切です。例えば「海や山、田園風景など、自然に囲まれて暮らしたい」「生活費を抑えてゆとりのある暮らしをしたい」「地域の人々と積極的に関わりたいか、それとも、ある程度プライベートな空間を確保したいのか」「現在の仕事を引き続きリモートワークで行うのか、新たな仕事を探すのか」といった具合です。考え方や価値観は変化するものなので、当初の目的が変わることもあります。自分にとっての「理想の暮らし」を描き、そのために必要なことをひとつずつクリアしていきましょう。 - 地方で差が出る生活費を把握しておく
都心部よりも家賃や物価が安く済むのは地方移住の魅力ですが、地方ならではの出費があることも念頭に入れておかなくてはなりません。例えば、地方では都市ガスが引かれていない場所が多く、プロパンガスを利用することが一般的です。プロパンガスは都市ガスに比べて単価が高く、配達費用などもかかるため、ガス代全体が高くなる傾向にあります。また、寒冷地では暖房代もかさむため、冬場の電気代が高くなるのも避けられません。車が必要な場所へ移住する場合、購入費はもちろん、車検代や自動車税、保険料、ガソリン代など、多くの費用がかかります。今まで電車通勤だった人にとっては車を維持していくというのは予想外の出費と感じるかもしれませんが、この地で生活していく上では必要経費と考え、しっかり予算に組み込んでおきましょう。 - 自分から積極的に行動し、コミュニティに溶け込む努力をする
初めての場所で人間関係を構築することは不安がつきものですが、解消するための一歩を踏み出すことが大切です。例えば、地元のお祭りやボランティア活動など、地域のイベントに参加することで、多くの人と知り合うことができます。また、大型スーパーなども便利ですが、地元の商店を利用すれば、地域の人とのつながりが生まれやすくなるかもしれません。移住先でコミュニケーションを円滑にするには「自ら動くこと」が大切です。最初から完璧を目指さず、まずは地域に馴染む過程そのものを楽しむ気持ちを持つようにしましょう。
02| 移住者の声
瀬戸内海に見守られながら「地域おこし協力隊」として地域を盛り上げる
「地域おこし協力隊」として地元のラジオ番組にも出演
中臣さくらさんが、地方移住を考えたきっかけ
2022年、30歳を迎えることを機に、東京都から岡山県倉敷市へ単身移住した中臣さくらさんにお話を伺いました。
中臣さんは大阪府出身で、飲食チェーン店を展開する会社への就職のため2016年に上京。都内や横浜、仙台などでの勤務を経て、都内の店舗で店長として勤務していたとき、仕事や自身のこれからについて考え始めたといいます。
「前職では店長として働き、ある程度の経験を積んだことで自分のキャリアにひと区切りをつけ、退職を決意しました。東京での生活にも満足し、憧れだった都会での暮らしをひと通り経験した中で、30代を迎える時、都心での結婚や子育ての未来がイメージできないことに気づいたんです。そんな中、以前から心にあった『海の近くに住みたい』『自分のお店を持ちたい』という夢を叶えるため、地方移住を考え始めました」
中臣さんお気に入りの瀬戸大橋の眺め
移住前は、お試し移住にチャレンジ
中臣さんが移住先に求めた条件は「温暖な気候」「災害が少ない」「実家がある大阪から近い」というもの。そんな希望にぴったりだったのが岡山県でした。
「移住を考えている時に瀬戸内地域のオンライン移住セミナーへ参加したのですが、その時に倉敷市下津井で町おこしに取り組んでいる方のお話を聞き、その熱意あふれる語りに引き込まれてしまったんです。その時、岡山の人たちに会ってみたい、実際に町を訪れてみたい、と強く思いました。その後、お試し移住という形で現地を訪れ、直接その魅力に触れることができました」
下津井では岡山名物「ままかり」が新鮮な刺し身でいただける
地域の人々と触れ合い、理想の暮らしを送る
そんな下津井で新たに「地域おこし協力隊」の募集があったことも移住を後押しするきっかけになったといいます。
「知らない土地で飲食店をしたいと思ったとき、やっぱり地域の人に愛されるお店になりたいなと思ったんです。知り合いがいない土地でやっていくにはまずその地域を知り、人を知りたいと思い、地域おこし協力隊に応募して活動することを決めました」
下津井へ移住して2年がたち、中臣さんは東京では感じなかった充実した毎日を送っているそう。
「まず、帰り道に見る瀬戸内海や瀬戸大橋はとにかく絶景で、毎日自然に癒やされています。人が多い場所から戻るとほっと一息つけるような安らぎを感じますね。そして下津井の方々はいつも挨拶を欠かさず、私のことを気にかけてくれる優しい人たちばかり。旬の魚や野菜、果物をお裾分けしてくれることもあります。地域の人々とのつながりを大切にしたいと思っていた私にとって、今の環境は理想そのものです。また、下津井を盛り上げようとする地域愛と活気に満ちた方々の姿に大きな刺激を受けています。新しい挑戦をするときには応援をいただくことも多く、自分らしい暮らしを送ることができていると感じますね」
中臣さんは現在も地域おこし協力隊としての活動を続けていますが、具体的にはどのようなものなのでしょうか?
「私の活動を一言で表すなら、『鷲羽山・下津井エリアの活性化』です。この地域をより多くの人が知って訪れてもらう、さらには移住を検討してもらえるよう、多岐にわたる取り組みを行っています。具体的には、イベントや酒場の企画・開催、観光地でのコーヒー販売、ラジオパーソナリティとしての情報発信、SNSを活用した広報活動、そして移住希望者向け宿泊施設の運営サポートなど、多方面から地域の魅力を発信しています」
イベントに出向いてコーヒーを販売する活動も
中臣さんの下津井でのチャレンジはまだまだ続きます。
「地元の方や移住者、観光客など、さまざまな人が集まって楽しめる飲み屋さんをつくりたいと考えています。また、過疎化が進む中で、移住者や下津井でお店を始めたいと考える仲間が増えて欲しいなという思いもあり、そのような人々を支援する活動も続けていきたいと思っています」
03| 国や自治体の移住支援制度を活用しよう
国や自治体では、移住を支援するためのさまざまな制度を提供しています。支給にはいくつかの条件を満たす必要がありますが、資金面の援助は移住を後押しする重要な要素です。
政府の移住支援金は単身で最大60万円まで
2019年度から、政府は特定の条件を満たす人が東京23区外に移住する際に、移住支援金を支給する取り組みを支援しています。対象となるのは、一定期間以上東京23区内に居住していた人や、東京圏(条件不利地域を除く)から23区内に通勤していた人です。さらに、移住先の自治体が地方創生移住支援事業を実施していることなど、いくつかの条件があります。
支給額は単身で移住する場合は最大60万円となっています。さらに、移住先で地域課題の解決に取り組む社会的事業を起業する場合には、最大200万円の支援を受けることも可能です。
※2024年度までの予定
地方自治体による独自の移住支援策も
地方自治体が展開する移住支援策は、それぞれの地域が持つ特性や課題を踏まえた独自の取り組みが特徴です。人口減少や高齢化が進む地方では、移住者を増やし、地域を活性化させることを目的に、さまざまな支援を行っています。
- 手厚い新築支援が受けられる(北海道赤井川村)
赤井川村は北海道南西部に位置し、約8割が山林で占められている自然に囲まれた場所。日本有数の豪雪地帯としても知られ、冬は美しい雪景色が広がります。
そんな赤井川村は10年以上居住する人に対して、最大300万円の住宅建設資金の支給を行っています。移住者自らが居住することはもちろん、新築であることなどいくつかの条件はありますが、建築後の3年間は固定資産税が半額になるといううれしい特典も。他の自治体と比べても、かなり高額な住宅支援金となっています。 - 独自の二段階移住の活用(高知県)
高知県では、県への移住に興味がある人がよりスムーズな移住を実現するために「二段階移住(すてっぷ移住)」を導入しています。まず、比較的都市部である高知市に移住・滞在してもらい(1ステップ目)、そこを拠点として県内各所を巡りながら気に入った場所を見つけ、最終的にその場所に移住してもらう(2ステップ目)、といったものです。
それに伴い、お試し移住費用(1ステップ目)として最大22万円の補助や県内を巡る際のレンタカー代の補助が受けられるのも魅力です。
「地域おこし協力隊」として活動する
「地域おこし協力隊」とは、地方公共団体が地域課題の解決や地域活性化を担う人材を募集する制度です。一定期間その地域に居住し、地域住民と協力しながらさまざまな活動を行います。
地域おこし協力隊は、「給与所得」としての報償費と、「事業所得」としての活動費を得られます。自治体によって雇用形態が異なり、準職員のような形で雇用契約を結び月給制・社会保険完備の場合と、個人事業主として委託契約を結び日額制・国民健康保険加入の場合があります。地域おこし協力隊となれば、安定した収入を見込めるのが魅力的です。
個人事業主の場合、活動日やスケジュールの自由度が高いのが特徴。活動費として住宅費や車両関係費も満額認められる場合があるのもメリットです。また、副業を許可する自治体もあり、柔軟な働き方が可能です。
各自治体によって募集している任務内容が異なるので、自分がチャレンジしてみたい、合っていそう、といった基準で移住先を選んでみるのも楽しいかもしれません。活動期間は最長で3年。その期間中に新たな目標を見つけたり、定住の準備を進めたり、自分のやりたい事は何なのかを見極めるきっかけにもなりそうです。
04| 思っていたのと違う? 移住生活のリアルと注意点
移住するにあたって避けて通れないのがお金の問題。「移住支援金」や自治体ごとの支援策などを利用して補助金を得られる場合もありますが、敷金礼金などを含む引越し費用や、仕事が決まっていなければ当面の生活費の確保も必須です。地方は家賃や物価が安いといったことはあるものの、その分賃金も大都市圏よりは低くなるため、収入と支出のバランスはそこまで変わらない可能性も。車を所有すればその維持費かかかり、住む場所が広くなれば光熱費がかさみます。その他にも、自然災害への備えや自治会費など、思わぬ出費が発生する可能性があります。少しでもギャップを埋めるために、移住先の物価、交通事情、住宅事情などを事前に詳しく調べておきましょう。
05| 移住生活をもっと豊かにする工夫とは
都会の忙しない日常から開放され、自然豊かな場所へ移住したのなら、その環境を楽しまない手はありません。例えばアウトドア好きなら、近隣の山でのトレッキングや川や海でSUPを楽しんだり、自家菜園を始めれば、新鮮な野菜を自分で育てて食卓を彩るよろこびも味わえます。また、地域のお祭りへのボランティア活動への参加は、地元の人々と交流し、新しい趣味を見つけるきっかけになるかもしれません。手仕事に興味があるなら、地域の伝統工芸を学んだり、自分で作品をつくってみたりするのもおすすめです。
都会ではなかなかできない経験を通して、移住生活がより充実感のあるものになるでしょう。
06| 独身女性のおすすめ移住先13選
独身女性が地方移住を考えるなら、自然豊かな場所や地方都市、移住者向けのサポートが充実した地域は特におすすめです。ここからは、独身女性にぴったりの移住先をピックアップしてご紹介します。
1.長野県佐久市
千曲川から見える浅間連峰
長野県佐久市は、軽井沢町、御代田町、小諸市、立科町と隣接し、約10万人が暮らす地域です。北陸新幹線で東京まで約70分と都心へのアクセスがよく、関東との二拠点生活や移住を選ぶ人が増加中。2021年から2022年にかけての人口増加数が長野県内で最も多く、今注目のエリアとなっています。真夏でも熱帯夜がなく、晴天率が高いのも快適に過ごす上で魅力的です。また、保育所の待機児童がゼロをであることからも、定住して子育てしたいと思っている人にとって理想的な移住先といえます。
2.宮城県東松島市
松島湾の美しい景色
宮城県東部、日本三景「松島」の東端に位置し、美しい自然に囲まれた東松島市。2011年の東日本大震災からの復興を遂げ、現在は安心・安全なまちづくりを進めています。仙台までは車、電車ともに45分程度と中心部へのアクセスも良好です。東京までは新幹線で約3時間で行くことができます。
東北地方でありながら太平洋に面しているということもあり、気候については比較的温暖なのも魅力のひとつです。また東松島市は、市外居住者が市内で住宅を取得する費用を、最大で100万円補助するシステム「定住化促進事業補助金交付制度」を導入しています。市内の業者に発注した場合、新築物件で100万円、中古物件で50万円まで補助が受けられます。
3.栃木県那須塩原市
1200年以上の歴史を持つ塩原温泉郷
高原リゾート地として遊園地や美術館、アウトドア施設など多くの観光施設がある栃木県那須塩原市。黒磯市・西那須野町・塩原町が合併し、人口約11万人を有します。市内には塩原温泉や板室温泉など歴史ある温泉地も多数あり、自然豊かで癒やされるスポットがたくさんあります。市の半分を広大な山岳地帯が占めていますが、必要なものがコンパクトにまとまった市街地が駅ごとに形成されているので、自然と暮らしやすさのバランスがちょうどよいのが魅力です。独自の移住支援として、いくつかの条件を満たしていれば、市内の賃貸住宅に入居した43歳未満の人を対象に、家賃の一部を補助(月額最大2万円まで)する取り組みを行っています。
4.静岡県伊東市
伊豆半島に位置する伊東市
静岡県伊東市は静岡県最東部に位置する場所で、海、山、湖がそろい、日常的にリゾート気分を味わえるのが魅力です。海水浴、サーフィン、ダイビングなどのマリンレジャーや、山歩きを楽しむこともできるので、アクティブ派の人におすすめ。温暖な気候で過ごしやすく、冬に雪が降ることはほとんどありません。東京まで約90分でアクセスできるため、都会との繋がりを保ちつつ、自然豊かな環境で暮らせます。
5.広島県尾道市
レトロな街並みも魅力
広島県尾道市は瀬戸内海のほぼ中央に位置する、人口約13万人が暮らす港町です。公共交通機関の利用や徒歩、自転車での移動が推奨されていて、交通の便がよいのも特徴です。尾道市と愛媛県今治市を結ぶ有名な「しまなみ海道」は、世界的に有名なサイクリングロードとして知られています。自転車専用の歩行者道が整備されており、サイクリングを楽しむには絶好のスポット。また、歴史ある寺社や古い町並みが多く残り、文化的な雰囲気と瀬戸内海の美しい風景が融合した景色が楽しめるため、穏やかな暮らしを求める女性から人気がある場所です。
6.熊本県熊本市
市内では路面電車が走っている
熊本県熊本市は九州の中央部に位置し、福岡市、北九州市に次いで大きな都市で、2012年には政令指定都市にもなっています。市街地は多くの飲食店や商業施設が充実していますが、郊外に出れば海と山に囲まれ、自然豊かなエリアが広がります。この都会と田舎の程よいバランスが住みやすさの理由といえるでしょう。また、市内の水道水は地下水100%のため、「蛇口をひねればミネラルウォーター」というキャッチコピーがあるほど、水がおいしいのだそう。九州地方という場所柄、各都市へのアクセスが気になりますが、飛行機なら東京まで1時間半、福岡まで新幹線で最速32分と、思いのほか不便しないところも魅力的です。
7.高知県四万十市
四万十川では沈下橋がいくつも見られる
高知県の西南部にあり、市の名前にもなっている清流「四万十川」が流れる自然豊かなエリア。実は、四万十市は「地域おこし協力隊」の活動が盛んで、多くの移住者が活躍している場所。また、県内で活動している協力隊の6割が女性であることから、独身女性が安心して移住できる環境が整っているといえそうです。さらに、結婚を機に四万十市への移住を希望する人へ、結婚相手と移住先を同時にサポートしてくれる取り組みも行っています。移住先でパートナーを見つけたいと思っている方におすすめの場所です。
8.北海道札幌市
中心地に位置する大通公園の風景
札幌市は人口約197万人を誇る北海道最大の都市で、一年を通して多くの人が訪れる、言わずとしれた人気観光地です。たくさんの観光スポットに加え、名物グルメも豊富なので、食とレジャーどちらも楽しめる絶好の場所です。そして何といっても交通機関の充実が地方都市としてはピカイチ。3つの地下鉄とJR、市電、バスもあり、都内に比べると混雑度も低いので快適な通勤時間が過ごせるはずです。また、大都市の中でも家賃相場がかなり低いのが特徴です。セキュリティ面がしっかりした場所を選んだとしても手頃な金額で借りられる物件が多いので、都会の雰囲気を楽しみながら移住を楽しみたい人にもおすすめです。
9.福島県福島市
自然豊かなロケーションの福島市
福島県の県庁所在地である福島市は県の北部に位置し、人口は約28万人。自然豊かで便利な都市機能も整っており、桃や梨などのフルーツの名産地としても知られています。仙台駅まで新幹線で約25分と大都市へのアクセスも良好。東京へは福島駅から新幹線で約1時間半です。2023年は移住者増加率が過去最高を記録するなど、これから移住者の増加が期待できる注目のエリアでもあります。県内には女性の移住者を支援する団体が4つもあるので、コミュニティに参加すれば女性ならではの不安や心配ごとの解消にも役立ちます。また、いくつかの条件を満たした移住者に、市内にある4つの公衆浴場が最長3年間無料で利用できる「湯巡りパスポート」を交付するユニークな取組みも実施しています。
10.奈良県奈良市
多くの観光客が訪れる奈良公園
奈良県の県庁所在であり、人口はおよそ34万人で、中核市に指定されている奈良市。東大寺や春日大社などの世界遺産を含む多くの歴史的建造物や文化遺産があり、奈良公園や春日山原始林といった緑豊かな環境にも恵まれています。大阪や京都、神戸といった関西・近畿地方の大都市へのアクセスが良好で、都市部への通勤も可能な場所です。奈良市は観光地としてのイメージが強いですが、実は5年連続で転入超過しており、移住者の向けの冊子『ならりずむ。』の発行などを通して、移住者支援を積極的に行っています。
11.京都府京都市
市内には世界遺産をはじめとする歴史建造物がたくさん
794年に平安京として都が置かれ、1000年以上にわたり日本の政治と文化の中心として栄えた古都。数多くの世界遺産や文化財が点在する京都市へ、観光で何度も訪れているという人も多いのではないでしょうか。多くの大学があることから学生人口が非常に高く、その数15万人ほど。若者が多い場所でもあるのです。ただ、京都独自の文化やしきたりがあるイメージが先行して、「移住するには敷居が高そう」と思いがちですが、市全体で移住者を増やす取り組みを積極的に行っているので安心です。京都市移住サポートセンター「住むなら京都(みやこ)」のホームページには、住まいや仕事に関すること、京都市のエリア別の情報などを発信しているので、ぜひ活用してみてください。
12.沖縄県うるま市
4つの島を結ぶ海中道路
沖縄本島中部の東海岸に位置するうるま市は、那覇空港から車で約50分、那覇市、沖縄市に次いで3番目に人口の多い都市です。美しい海はもちろん、世界遺産に登録された「勝連城跡」や海の上を走れる「海上道路」など、観光スポットも充実しています。沖縄の伝統芸能「エイサー」が盛んで、沖縄らしい昔ながらの街並みが色濃く残っているのも特徴です。そんなうるま市には、島しょ地域夜呼ばれる5つの島があり、そのうちの4つは海上道路で繋がっています。そして、市では島への移住体験プログラムを定期的に実施。農業体験や島民や先輩移住者との交流など、より移住先のリアルな暮らしをイメージしながら参加できると評判を呼んでいます。
13.岡山県倉敷市
倉敷美観地区の美しい景観
「晴れの国」として知られ、温暖で過ごしやすい気候が特徴の岡山県。倉敷市は県南部に位置し、中国地方では広島市、岡山市に次いで3番目に人口が多く、約45万人が暮らしています。倉敷駅周辺にはデパートや大型アウトレットモールなどが集まり、白壁の蔵屋敷と柳並木が美しい岡山を代表する観光地、美観地区も市内にあります。岡山駅までは在来線で約17分、岡山空港まではバスで約30分という利便性も魅力。都会的な部分と昔ながらの風景のどちらも楽しめるとあって移住者からも人気の場所です。そんな倉敷市独自の移住者支援として、移住前の家探しや転職活動にかかる交通費の半額が助成される制度を導入しています(東京圏と大阪圏在住に限る)。上限は東京圏在住の場合、16,000円、大阪圏に在住の場合は6,000円となっており、面接などで何度か訪れる必要がある場合にも安心です。